すぐに役立つ戦術を紹介したい。
今回は角換わりのちょっとした駒組みついてだ。
▲29飛を後回しにする工夫
手順 ▲56銀△81飛▲66歩。
▲29飛を後回しにし、▲56銀△81飛▲66歩とするのが序盤のポイントだ。
先に▲66歩とすると、△54銀▲56銀△65歩▲同歩△同銀と仕掛ける変化を与える。
先に▲56銀と出て、△54銀なら▲29飛と引く。△54銀の瞬間は後手の格好が悪いので、勢い▲45桂と仕掛ける手もある。
▲29飛を後回しにする効果はどこにあるのか。
▲29飛と引いた場合
手順 ▲29飛△81飛▲56銀△41飛▲66歩△44歩▲45歩△52玉。
▲29飛を急いだ変化と比較してみたい。
▲29飛△81飛▲56銀に△41飛と回る作戦がある。
玉飛接近するので見慣れない形だが、次に△44歩ー△54銀として、先手が何もしてこなかったら△31玉ー△22玉ー△31玉を繰り返して千日手模様。▲45歩と仕掛けてきたら△52玉と寄る意図がある。
▲45歩と仕掛けられた場合は、△31玉より△52玉として戦場から遠ざかりたい。
つまり△41飛は、玉の位置を保留することで、▲45歩に対応しやすくしている。
△41飛▲66歩△44歩▲45歩に△52玉と寄る。
▲45歩と仕掛けずに▲79玉と引いても、△54銀▲45歩(▲88玉なら△31玉)△52玉で似た感じだ。
最終図は後手十分戦えるとされている。
△41飛の変化が指しづらくなる
手順 ▲56銀△81飛▲66歩△41飛▲79玉△44歩▲45歩。
▲56銀△81飛▲66歩△41飛に▲29飛と引けば上記の局面に合流するが、▲79玉と引く手が有力だ。
△44歩には▲45歩と仕掛けて先手ペースだ。
さっきとの違いは、▲29飛が▲79玉に代わっている点だが、この違いがとても大きい。
最終図以下△45同歩は▲35歩△同歩▲45桂で先手指せる。
▲45歩に△52玉は▲44歩と取り込んで、△同飛は▲24歩△同歩▲45桂で先手指せる。△44同銀も▲88玉と囲っておいて、次に▲24歩を狙う。
飛車の横利きで▲48金に紐がついている点も大きい。
▲29飛を後回しにして▲56銀ー▲66歩とすることで、△41飛ー△44歩とする作戦をなくしている。