テーマ図

手順 △52玉▲69玉。

今回は角換わりで▲69玉とずらす変化だ。▲69玉とずらすのは、先手は下の図に誘導したいからだ。

誘導したい図

手順 △52玉▲69玉△42玉▲79玉△63銀▲88玉。

最終図の誘導したい図になれば、△54銀は▲45桂、△52玉は▲67銀と相手の手を見て先手は方針を決めることができる。△52玉を見て▲67銀と囲うのは、△42玉▲56歩△54銀▲59飛と進んだとき△31玉ー△22玉の入城が遅れるからだ。

テーマ図で△63銀▲69玉△41玉とする変化はこちらで検討した。

以下▲79玉に△31玉と△52玉の分岐になる。△31玉の変化はこちら。△52玉の変化はこちらから。

今回は△63銀に代えて△52玉とする変化だ。△63銀のときと同じように、先手は▲69玉とずらす。対して△42玉では誘導したい図になるので、後手は誘導したい図を避け、いろんな対策が考えられている。

▲69玉から後手にどんな分岐があるのか、まとめたい。

▲69玉に△63玉の変化

手順 △63玉▲79玉△72玉▲68玉△63銀▲97桂。

まずは△63玉から右玉を目指す変化だ。

▲79玉△72玉に▲68玉が工夫の一着だ。

代えて▲88玉△63銀▲47銀△54歩▲58金と駒組する順も有力だ。途中の▲47銀がバランスを重視する手だ。以下▲56歩ー▲68銀ー▲67銀のような陣形を目指す。▲68銀に△86歩▲同歩△同飛と歩交換をしても▲87金で上部が厚くなる。▲58金以下、△44銀▲24歩△同歩▲同飛△65歩が一例の進行だ。

▲68玉は駒組でより得しようとする意味だ。▲68玉に△63銀は▲97桂が成立する。次に▲89飛から▲86歩の逆襲が狙える。

▲68玉に△63玉なら▲47銀と引いて▲56銀と▲56歩を天秤にかける。後手の手に応じて▲56銀か▲56歩かを選ぶ意図だ。

▲47銀以下△52玉▲79玉に△42玉は▲56銀△63銀▲88玉で誘導したい図になる。△42玉に代えて△63玉は▲88玉で、△52玉は▲56銀、△72玉は▲56歩を選べる。▲56歩と突いた図は、テーマ図から△63玉▲79玉△72玉▲88玉△63銀▲47銀とする変化よりも先手が3手得している。こうなれば先手作戦勝ちだ。

この変化はこちらの記事でより詳しく検討した。

▲69玉に△41玉▲58玉△42玉

手順 △41玉▲58玉△42玉▲45銀。

△41玉と引く変化が考えられる。後手も手数をずらす意図だ。▲79玉は△42玉で手数がずれない。以下▲88玉△63銀は後手十分戦えると見られている変化だ。

先手は▲58玉とバランスを取る。△52玉は▲68玉で手数がずれる。以下△42玉▲79玉△63銀▲88玉となれば誘導したい図になる。▲68玉に△63玉は▲47銀で、▲69玉に△63玉と上がった変化と合流している。

△42玉ならば、▲68玉△52玉で局面が元に戻る。△42玉に対して▲45銀とぶつけてどうか、という将棋だ。

これが一つ目の変化だ。

▲69玉に△41玉▲58玉△31玉の変化

手順 △31玉▲45銀。

△31玉も考えられる。▲68玉と戻ると△44歩で、先後が入れ替わった感じになる。これは先手不満なので、▲45銀とぶつけていく。

この筋が成立するかどうか、これも想定される局面だ。

▲69玉に△41玉▲58玉△44歩の変化

手順 △44歩▲45歩。

△41玉▲58玉で、△52玉は▲68玉。△42玉と△31玉は▲45銀の仕掛けがある。玉を動かさず、△44歩も考えられる変化だ。

これには▲45歩で開戦する。以下△同歩▲同銀と進む。下の図と比較したい。

比較

手順 ▲45歩△同歩▲同銀。

△52玉に代えて△44歩とする同型の変化と似ている。違いは▲58玉か△41玉かだ。△41玉は不安定だし、▲58玉は戦場に近い。お互い一長一短あるところだ。

この変化はこちらの記事で検討した。

▲69玉に△44歩▲79玉△41飛の変化

手順 △44歩▲79玉△41飛▲88玉△42玉▲45歩。

次に△44歩ー△41飛としっかり4筋を守る変化だ。

▲88玉とした図の理屈が難しい。△41飛と回った図の後手は最善形で、動かす駒が難しい。△63金や△63玉は▲28飛ー▲58金と駒組して、先手の作戦勝ちが見込める。

下の比較図を見てみると、分かりやすい。

比較

手順 △71飛▲88玉△41飛▲58金△38角。

△71飛ー△41飛と一手かけて△41飛と回る手もある。これなら▲88玉△41飛の局面が先手番になる。

ここで▲58金が好手だ。▲28飛ー▲58金の格好を目指したいが、▲28飛を先にすると△81飛▲58金△65歩の仕掛けがある。

▲28飛△81飛▲29飛なら△65歩は▲69飛と反発して先手指せるが、△41飛で千日手模様になる。▲58金を先にすると△81飛なら今度▲45歩と攻めて先手ペースになる。

一方で、▲58金と寄ると△38角のキズが発生する。以下▲26飛△49角成▲47銀△39馬▲83角で対応できるかどうか。もし△38角が打てないとなると、▲58金に△63金▲28飛△62玉▲48飛となり無事に右四間飛車に組むことができる。

この理屈を踏まえた上で、▲69玉△44歩▲79玉△41飛の変化に戻る。

後手は▲28飛に△81飛を用意したい。しかし△63金や△63玉とすると形が乱れるので、▲28飛に△81飛と回りづらくなるというわけだ。

△42玉で次に△31玉と引ければ、△22玉ー△31玉を永遠に繰り返して千日手を狙える。先手としても△42玉を通したくはないので、▲45歩と開戦する将棋になる。

▲69玉に右玉

手順 △44歩▲79玉△63金▲88玉△62玉。

後手が右玉にシフトする変化だ。△44歩では先に△63金ー△62玉としても合流する。

最終図から先手がどう打開するかが課題だ。

▲69玉に△44銀の変化

手順 △44銀▲79玉△33桂。

マニアックな変化だが、△44銀と上がる手もある。最終図以下、▲24歩△同歩▲同飛と歩交換してどうか、という将棋だ。

△52玉に▲69玉とした局面は後手の手がとにかく広い。次回からそれぞれの変化を一つずつ見ていきたい。

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