すぐ役立つ戦術を紹介したい。

今回は相早繰り銀の将棋だ。

先手の手が広い局面

手順 ▲45銀。

図は相早繰り銀の将棋の中でもやや珍しい局面だ。

▲16歩+▲66歩の2手と△94歩+△95歩の2手との交換になっている。

端と▲66歩、△44歩の組み合わせは複数ある。その中でも▲16歩+▲96歩と△94歩+△14歩の交換が入った前例が多い。

端をお互い突き合った将棋はこちらの記事で検討した。

図は△95歩と位を取らせている点をどう見るかがテーマになる。

図から▲15歩は△75歩▲同歩△同銀で、▲24歩△同歩▲25歩△76歩の進行は▲15歩△95歩が後手得に働く。▲16歩+▲96歩、△94歩+△14歩となっている場合はこの順は有力だ。

▲15歩△95歩の場合は、△75歩▲同歩△同銀▲76歩△86歩▲同歩△同銀▲56角△77銀不成▲83歩の順を選びたい。これなら将来▲14歩と端攻めできるので端を生かせる。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

図から▲35歩は△同歩▲同銀△34歩で、▲24歩△同歩▲同銀△27歩▲同飛△45角▲28飛△24銀▲同飛△78角成▲21飛成△31金打▲11竜△22銀で後手良し。

▲24歩とは突けないので△34歩に▲46銀と引くが、一歩交換で終わる。一局だが、歩交換だけするのは先手番らしくない。

見慣れない▲45銀が先手の工夫だ。

先手が打開できるかどうか

手順 △73桂▲56銀△62金▲15歩△84飛▲58金△42玉▲68玉。

▲45銀は次に▲56銀と引いて腰掛け銀にする意味だ。▲56銀と引くことで△64銀にプレッシャーを与えることができる。

▲45銀に△75歩は▲46角のラインが受けづらい。以下△76歩▲同銀△86歩は▲65歩と反発して先手良し。

△73桂は▲65歩を消して、長く駒組みする意味。

最終図はこれからの将棋。先手が打開できるかどうか。

後手は△52玉ー△42玉を繰り返して待機するか、△75歩▲67銀△76歩▲同銀右△74歩や△54角を組み合わせて攻めてみたい。

▲45銀を咎める△55銀の変化

手順 △55銀▲37角△73角▲75歩△同歩▲56歩△64銀▲68飛△84角▲65歩△73銀▲34銀△同銀▲74歩。

▲45銀に△55銀と出るのは一番強い手だ。しかしリスクがある指し方だ。

先手は▲37角とラインに打つ。

△73角に▲75歩△同歩▲56歩とし、△44銀引は▲73角成△同桂▲44銀△同歩▲96歩で先手指せる。一歩手にすると▲74歩が打てる。

▲56歩に△64銀と引くが、▲68飛△84角▲65歩△73銀と銀を追って、▲34銀が強手。△同銀▲74歩と打って攻めが繋がる。

△55銀は気になる手だが、後手としても出づらい。

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