すぐ役立つ戦術を紹介したい。
今回は相雁木の将棋だ。
△54歩を突かなかったら▲55歩と位を取る
手順 ▲68角△63銀▲55歩。
▲46歩ー▲47銀ー▲56銀右と腰掛ける将棋ではなく、▲56歩と突く将棋を先手は選んでいる。
お互い▲56銀△54銀と腰掛ける将棋はこちらの記事で検討した。
▲56歩に△54歩▲46歩△64歩▲47銀△63銀となると先後同型だ。この展開も後手は考えられる。
詳しくはこちらの記事で検討した。
今回は▲56歩に△64歩と突いて、△54歩を保留する将棋だ。以下▲46歩△63銀▲47銀△31玉▲79玉となると、後手は△54歩ではなく△54銀右を選ぶことができる。△54銀は▲45歩の仕掛けを防いでいる。
こうなると後手が少し得するので、先手は工夫したい。
△54歩を突いていないのを咎めて、▲68角△63銀▲55歩と位を取る指し方が考えられる。
△54歩と突くための△42角
手順 △42角▲46歩△54歩▲45歩△同歩▲15歩△同歩▲24歩△同歩▲同角△同角▲同飛△23歩▲29飛△55歩▲35歩。
図から△54歩と反発するのが第一感だが、▲同歩で、△同銀左は▲24歩△同歩▲同角△同角▲同飛△23歩▲26飛で、▲71角が残るので先手ペース。
△54同銀右は▲75歩で、△63銀に▲24歩△同歩▲23歩が好手。△同金は▲74歩△同銀▲25歩。△75歩は▲24角で先手好調だ。
△42角と引くのは、次に△54歩と突く意味だ。
対して▲46歩△54歩▲45歩と仕掛ける。
代えて▲56銀と位の確保をするのが自然だが、△54歩▲同歩△同銀右▲55歩△63銀や△65歩▲同歩△54歩とされて先手不満。▲56銀は先手玉が薄くなる。
最終図はこれからの将棋だ。お互い玉が薄く、距離感が難しい。
△31玉は先手の棒銀が間に合う
手順 △31玉▲26飛△42角▲57銀△54歩▲35歩。
△42角に代えて△31玉は甘い。
▲26飛と浮くのが面白い一手だ。以下△54歩▲同歩△同銀右は▲75歩△63銀▲15歩△同歩▲13歩△同香▲24歩△同歩▲74歩△同銀▲25歩が一例で、先手指せる。
△42角と引いて△54歩を狙うが、一手遅い。
△42角に▲57銀△54歩▲35歩と仕掛ける。最終図以下△35同歩は▲46銀。△55歩は▲34歩△同銀▲46銀で、次に▲35銀が狙いだ。
最終図は先手まずまずだ。
▲55歩に後手は△54歩と反発したい。しかしすぐ△54歩は先手の反撃にあう。
そこで後手は△42角と引いてから△54歩を狙うのが有力だ。この変化が▲55歩作戦の肝だろう。
後手が▲55歩の位取りを嫌うなら、▲56歩に△54歩と突くことになる。
△31玉と寄るのは甘く、▲26飛△42角▲57銀△54歩▲35歩と仕掛ける筋を与える。
△31玉を寄らずに△42角と引き、△54歩を狙ってみたい。