テーマ図

今回は4手目△32飛に▲22角成△同飛▲65角の変化を検討したい。こちらの記事の続きになります。

テーマ図の前に、先手の初手について考えてみたい。

手順 △32飛▲26歩△42銀▲25歩△34歩。

初手▲76歩だと、2手目△32飛戦法ができる。以下▲26歩△42銀▲25歩△34歩と進むと、4手目△32飛に▲25歩△42銀とした局面と合流している。△34歩の前に△42銀と上がることができる。

▲76歩△32飛▲26歩△42銀となれば、▲26歩△34歩▲76歩△32飛のとき▲22角成の変化が消えている。

形勢には関係ない話だが、後手が少し得できる。

手順 △32飛▲25歩△34歩▲24歩△同歩▲同飛。

初手▲26歩ならば、2手目△32飛戦法はできない。▲25歩と伸ばされて2筋が受からない。

最終図は先手良し。

振り飛車党相手に初手▲26歩が多いのは、2手目△32飛戦法を警戒した意味がある。

△74角に▲同角の変化

手順 ▲74同角△同歩▲55角△82角▲77角△32金▲22角成△同銀▲88銀△35歩▲38金△72銀▲68玉△36歩▲78玉△37歩成▲同金。

まずは▲74同角の変化から。△74同歩に▲55角と打つ。香取りと飛車取りになっている。対して△82角と切り返す。初形から飛車角をひっくり返した面白い格好だ。

△82角にすぐ▲22角成とすると似た変化になるが、△41金の一段金が固い。一段目に金がいると、飛車の打ち込みに強い。△82角に一回▲77角と引いて、△32金や△42金と上がらせてから▲22角成とするのが細かい技だ。一段金を動かせる、という理屈は分かるが、具体的にどう得をしているか分かりづらい手順だ。

▲22角成△同銀▲88銀となって、飛車角交換になった。先手はゆっくりした展開にしたい後手は早い動きをしたい、という構図だ。後手は角の利きを生かして△35歩と伸ばす。

▲38金の受けに、すぐ△36歩は▲同歩で何もない。▲38金に△72銀か△62玉か何か手を入れて、▲68玉を見てから△36歩とするのが有力だ。

これに▲36同歩は△64角打▲78玉△33桂とする。先手玉が移動すると△49飛の打ち込みのスペースができるので、△36歩と突きやすくなる。

△36歩を手抜いて▲78玉が有力で、最終図は後手がどう攻めを繋げるかという勝負。

手順 △12飛▲25歩△22銀▲24歩△同歩▲同飛△32金▲68玉△23銀▲28飛△24歩▲78玉△33桂▲56歩。

飛車を大事に△12飛と逃げる手はどうか。先手は▲25歩△22銀▲24歩△同歩▲同飛と歩交換する。△32金に▲28飛と引くと、△23歩▲68玉△33銀▲78玉△22飛のように逆襲される。

▲68玉と上がる手が良さそうだ。これなら△23歩に▲34飛と取れる。△23銀で銀冠を作られるが、将来△22飛と回ったとき△23銀が邪魔で逆襲できない。

最終図は先手作戦勝ち。

△74角に▲43角成の変化

手順 ▲43角成△47角成▲48飛△46歩▲38銀△57馬▲68金。

次に▲43角成とする変化を見ていきたい。これにすぐ△47角成とするのは、▲48飛が好手。△29馬は▲61馬△同玉▲41飛成で先手優勢だ。△48同馬▲同金となると、先手だけ馬ができているので先手指せる。

▲48飛に△46歩と繋ぐが、▲38銀△57馬▲68金と馬を追って先手指せる。以下△48馬は▲同金で、先手の馬が残って先手指せる。

手順 △42金▲34馬△47角成▲68銀△33金▲16馬△72銀▲58金右△65馬▲77銀。

▲43角成にすぐ△47角成は▲48飛の切り返しがあった。一回△42金▲34馬と追ってから△47角成とする。△42金に代えて△52金左が自然だが、▲34馬△47角成▲68銀となって、将来▲44馬と飛車を釘づけにされる手が気になるところ。しかし▲44馬は次に▲22馬と取る狙いではないので、後手はこの順も考えられる。

△42銀は▲44馬△33銀▲53馬で、△34歩よりも△53歩の方が価値が高い。

△47角成に▲68銀が駒組の好手。▲58金右は△65馬で▲76歩が受からない。▲68玉や▲68金も△65馬で、▲76歩を受けようと▲77玉や▲77金とすると形が乱れる。▲68銀なら△65馬に▲77銀と、形良く受けることができる。

△33金▲16馬に△62玉はやはり▲48飛がある。後手はこの筋を常に気を付けなければいけない。

最終図は力戦調の戦いだ。お互い馬をどう活用するかが課題だが、先手は一歩得なので不満ない序盤戦だ。

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