相掛かりの将棋を検討したい。
目次
第1図 テーマ図
手順 ▲96歩△94歩▲36歩△86歩▲同歩△同飛▲58玉△52玉▲37桂△87歩。
今回は▲96歩に△94歩と受ける変化だ。
▲36歩△86歩▲同歩△同飛に▲68玉と上がる将棋が主流となっている。
▲68玉と上がる将棋はこちらの記事で検討した。
▲68玉型のときと同じように、▲58玉型でも△14歩▲37桂△74歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲74飛・・・の進行を選ぶのは後手が損だ。△74歩と突く作戦は▲68玉型に有効だ。
▲68玉に△74歩、という理屈についてはこちらの記事で検討した。
▲58玉に△52玉と上がる。△52玉に▲76歩だと、△34歩▲37桂△76飛が△88角成の先手になる。
▲68玉型なら、△52玉▲76歩△34歩▲37桂△76飛のとき△88角成の先手にならないので、▲24歩△同歩▲同飛とできる。
▲58玉型だと△52玉に▲76歩と突きづらいので、▲37桂となり、△87歩と打った図が今回のテーマ図だ。
△94歩と突いてあるので、▲97角△82飛▲86歩のとき△95歩と突ける。
第2図 ▲25飛と引く変化
手順 ▲97角△82飛▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲25飛△34歩▲24歩△同歩▲同飛△95歩▲45桂△42銀▲95歩△88歩成▲同銀△33桂▲23歩△31角▲33桂成△同銀▲25飛△74歩▲84歩△73桂▲87銀△84飛▲86歩△24歩▲29飛。
△87歩▲97角△82飛に▲75角は、△74歩▲66角△34歩で先手不満。△87歩の拠点が残る。
△82飛▲24歩△同歩▲同飛△23歩に▲25飛と引く変化から見ていきたい。飛車の横利きを生かして△95歩を防いでいる。
△34歩にもう一回▲24歩と合わせ、△同歩▲同飛△95歩に▲45桂と跳ねる。
△42銀の受けに▲22飛成△同金▲53桂成△同銀▲31角は△42飛で受かる。
△42銀にはそこで▲95歩と戻す。△95同香なら▲53桂成から清算し、最後▲95香と取れる。
▲95歩に対して△88歩成▲同銀△33桂が難しい組み合わせだ。単に△33桂は▲53桂成△同銀▲同角成△同玉▲23銀で先手指せる。以下△88歩成は手抜いて▲32銀不成が成立する。
最初に△88歩成▲同銀を入れておけば、△33桂▲53桂成△同銀▲同角成△同玉▲23銀のとき△56歩と打って後手指せる。以下▲32銀不成△88飛成▲同金△57歩成▲同玉△79角が厳しい。
よって△33桂に▲23歩△31角▲33桂成になり、△同銀▲25飛△74歩で一旦は落ち着く。
最終図はこれからの将棋だ。△23金から持久戦を目指すと、▲48金ー▲76歩ー▲77桂と先手の指したい手が多く、後手作戦負けになる。
すぐ△95香▲96歩△75桂▲95歩△87桂成▲同金△88歩と動く順が予想される。
第3図 ▲26飛と引く変化
手順 ▲26飛△34歩▲35歩△44角▲86飛△同飛▲同角△35歩▲82歩△93桂▲81歩成△同銀▲45桂△42銀。
次に▲26飛と引く順を見ていきたい。
▲25飛と違って△95歩を受けていないが、△95歩は▲同歩△同香▲35歩△97香不成▲同桂と応じて、次に▲96飛や▲85香が残っていて先手指せる。
△34歩に▲24歩は△44角が飛車に当たるので先手損する。
▲35歩△44角に▲86飛とぶつける。代えて▲56飛も考えられるが、△35歩▲33歩△22金で、もうひと押しがない。
最終図から▲34飛と▲84飛に分岐する。先手好調のようだが、先手の攻めもギリギリだ。
第4図 1筋が入っている場合
手順 △87歩▲97角△82飛▲15歩△同歩▲13歩△同香▲45桂△42銀▲24歩△同歩▲53桂成△同銀▲14歩。
1筋の交換が入っている場合は、また違う攻め方ができる。
△87歩▲97角△82飛に▲15歩△同歩▲13歩と垂らす。
△13同香に▲45桂△42銀▲24歩△同歩▲53桂成と強引に一歩を入手し、▲14歩と打つのが狙いだ。
▲24歩を入れないと最後▲14歩に△同香▲24歩△31桂で受かる。
最終図から△14同香は▲24飛で先手成功。△84飛は▲13歩成△同桂▲18飛。△23金は▲13歩成△同桂▲86香が予想される。後手が先手の攻めを受け切るのは容易ではない。
まとめ
今回は相掛かりで、▲96歩△94歩と受けた形で、▲58玉△52玉の将棋を検討した。
△94歩と突いてある形なら△87歩は成立する。
▲97角△82飛▲24歩△同歩▲同飛△23歩に▲25飛と▲26飛に分岐する。
①▲25飛は△34歩▲24歩△同歩▲同飛△95歩▲45桂△42銀▲95歩。
②▲26飛は△34歩▲35歩△44角▲86飛。
が予想される進行だ。
▲26飛と引く変化は先手の攻めがギリギリなので、▲25飛と引く変化を選んでみたい気がする。
現状、テーマ図の△87歩と打つ将棋は後手が十分対応できるとされているが、まだ分からないところも多く、可能性がある変化だ。