角換わりの課題局面を検討したい。
課題局面 ▲24同飛に△35歩
手順 ▲24歩△同歩▲同飛△35歩。
▲24同飛に△23歩が自然だが、以下▲28飛△33桂に▲56角と進むと、一歩を手にしたので次に▲75歩からの攻めを狙うことができる。
▲56角に△84飛と受けても▲35歩がある。▲56角に△55歩▲29角△84飛とすれば▲35歩の攻めはないが、▲56歩△同歩▲同角で２枚目の歩交換ができる。
▲24同飛の瞬間は△81飛が利いているので、△23歩の一手ではない。先手は△35歩の反撃に対応できるか。
課題局面に至るまでの手順
手順 ▲98香△44歩▲99玉△42銀▲67銀△43銀。
図から▲98香と穴熊を目指す。後手が△62金ー△52金を繰り返す待機戦術なら、▲99玉ー▲67銀ー▲88金ー▲78銀とひたすら固める。
▲98香に△44銀や、▲98香△62金▲99玉に△44銀、▲98香△62金▲99玉△52金▲67銀に△44銀など分岐が多い。いずれも、どのタイミングで△44銀と出るかという駆け引きだ。
△44銀と出られたら先手は▲24歩から歩交換してどうかという将棋になる。
今回は△44歩から△42銀ー△43銀と組み換える作戦だ。△43銀型に組み換えることで、より隙のない陣形になる。
△42銀に▲24歩△同歩▲同飛は、△35歩が気になる。以下▲26飛は△25歩が好手。▲同桂は△37角。▲同飛も△36歩▲35飛△43銀▲36飛△27角または△49角で後手良しだ。
すぐ歩交換するのを我慢して、一回▲67銀と連結を良くして、△43銀に▲24歩から歩交換して課題局面になる。
△35歩に▲26飛は後手良し
手順 ▲26飛△36歩▲同飛△27角。
角換わりの将棋だが、先手は穴熊で後手は右玉という構図だ。先手玉の方が固いので、多少の駒損でも攻めが繋がれば先手指せるケースが多い。通常の形勢判断とはまた違った指標が必要になる。
局面に戻って、△35歩にどう受けるか。
▲26飛が見えるが、△36歩▲同飛△27角で後手良しだ。このような展開になると、先手の攻め駒をすべて取られる。
△35歩に▲47金のような手はNG手で、先手の主張である固さがなくなる。例えば△86歩で、▲同歩は△36歩▲同金△85歩。▲同銀は△69角と打ち込まれ、一方的に攻められる展開になる。
△35歩に▲45歩の変化
手順 ▲45歩△23歩▲26飛△45歩▲35歩△36歩▲同飛△28角。
次に△35歩に▲45歩と反撃する手を考えてみる。△36歩は▲44歩で銀が取れるので先手良しだ。
▲45歩に△23歩▲26飛と横利きを消してから△45歩と戻すが、先手も手順に▲26飛と引けたので▲35歩と戻すことができる。
対して後手の手が広い。一番強く指すなら△36歩▲同飛△28角とする順だ。△19角成の前に先手が手を作れるか。
他にも△36歩▲同飛△27角▲26飛△38角成▲45桂△37馬▲29飛と追い回す順もあるが、手順に▲45桂と捌かせるので後手が選びづらい。
▲35歩にじっと△49角も有力。▲48金で角が取られるが、△67角成▲同金△78銀▲68金△87銀成▲88歩△86歩で後手指せる。
▲35歩の局面は形勢不明だが、後手に複数有力手がある。
△35歩に▲同歩の変化
手順 ▲35同歩△36歩▲22歩△33桂▲21歩成△37歩成▲11と△47と▲68金右△46と▲21飛成△31歩▲34歩△45桂▲13角。
次に▲35同歩とあっさり取る手を見ていきたい。△36歩と打たれるが、▲22歩と打って反撃する。このとき後手に一歩でもあると△23歩で失敗だ。△36歩で歩切れになったタイミングを突いている。
▲22歩に△37歩成は、▲21歩成△47と▲68金右△48角▲11と△57と▲21飛成△31歩（飛車交換は▲84桂や▲84香のキズができる）▲28竜が手厚い一手で先手まずまず。
▲22歩に△33桂と逃げる手が勝る。▲34歩で桂馬が取られるが、以下△37歩成▲33歩成△同金となると先手の飛車が追われる展開になり、後手指せる。
△33桂▲21歩成△37歩成に▲22と△13角▲23飛成△22角▲26竜の進行もあるが、駒損が残るので、せっかくなら▲11とと取りたいだろう。
▲11と△47とに▲同金は△55桂がある。▲68金右に△46とは、▲21飛成に△31歩を用意した意味だ。
△31歩に▲34歩と突き出し、△同銀には▲13角。△45桂にも▲13角と打って後手の攻め駒を一掃していく。
最終図以下△57と▲同金△同桂成▲同角成△22金打で竜が取られるが、▲53歩△同金▲33歩成と切り返して先手指せる。
まとめ
△35歩には▲45歩か▲35同歩が候補で、特に▲35同歩の変化は先手指せる変化があった。
▲24同飛に後手が△35歩とできるかは課題。
▲24同飛に△23歩▲28飛△33桂▲56角△55歩▲29角△84飛▲56歩△同歩▲同角△55歩▲47角△62玉の進行は、先手は歩を２枚手持ちにできるが、具体的にどう動くかは不明だ。
先手は角を手放しているが、後手は手持ちなのは大きい。
悔しいが、△23歩と打つのも一考だ。