すぐに役立つ戦術を紹介したい。
今回は後手四間飛車に対する先手の駒組みについてだ。
テーマ図
手順 ▲66角△52金左▲88銀△54歩▲77桂△74歩▲89玉△53金▲68金寄△64金▲79金△62金▲78金寄△55歩▲同歩△52飛。
▲66角はミレニアム囲いを目指した一手だ。
▲66角の対策として、△32銀を保留する指し方もある。
こちらの記事で検討した指し方だ。
今回はもう一つの後手の対策だ。
▲77桂を見て、△74歩▲89玉△53金と繰り出すのが積極的な指し方だ。
5筋から動く手と、桂頭を狙っている。
最終図まで進むと、後手十分。次に△55金と出ることができる。
他にも、△22飛(△52飛)ー△42角ー△75歩とする順もある。
先手は△53金ー△64金を警戒して駒組みしたい。
▲77桂を保留する工夫
手順 ▲88銀△54歩▲68金寄△53金▲77角△64金▲66歩。
さっきは▲88銀△54歩にすぐ▲77桂と跳ねたが、△53金ー△64金で狙われた。
もう一手▲68金寄と待ってみる。
対して△62金上や△74歩なら▲86歩ー▲87銀と銀冠に組む。
△54歩と突くと△54銀と出れなくなり、△62金上と上がると美濃囲いに囲いづらいくなり、△74歩と突くと△32飛ー△35歩と石田流に組む順がやりづらくなる。
だから始めから銀冠を目指すより、▲66角と上がってミレニアム囲いを匂わせ、後手の形を見てからミレニアムか銀冠を選ぶ方が若干先手が得している。
△53金を見たら▲77角と引き、△64金には▲66歩と歩で対抗する。
手損でも、△64金を負担にする意図だ。
▲88銀を保留する工夫
手順 ▲36歩△52金左▲66角△54歩▲88玉△62金上▲98香△53金上▲77角。
▲88銀も保留して▲36歩と突いてみる。
先手は後手の手を見て、▲88銀からミレニアムか銀冠か、▲88玉から穴熊か、▲57銀-▲46銀の急戦かを決める意図がある。
▲88銀ー▲68金寄の待ち方よりも駒組みの含みが多い。
△54歩で△54銀がなくなったのを見て、▲88玉から穴熊を目指す。
△53金上に▲77角と引き、△64金に▲66歩を用意する。
無事に穴熊に組むことができれば先手作戦勝ちになる。
△54歩に代えて△62金上には▲57銀と上がり、△54歩には▲88玉、△74歩には▲46銀と使い分けることができる。
後手四間飛車に対してミレニアムに組むのは一時期流行した指し方だが、後手の対策も整備され、ミレニアムに組むまでが大変になっている。
先手は▲77桂を保留したり、▲88銀と保留したり工夫している。
先手は後手の手に応じて、臨機応変に囲いたい。