第1図

第1図から△75歩▲同歩△65桂と攻める。

▲45桂の攻めは先手がやるケースが多いが、後手も△65桂の攻めができる場合がある。

ポイントなのが△72銀型ということ。△62銀型と比べて連結が良い。

まず前提として、第1図は先手が工夫して駒組することで避けられる図だ。

このように先手からの▲45桂の含みを残しておけば、後手は中央を守るため△62銀と上がる。

これなら△72銀型に組むことができない。

先手が何も工夫せずに▲48銀ー▲46歩と淡々と腰掛け銀を目指す順は、1筋を手抜かれることを警戒している。

▲15歩の位はたしかに大きいが、後手はその分の手得を生かしにくるので先手に受けの力が求められる。そして力戦調の将棋になる。

相腰掛け銀を得意にしている人は、▲48銀ー▲46歩と淡々と組んで第1図の攻めを待ち構えるのが良いだろう。

第1図の直前、△64歩に▲37桂と跳ねると△35歩の攻め筋ができる。

しかし代えてどう駒組するのか難しい。

▲58金は▲48金ー▲29飛と組みづらくなる。

▲56銀は△63銀のときもう一手が難しい。▲48金や▲37桂とすると△65桂がくる。

△63銀に▲66歩だとと6筋が争点になり、△54銀から△62飛とされる。

▲56銀に代えて▲48金も△65桂▲88銀△86歩▲同歩△同飛で39にキズがある。

△64歩に対して、先手がどの手を選んでも少しリスクはある。堂々と▲37桂としたいところだ。

第1図の仕掛けを調べていきたい。

△75歩▲同歩△65桂で、▲66銀は△86歩から一歩交換される。一局ではあるが、先手番としては不満の展開だろう。

△65桂に▲76銀だと、△86歩▲同歩△44角▲66角△86飛▲87金△同飛成▲同銀△55金が一例で攻めが続く。

▲76銀に△54角が好手に見えるが、▲58金△57桂成▲同金△76角▲66金で角が負担になる。

△86歩▲同歩に一回△44角を入れるのが重要だ。単に△86同飛だと▲87銀と引かれる。△44角▲66角を入れることで▲87銀に△66飛を用意し、▲87金に限定している。

▲88銀に△35歩▲同歩△86歩とするのが正しい手順。△86歩▲同歩△35歩とすると、▲87金と上がられて攻めがなくなる。

△35歩に▲66歩は疑問で、最終図△55角と打った局面は後手良しだ。

△55角以下、▲87歩は△46飛▲48桂△66飛で決まる。△55角に▲77角も△同角成▲同桂△76歩がある。

よって△35歩には▲同歩になる。

後手は△86歩と攻めを続ける。これに対して▲66歩は△76角が痛い。

▲86同歩△同飛▲87銀だと△36歩と打てる。

以下▲85角まで進んでも、形勢は難しい。しかしこれは先手が望まない展開だろう。

比較

こんな図がある。第1図と似ているが、違いは▲66歩とついてあることだ。

▲66歩の一手は大きく、△65桂と跳ねる余地がない。同様に進んだとき先手が得をしている。

後手は△73桂が危険で、代えて△65歩△54銀とする工夫が見られる。

△86歩に▲66歩も▲同歩も危険だった。代えて▲58金とする手を考えてみたい。

第2図

▲58金に△87歩成▲同銀△86歩▲76銀△87角とするのは、▲同金△同歩成に▲83歩から連打して止まる。

△87歩成▲同銀に△54角と△36歩と△57桂成を狙う手には、▲86歩△36歩▲38飛としておいて先手陣にスキがない。

▲58金に△95歩は▲同歩なら△同香▲同香△98角で後手良しになる。

よって△95歩に▲86歩と手を戻す。

対して△96歩と取り込むと▲87金で上部を手厚くする。飛車の活用を抑えることができる。

△36歩に▲45桂は△81飛と引かれて△37歩成を受けづらい。▲49金型なら▲38金と受けることができた。

△36歩▲同銀△46飛▲47銀に△同飛成は▲同金△36歩▲45桂で先手良しだ。

以下進んで▲46角までは自然の進行。

最終図▲66歩とした図は後手の攻めが続くか瀬戸際だ。先手から▲65歩ー▲66桂が実現すると飛車が取れる。

この変化は後手の攻めも細く、先手は選ぶ価値がありそうだ。

△86歩に▲66角として、△44角なら▲58金でさっきの変化より先手が得になる。

しかし△54角が好手。

▲45桂には△同角▲同歩△76桂で後手良しだ。

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