前回の続き

前回は▲87歩に△76飛を検討した。次に△82飛とした場合を検討したい。先手は▲24歩と取り込む。対して△27歩▲同飛△54角の反撃がどうなっているか。

△54角には冷静に▲28飛△27歩▲48飛△87角成▲同金△同飛成▲88歩としておいて、竜を追ったあとに▲23歩成△同金▲55角の筋があるので先手指せる。

手順の▲48飛は壁になるので一見不思議な逃げ場所だが、47の地点の空間をケアする意味がある。具体的には▲58飛の場合、▲88歩△85竜▲23歩成△同金▲55角に△47金がある。

もう一つ、△54角には▲36歩もある。以下後手は飛車を成って、先手は▲23歩成を実現させる。手順中の△25歩は好手。▲同飛△22歩で先手を取る狙いだ。

最終図▲28飛と引いた図は先手が駒得なので先手指せるが、飛車を成り込まれているので怖いところだろう。

よって▲24歩に△27歩の反撃は先手大丈夫。後手は△22歩と受けることになるが、▲74歩として次に▲77桂~▲65桂を狙って先手十分だ。

第5図に戻る。①▲同銀△同飛▲87歩でも先手に不満がない戦いができた。②▲55角の変化もざっと検討してみたい。

△86同銀に▲55角も部分的に出てくる筋。△73歩だと以下▲77桂まで進んで先手良し。▲55角が右に左に光っている。

▲55角に△64角と合わせる手も自然。▲同角△同歩の交換の効果がどうでるか。△82飛には▲24歩と取り込んで、△22歩には▲63角と打って馬が作れる。△26歩には▲55角がいいライン。

△26歩に対して▲同飛だと△44角▲28飛△27歩▲同飛△26歩で歩が足りる。△27歩▲同飛△26歩には▲同飛△44角▲28飛で、今度は歩が足りない。△27歩▲同飛△54角の局面でさっきの図と比べてほしい。

▲28飛は△27歩▲48飛△87角成以下▲88歩まで進んで、今度は△82竜と引くことができる。▲23歩成△同金▲55角のラインが消えている。

一方で▲36歩△87角成の変化になった場合は63の空間が大きく、▲63角や▲74角のラインで玉を縛ることができる。△64歩を生かさせない、咎めたいという意味でも▲36歩を選びたいところだ。63の空間を作ることができれば、基本的に先手に得な変化が多い。

△73角は十分に考えられる。▲同角成△同桂で▲86銀だと△同飛▲87歩△76飛となって、▲83角と▲77桂がきかず、後手の△73桂が得になっている。△73桂を咎めるためには▲88銀で頑張りたい。

▲88銀に△87歩▲79銀△74歩と桂頭をカバーする手もある。以下▲24歩△22歩▲77桂としてどうか。8筋を押さえられているが、ひとまずは問題ない。

▲88銀に△77歩も気になる手だが、▲同桂△76歩に▲74歩と攻め合う。以下勢い△77歩成▲73歩成△85飛▲63と△88と▲45桂の攻め合いが予想される。お互いに怖い形だ。

第4図のまとめ

△75歩の仕掛けには▲同歩△同銀▲24歩で反撃する。△75歩に▲66歩、△75歩に▲同歩△同銀▲45歩として持久戦を目指す手もあるが、後手の主張が通る。

▲25歩の継ぎ歩に△76歩だと▲88銀として2筋の取り込みを楽しみにする。△76歩にすぐ▲66銀は△同銀▲同歩△25歩で歩損になる。

▲24歩△22歩が入ったら、▲77歩△同歩成▲同銀△76歩▲66銀と壁銀を直したい。

▲24歩△22歩の交換が入ったら先手が指せる。後手としては▲24歩に△27歩と反撃したい。しかし後手が良くするのは難しそうだ。△86同銀に▲55角も考えられるが、△73角の変化に自信を持てるかが重要になる。自然な▲86同銀で先手不満ないので▲86同銀で問題なさそうだ。

第6図

戻って第3図。②の△94歩▲56銀△75歩の仕掛けを検討してみたい。①の△42玉▲56銀△75歩と違って継ぎ歩のとき玉が遠いので対応しやすくしている。

今度先手はどのように対応するのが良いだろう。

さらに、△94歩には▲16歩も考えられる。①の△42玉に▲16歩だと△52金で、後手の2手の価値が高いが、△94歩に▲16歩なら価値は同じくらいだ。この比較も検討してみたい。

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