すぐに役立つ戦術を紹介したい。
今回は後手早石田の将棋だ。
△32金ー△33銀か△33桂か
手順 △33桂。
図は後手の作戦の分岐点だ。
△32金▲16歩△33銀▲15歩△24歩と仕掛ける手もあるところ。
以下▲24同歩に△同飛とぶつけ、▲同飛△同銀は飛車交換できる。
▲25歩と拒否してくれば△22飛と引いて次に△34銀から棒銀を狙える。
よって△24歩には、▲38金△25歩▲同飛△24飛▲同飛△同銀▲41角や、▲58銀△25歩▲同飛△24飛▲同飛△同銀▲14歩と反撃するのが有力になる。
今回紹介するのは△33桂と跳ねる手だ。
次に△25桂▲同飛△14角を狙っている。
△32金と上がらずに△33桂と跳ねるのが細かな工夫だ。
▲58金右には△14角と打つ
手順 ▲58金右△14角▲16角△52金左▲77銀△25桂▲同角△24飛。
後手は次に△25桂▲同飛△14角を狙っているので、先手は▲47銀に紐を付けたい。
▲58金右は自然な手だが、△14角と打ちやすい。
対して▲56角は△54飛▲36歩△25桂▲35歩△36歩と垂らし、▲同銀は△37桂成▲同桂△36角。▲48金は△56飛▲同銀△37歩成▲同桂△39角で後手指せる。
△14角▲16角にすぐ△25桂もあるが、以下▲25同飛△同角▲同角△24飛▲43角成△29飛成▲61馬△同銀▲55角と勝負される。
一回△52金左と上がり、次に△25桂を見せるのが良いだろう。
最終図まで進めば、後手大成功だ。
▲38金にも△14角
手順 ▲38金△14角▲16角△52金左▲77銀△31銀▲88玉△42銀▲78金△54歩▲66歩△53銀。
△33桂に▲38金と上がるのは手堅い一手だ。
同じように△14角▲16角△52金左▲77銀△25桂▲同角△24飛とすると、▲38金の効果で▲14角とできる。
以下△28飛成▲同金△14歩▲38金は桂得で先手良し。
▲38金は△14角に備えた手だが、それでも△14角と打つ手がある。
▲16角△52金左▲77銀に△31銀から駒組みするのが好構想だ。
△14角▲16角の格好が膠着状態なので、後手は角の打ち込みを気にせず、悠々と駒組みできる。
最終図は後手作戦勝ち。
▲48金と寄るとすかさず△25桂と跳ねれるし、▲56銀にも△25桂▲同角△24飛▲14角△28飛成▲同金△14歩と荒捌きができる。
▲16角にすぐの△25桂▲同角△24飛は無理筋だったが、後手の金銀が玉に近づき、先手陣が偏ったので成立する。
△14角に▲56角の変化
手順 ▲56角△44飛▲36歩△25角▲35歩△54歩▲37桂△14角▲25歩△55歩▲34角△24歩。
△14角に▲16角は先手不満だった。
▲56角と打ち、△44飛▲36歩とする順はどうか。
対して△36同歩は▲同銀△46飛▲47金が手厚い一手で受け止められる。
▲36歩に△25角▲35歩△54歩と角を目標にする。▲67角を用意する▲66歩は、玉のコビンが開くので△47角成▲同金△55銀の強襲が怖い。
最終図△24歩と突いた局面はお互いギリギリだ。
▲24同歩は△36歩で後手指せる。
▲16歩は△23銀▲15歩(▲同角成△同銀▲24歩は△14角で後手指せる。▲45歩は△34銀▲44歩△35銀としてどうか)△34銀▲同歩△同飛▲14歩△36歩で難しい。
後手の攻めが繋がるかギリギリのところだが、先手が受け切るのも容易ではない。
面白そうな作戦だ。