実戦ですぐ役立つような手筋を紹介したい。
今回は対抗型の将棋だ。
少しでも得する▲88角
手順 ▲88角△91玉▲78金引。
▲88銀△91玉▲78金引と囲うのが自然だ。もちろんこの手順もあるが、▲88角と打つのが少しでも手得をしようとする先手の工夫だ。
▲88角△91玉▲78金引△88角成▲同銀△33角と進むと、先手が一手得をする。
後手が先手の主張を通すまいとするなら▲78金引に△22飛になるが、先手玉を睨む△33角のラインが消えるので先手まずまずだろう。
▲78金引では、▲86金も有力。▲95金や▲96歩△同歩▲同金、▲96歩△同歩▲同香を狙っている。9筋を逆襲する狙いだ。ただ守りの金を攻めに使うので、リスクはある。選ぶかは好みによるだろう。
▲88角に代えて▲66角も手得を狙った一手だが、△同角▲同歩△33角で、将来△65歩が争点になる。▲88角なら▲66歩を突くことなく手得が狙える。
△22飛を嫌うなら▲38飛と寄ってから▲88角
手順 ▲36歩△91玉▲38飛△44角▲88角。
もう一つ、△44角の格好にしてから▲88角と打つ手もある。
最終図以下△82銀▲78金引となれば、▲28飛ー△33角の格好のときと比べて、△22飛が利かない。△88角成▲同銀△44角(▲35歩を受けて△32飛は▲77角のラインが受けづらい)と角を打たせることができる。これなら角を打たせつつ、先手が一手得できる。
序盤のおまけ
手順 ▲66銀△64歩▲78金△45歩▲57銀△77角成▲同金△33角▲99玉△82玉▲68金。
▲88角に至るまでの手順を少しだけ見てみたい。
△54銀に▲66銀と上がるのが工夫。▲66歩と止める将棋が多いが、9筋の位を後手に取らせたので、先手は積極的に動いていきたい。持久戦になると位が生きるので、早い動きを見せたいところだ。
△45歩に▲68角は△65銀がある。▲57銀はこの場合の手筋だ。角交換をすれば▲24歩と突けるようになる。
後手は△77角成▲同金△33角と▲24歩を受けつつ角のラインをキープする。
このようにして▲88角と打つ図になる。
△95歩を取らせるだけで局面の考え方が変わる。臨機応変に対応しなければならない。
最後に三択問題に挑戦してみよう。