先手が早繰り銀を目指したとき、後手にはいくつか対策がある。主に腰掛け銀にするか、同じように早繰り銀にするかだ。腰掛け銀は受けに比重のある作戦で、早繰り銀は攻め合い志向だ。先手は先に▲35歩と仕掛けることができるが、△86歩▲同歩△85歩と反撃できるので後手は対応できるとみている。

部分的な手筋は△33金型早繰り銀でもよく出てきた。

お互い銀を繰り出して、端をついた図は基本図だ。▲16歩は王手飛車の△15角を消して▲35歩と仕掛ける準備をしている。ついてないと▲35歩△同歩▲同銀△34歩で追い払われて先手不満だ。

▲46銀と出た局面で、後手は△94歩が先か△64銀が先か難しいが、どっちも同じだろう。ただ△64銀と出ると△94歩は必要手になるが、先に△94歩だと△64銀とすぐ出る必要はないので、△95歩や△14歩とする含みがある。含みがある手順を踏む方が序盤らしい。

第1図から端のバリエーションはあれど、おおよそ▲35歩とつくか、▲66歩か、▲58玉に分岐する。その他は第1図で▲96歩か▲15歩としたとき、△14歩や△95歩とせずに△44歩とした場合だ。

相早繰り銀で▲66歩や△44歩とつく場合があるが、ついた場合先手後手ともに△75歩や▲35歩と仕掛けやすくなっている。同歩、同銀となって次に△76歩や▲34歩と打ったときに△66銀や▲44銀と出る味があるからだ。

▲35歩から順に見ていきたい。

第2図

▲35歩と仕掛けると、後手は△86歩から継ぎ歩する。▲24歩からの銀交換は当初の目的だが、△55角が反撃。この筋も△33金型早繰り銀で出てきた。

▲37歩は△24銀▲同飛△23歩で、▲28飛は△86歩▲88歩△36歩が厳しい。

▲46銀△37歩成で、▲同銀は△同角成▲同桂△36歩▲45桂△37歩成▲15角に△33桂がきく。

▲同桂ならば▲45桂に紐がつくが、△62玉▲37角に△36銀と打てばどこに逃げても取り返せる。この変化は▲96歩と△14歩の交換があればもっと後手が得する。

▲28飛で▲26飛にしても△86歩▲88歩△87銀の攻めが受からない。やむを得ない▲46角だが、47に空間ができるのは大きい。

▲83歩~▲66角は期待の反撃。△82飛と引くところでは△85飛▲11角成△37歩も有力。次に△38銀と△87歩成を組み合わせて攻める。

△37銀とした局面も後手ペース。すぐ△87歩成とすると▲同金△同飛成▲88香で竜が取られる。△37銀▲同桂△36歩のとき、飛車の横ききを止めずに△37歩成を防ぐのが難しい。▲38歩とすると△87歩成で今度は△78竜と入られる。受けるなら▲26銀だが、△37歩成▲同銀△36歩▲26銀△34桂で攻めが続く。

先手は△37角の王手飛車と△87歩成を抱えていて支えきれない。

▲24歩からの銀交換は無理筋だった。代えて▲34歩は考えられる。

▲34歩に△44銀は▲同銀△同歩▲85歩で歩損する。△22銀と壁銀にして▲66歩から▲68銀ー▲67銀と組み換える作戦だ。仮にこの形が実現して持久戦になっても一局だが、後手はもっと得したいところだ。

それが△33歩。▲同歩成△同銀となれば、今度▲34歩に△44銀とぶつけることができる。先手も簡単に壁銀を解消したくないので▲65歩から左辺も絡めて動きたい。

△64角に代えて△73角と合わせると、▲68飛で△64歩は▲75歩△同歩▲66銀で先手の角の方が自由だし、△54銀は▲73角成△同桂▲75歩と桂頭を攻められる。よって△46角▲同銀△73桂になるが、それなら△64角から△73桂とした方が後手は角交換しなくて済む。

▲75歩△同歩に▲64角△同歩▲33歩成△同銀▲74歩の攻めも考えられるが、△同銀▲64飛に△85角が攻防ともにきいている。▲49金を睨んでいて先手が気持ち悪い格好だ。

△74角も63を受けつつ、△47角成を見て味の良い受けだ。いろいろ変化はあるが、△44銀まで進んだ図は一例の進行。先手は歩が欲しいが、▲33歩成とすると自動的に壁銀が解消される。

最終図は壁だった銀が自然に△44銀まで活用できている。これからの将棋だが、先手玉の方が不安定で先手を持ちたいかどうかは好みによる。

第3図

第3図は第1図から▲96歩△14歩▲66歩とした局面。▲66歩は銀にプレッシャーをかけつつ、次に▲35歩△同歩▲同銀△86歩のとき▲同銀と取れるようにした意味がある。このとき▲66歩をついてないと△55角が両取りになっていた。▲86同銀と取らせたことで銀をそっぽにやったので、そこで△55銀や△44銀とする思想もあるが、まずは▲66歩を見たら△75歩の仕掛けの成否を考えたい。

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