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第1図

▲66歩とついたのは早いようだが、△73桂に▲35歩の仕掛けを見ている。

▲35歩△同歩▲45桂△22銀に▲75歩△同歩▲24歩の手順は重要で、先に▲24歩△同歩を入れて▲75歩とすると△23金で受かってしまう。

最終図▲74歩まで進むと先手良しだ。このとき△65桂と跳ねることができない。

まあ、この局面は△65桂と跳ねれても▲23飛成△同金▲73歩成で先手指せる局面だが。

この2つの記事と類型する仕掛けである。

▲35歩と仕掛ける展開になると▲66歩が生きる。▲35歩の仕掛けが見えているので、後手も△73桂と跳ねづらい。

そこで第1図から後手は①△65歩 ②△54銀などの工夫が出てきた。

今回は②の△54銀の変化を見ていきたい。

△54銀ー△62金を優先し△73桂を遅らせることで、▲35歩の仕掛けを警戒している意味がある。

△54銀より先に△62金とすると、▲45桂の仕掛けが成立する。

第2図

△62金と上がったので、▲71銀のキズがある。

手順中▲24同飛に△52金としても▲34飛で攻めが続く。

最終図まで進むと、はっきり先手良しだ。

第3図

△54銀▲47銀の交換を入れての△62金にも、▲45桂の仕掛けは考えられる。

△62同飛まで進み、今度▲53桂成△同飛▲31角とすると、△42銀▲22角成△28飛で後手良しになる。

▲71角から強引に飛車を取り、▲51飛と下した図は難解だ。

▲51飛以下△52歩か△52銀かで、先手の攻め方も変わってくる。

△44歩は▲22飛成△同金▲71銀の攻めを食らうので、△63金と避ける手もある。

しかし構わず▲34飛で攻めが続く。

▲34飛に△23金とするのは▲35飛に△24金で飛車を取る狙いだが、▲54飛が好手。△同金は▲63銀。△同歩は▲65歩がある。

△23銀に▲54飛は、△同金▲63銀に△31玉と早逃げされて難しい。今度は飛車が取られないので▲35飛と引くことができる。

進んで△22金に▲71角で攻めが続く。△72飛は▲53桂成△同金▲85飛。△84飛は▲24歩△32銀▲53桂成△同金▲62角成。△83飛は▲23飛成△同金▲72銀の要領だ。

第4図

先手が▲45桂の仕掛けを見送ってた場合、△54銀に▲47銀△62金▲48金とお互い▲48金ー▲29飛、△62金ー△81飛の格好を目指す。

▲48金に△73桂は自然だが、すかさず▲45桂の攻めが成立する。今度は▲75歩の攻めが絡まる。

▲73歩成△92飛にじっと▲27飛が好手だ。すぐ▲82金すると△46歩▲同銀△13角がある。

△13角の筋を避けつつ、次に▲82金を狙っている。

ここまで進むと先手良しだ。

早めの▲66歩は、▲45桂の仕掛けを見せて、後手の駒組に制限を掛ける狙いだ。素直に△62金ー△81飛の格好には組みづらくなっている。

そこで△73桂に代えて、△65歩▲同歩△73桂とする手が考えられる。後手だけ駒組に制限を掛けられるのは悔しいので、▲66歩を咎めようとする手だ。

第5図

△73桂に▲64歩とかわすのは、△65桂がある。

▲66銀は△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛で後手良し。

▲88銀と引くのも、△86歩▲同歩△同飛▲29飛に△66歩と拠点ができる。

▲64歩は後から△55銀で回収できる。後手指しやすい。

第6図

△73桂に▲45桂と跳ねる手はどうか。

△44銀とかわすと▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛と手順に引けて先手十分になる。

▲45桂には△65桂と攻め合って、激しくなる。

▲33桂成△同桂で銀が取れるが、後手の攻め駒に桂馬が加わるので大丈夫。具体的には△67歩(▲同玉は△55桂)のような攻めができるようになる。

単に▲66銀とかわし、これに対しても△44銀とかわすと▲24歩~▲29飛で先手十分だ。

よって▲66銀に△86歩から歩交換する。これも手順に△81飛と引ければ後手十分だ。△33銀を逃げないので抵抗あるが、この図は銀桂交換が問題ない局面だ。

手順に△81飛を許すまじと▲64角△81飛▲86角と戻すが、角を使ってくれたので△44銀とかわす。

▲56銀で△65桂が取られそうだが、△85歩▲64角△63金▲97角△95歩と角をいじめていい勝負。後手から△39銀のキズがあるのが楽しみだ。

▲45桂△65桂の攻め合いは一気に激しくなる。先手陣が不安定なので、先手が好んで指すかは難しい。

▲45桂も有力だったが、先手も怖い変化だ。そこでじっと▲29飛と形を整える手も考えられる。

後手はどうするか。

次回に続く

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