テーマ図

手順 △41玉▲58玉△31玉。

今回は△41玉▲58玉に△31玉とする変化だ。

後手が△41玉と引く理屈はこちらの記事で検討した。

▲58玉に△42玉とする変化はこちらで検討した。以下▲45銀と開戦する展開になる。

△31玉に先手はどのように戦うか。

△31玉に▲68玉の変化

手順 ▲68玉△44歩▲45歩△41飛▲44歩△同銀▲45歩△同銀直▲同桂△同銀▲同銀△同飛▲47銀△同飛成▲同金△38角。

▲68玉には△44歩と突く。これで先後が入れ替わった格好になる。▲68玉に△42玉は▲79玉△63銀▲88玉で先手が誘導したい局面になるのだが、この場合は△44歩が利くのが大きい。

▲45歩と仕掛けるが、△41飛で対応できる。以下▲44歩△同銀▲45歩に、強く△同銀直▲同桂△同銀▲同銀△同飛▲47銀△同飛成▲同金△38角と踏み込んで後手良しだ。

▲79玉まで囲ってある場合は▲45歩△同銀直は無理筋、▲68玉の場合は▲45歩に△同銀直と踏み込んで指せる。この仕組みは先後ともに応用できる。

△31玉に▲45銀の変化

手順 ▲45銀△55銀▲56銀△同銀▲同歩△54銀。

▲45銀と仕掛ける。△同銀▲同桂△44銀は▲63銀で先手良し。▲58玉型なので△47銀がない。▲45銀は▲58玉型を生かした仕掛けと言える。

▲45銀に△63銀と引くのも▲56角で先手指せる。ここは△55銀が勝る。

△55銀に▲56銀とぶつけ、△46銀は▲45桂△44銀▲28角で先手指せる。

よって△56同銀▲同歩となる。先手から次に▲63銀がある。後手は△54銀とその筋を受ける。

後手だけ銀を手放すが、盤面の駒数を主張しようとする作戦だ。たくさん持ち駒を持っていても、一手で一枚しか盤面に打てない。駒の損得をしていなくても、盤面の駒数が形勢判断に影響するケースがある。これはとても大事な考え方だ。ソフトの将棋を見ると、歩をペタペタ打つ手が多く見られるが、それも盤面の駒数を増やす、という考え方がある。

△54銀以下の変化を検討する前に、△41玉▲58玉△42玉の変化と比較してみたい。

比較

△41玉▲58玉△42玉には、▲45銀△55銀▲56銀△同銀▲同歩と仕掛けていく。▲56同歩の局面で、△54銀か△52玉の分岐になった。

△42玉型の場合なら、△52玉と寄って銀を手放さずに▲63銀と受けることができた。△41玉▲58玉△31玉の場合だと、△52玉とできない。よって△54銀になるのだが、△52玉に代えて△54銀と打ったあとは、△44歩ー△31玉ー△22玉と囲う作戦だったので、△31玉型の方が△54銀と打ちやすい意味もある。

△42玉型なら、▲56同歩に△52玉と寄る。△31玉型なら▲56同歩に△54銀と打つ。という思想で後手は戦いたいだろう。

手順 ▲47玉△44歩▲68銀。

△31玉の格好で△54銀と打って手得したいが、デメリットもある。▲47玉△44歩に▲68銀と引きやすくなっている点だ。

△86歩▲同歩△同飛は▲51角で先手良し。以下△63金は▲72銀。△72金は▲61銀。△71角は▲62角成△同角▲61金がある。△42玉型なら▲51角がないので、▲68銀に△86歩と歩交換することができた。

▲68銀に△86歩とはできない。△65歩▲同歩△同銀は▲57銀で、▲63銀や▲64歩が残るので後手が損する。

△65歩▲同歩△86歩▲同歩△同飛とすれば▲51角に△61歩を用意できるが、▲87歩△81飛▲64歩と対応されるので微妙なところ。▲64歩以下△93角や△66角と打ってどうかという勝負。

手順 △22玉▲77桂△31玉▲67銀△22玉▲58銀△31玉▲38玉△22玉▲47銀。

後手は早い戦いを目指さないと、先手の形がどんどん良くなる。その例を見ていきたい。

△86歩は常に▲同歩△同飛▲51角の反撃がある。△22玉ー△31玉を繰り返して待つと、▲58銀から▲38玉の組み換えが好手だ。▲47銀まで組んで右玉が完成する。

最終図ははっきり先手作戦勝ちだ。後手の主張だった玉の固さ玉の安定が互角になっている。▲68銀に△65歩から動いていけるか、そのあたりが後手の勝負所だ。

まとめ

今回は▲69玉に△41玉▲58玉△31玉とする変化を検討した。対して▲45銀と仕掛けていく。

▲45銀に△同銀は▲同桂△44銀▲63銀で先手良し。▲45銀に△63銀は▲56角で先手指せる。▲45銀に△55銀▲56銀△同銀▲同歩が予想される進行だ。

△31玉型なので▲56同歩に△52玉と寄る将棋にならない。△54銀と打つ将棋になる。

△54銀に▲47玉△44歩▲68銀と駒組する。△86歩▲同歩△同飛は▲51角で先手良しになる。8筋の歩交換できないのは後手は悔しい。

▲68銀に△65歩▲同歩に△86歩や△45歩と動いていけるかどうか。ただ、動く将棋になると後手が駒組でリードする将棋にならないので、先手の持ち駒の銀が生きそう。

先手まずまずの序盤と見たい。

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