テーマ図
この図がテーマ図だ。
△33金型腰掛け銀を目指すとき、後手の△14歩があるかないかは勝ちか負けか直結する。
まず一つの欠点に、▲15角と打つ手がある。△14歩には▲33角成と切っていく。33の駒が金と、受けに強い駒だからこそ成立する筋だ。最終図▲23歩と打った図は先手ペースだ。
▲15角に△44歩は▲45歩、△54銀は▲45桂で攻めが続く。
また、腰掛け銀になったとしても▲15桂のキズができていて、後手が損をする。攻め合いになったとき後手玉が詰む変化がたくさん出てくる。△14歩はなるべく早く後手から入れたい。
△14歩とつくタイミングは自由だ。受けてくれれば後手は腰掛け銀のテーマ図にしやすくなる。先手は▲16歩と受けずに駒組を急ぐ手もある。
受けなかったら後手は△15歩の位を取ることができる。
おおよそ最終図のような感じがイメージで、先手が打開できるかどうかが問題。
後手は△33金が悪形で△32金と立て直したいが、▲24歩から歩交換を許す。一歩交換が大きいか、1筋の位と銀冠を主張するかという将棋になりそうだ。
次に△86歩を入れるかどうかについて。
△86歩▲同歩△65桂か、単に△65桂かは微妙な問題。
先手に歩を渡すので▲22歩のような手は打ちやすくなるが、効果は不明なので一歩渡しても気にしない人もいそうだ。単に△65桂とする場合には▲63銀の攻めをクリアする必要がある。
▲63銀の瞬間に△86歩とつく。▲同歩なら△63金▲72角△47銀と攻め合って、先手玉が▲68玉に対して後手玉は△32玉。遠さが生きそうな展開だ。
△86歩の手抜きが気になが、▲53桂成△78と▲58玉に△33金が好手だ。▲54角で王手飛車がかかるが、△22玉が固い。▲81角成に△56歩と攻めれば後手が行けそうだ。
▲53桂成では▲53銀成もある。これなら△33金と寄れない。
その場合は△78と▲58玉△53金▲同桂成に△69角が良さそうだ。▲49玉と逃げるのは、△36角成が▲54角を受けつつ、△89飛成を狙った手になる。▲69同飛△同とで、▲54角△22玉▲81角成と取ると△59飛▲47玉△57桂成以下詰む。
よって、飛車は取れず▲47玉のように手が戻るが、後手に手番が渡るので後手指せそうだ。
単に△65桂としても▲63銀には△86歩でやれそうだ。それなら△86歩を権利に残しておいた方が良さそう。ただ▲63銀と打たず▲66歩や▲56銀の変化のときは結局どこかで△86歩が必要になり、合流しそうだ。
テーマ図は後手も互角の戦いができそうで、先手がテーマ図を避けるために工夫する手も出てきた。
▲29飛の一手を保留して、▲45歩と仕掛ける。
△45同歩に▲同桂で、△44金には▲46歩と支えておく。
△44金にすぐ▲24歩とすると△46角が切り返しになる。▲46歩で次に▲24歩を狙う。
一歩交換できれば▲66歩から▲75歩と桂頭の攻めが絡むので攻めが続く。通常の角換わりと違って、後手玉が△32玉と端に近いので、端攻めも有効になりやすい。
▲45同桂に△43金なら▲24歩とつける。今度△46角には▲29飛△24角▲25歩△13角▲15歩となって先手指せる。このとき45の桂取りになっていない。
▲24歩には△同歩▲同飛△22歩が予想される進行だ。次に△44歩で桂馬を取りきられる前にどう攻めをつなげるか、という将棋になる。
もう一つは▲45歩△同歩に▲24歩△同歩▲45銀とする順。
▲24歩を入れずに▲45同銀とすると△52玉で、そこで▲24歩は△45銀▲同桂△44金と▲24歩を手抜かれる。▲24歩△同歩が入っていれば△52玉に▲54銀△同歩▲45桂で先手指せる。
▲45銀の局面は後手にもいくつか候補がある。
すぐ△44歩とすると▲54銀△同歩▲63銀と打たれる。△65桂▲66銀の交換が入れば△44歩と打ちやすくなる。
▲54銀△同歩に△39銀のキズを避けて▲26飛とした局面は先手もまずまずだろう。▲29飛は△47銀があるので、次に▲35歩を見せた▲26飛がいいポジションになる。
△65桂に手抜きで▲54銀△同歩に▲45桂や▲63銀とするとさらに激しい局面になる。その場合は後手も攻め合いになる。先手玉もかなり危険になるので、選びづらそうだ。