目次

第1図

▲45歩に△88角成とした変化を見てみたい。△65歩の位よりも△65桂と跳ねるスペースを生かそうとする手だ。

前回は▲45歩に△65歩とする変化を見てきた。

その場合後手は、▲22角成△同銀▲68銀△24歩に▲55歩か▲44歩の攻めを受け止める必要があった。その将棋は後手が受け身になるので、だったら先に△88角成と角交換をしてしまおうと、工夫した意味がある。

角交換は一手損になるが、後手だけ△42銀と中央に使えるという主張だ。

△65歩ー△53銀ー△64銀左の形が理想形になる。そこで先手は▲86歩から銀冠を目指し、主張を作りにいく。このあたりは▲45歩に△65歩とついた将棋と考え方が類似する。

▲86歩に自然に△53銀から理想形を目指したいが、▲87銀の価値は高い。

△53銀に▲77角も有力で、△33角なら▲同角成で△同金は▲22角、△同桂は▲35歩で指せる。

▲77角に△55歩▲同角△33桂▲35歩△54銀直の進行は二枚替えになるが、これは難しい。△65桂と跳ねるスペースがあるのが大きい。もし△65歩がついてあれば先手指しやすい。

この理屈でいくと▲87銀に△65歩とはつきづらく、一回△22角か△33角と牽制する必要がある。しかし角を手放すリスクがある。

最終図▲34角まで進むと先手良しだ。△22角に代えて△33角ならこの筋はないが、▲46銀から▲35歩で角が目標になるので一長一短だ。

第2図

先手に素直に銀冠を許したくないので、△55歩と攻めるのはどうか。▲45歩△65歩とした将棋のときに先手がやった攻め筋だが、後手からもある筋だ。

以下は自然な手順。最終図△53銀と上がった図は、手番だけ反対になっている局面だ。

▲45歩△65歩の将棋との比較

先手の手番なら△33桂に▲56歩や▲46銀左と5筋の位を目標にしていた。それでも後手は十分対応できるので何ともいえないが、後手の手番なら一手早く5筋を守ることができる。

第3図

先手は手番を生かして▲56銀と5筋を守る。以下△64銀左なら▲46角が味が良い。

▲56銀に代えて先に▲46角もあるが、△44歩▲同歩△45歩▲43歩成△同玉▲45桂△44銀▲37角の格好になるのがどうか。

▲56銀も△35歩とつかれるリスクがある。▲47銀と引くのは中央が薄くなる。

▲26飛と浮くが、△88歩▲同金△24歩が面白い攻め方だ。次に△25歩▲同飛△33桂のような攻めをみている。

最終図△24歩に▲47銀や▲78金で対応できるかという勝負だ。

第3図は一手早く▲56銀や▲46角で5筋を守れるのが主張になるが、どちらも後手に仕掛けのスキを与える。

後手の手番でも△64銀左と△54歩が対応できることから、先手が好んで選ぶ局面ではないかもしれない。

△55歩に▲77角と打つ手も考えられる。対して強く△56歩と取り込み、▲11角成△33桂▲12馬△65桂▲56銀△35歩と攻める手もあるが、ハイリスクの手だ。

▲77角に△33桂と跳ねるのは無難。▲55角なら△54銀から△45桂を目指す。

▲55歩は厚みを目指した手だが、△44歩▲同歩△53金が好手。次に△44金ー△53銀と活用できれば手厚い陣形になる。

いつでも△65桂が角に当たり、目標になる。自陣角を打った甲斐がなく先手不満だ。

第4図

△55歩も有力だったが、△22角の自陣角も考えられる。

▲87金△53銀▲77桂△65歩と進んだ局面は、▲45歩に代えて▲22角成の変化と手番違いで合流している。

▲35歩△同歩▲15歩△同歩▲12歩△同香▲34角は工夫した攻め方で、ここまで進むと先手良しだ。

この筋を警戒するなら、△22角より△33角が良さそうだ。

△33角と打って、▲87金なら同じように進めて後手が得している。

最終図まで進めば、後手の主張が通っている。

▲77角の合わせはどうか。△同角成▲同桂に△86飛と取る。△65歩型なら▲85歩△同桂▲65桂で良しになるところだ。

▲85歩はきかないが、▲66角が用意の切り返し。△33桂なら▲85歩△同桂▲87金で駒得になる。▲66角が77の桂馬に紐をつけている。

▲77角△33角▲同角成で、△同銀なら▲85歩△同桂▲87銀△77桂成▲86銀△78成桂▲81飛のとき受けづらい。△61桂と使うと戦力が落ちる。

△33同桂の格好で▲81飛まで進むと、味良く△51銀と引いて後手良しになる。

△33同桂だと▲85歩とは打てないが、▲35歩△同歩▲34歩で桂得できる。先手好調のようだが、△81飛と引かれ、▲57角△24角となった図はバランスが取れている。

桂得だが歩切れで、この後の動き方が難しい。どちらかといえば後手の方が勝ちやすい展開だ。

▲77同桂では▲同銀も考えられる。

対して△53銀と上がると▲66角が受けづらいので、△22角と設置する。次に△85歩の攻めを見せている。この場合は△22角でも△33角でも大差ない。

▲66角と合わせて継ぎ歩の攻めを消すが、△同角▲同歩となって今度は△53銀と上がることができる。

最終図は先手の駒組が難しい。▲97桂は相掛かりではよく見られる手筋だが、△65歩と仕掛けられて先手自信ない。

銀冠に組めないと先手不満だろう。

まとめ

前回は▲45歩に△65歩とする変化を調べたが、受け身になるのが気になった。

今回の▲45歩に△88角成とする将棋は後手が主導権を握るケースも多く有力な手だ。現状では▲45歩には△65歩よりも△88角成としたい、という人が多そうだ。

△88角成▲同銀△42銀▲86歩の局面は、①△55歩 ②△22角や△33角に分岐する。

①の△55歩は▲同歩△86飛▲87銀△81飛▲86歩△65歩▲77桂△53銀と進んだとき、類型と比較して先手の手番になる。この一手を生かせるかは微妙だが、▲56銀ー▲46角まで指され5筋の位が安定すると後手が作戦負けになる。

ここ数手が勝負になる。

一方で△33角の自陣角は少しずつポイントを得ようとする指し方だ。こちらの順は比較的穏やかで、こちらの変化も有力だ。

同型」の場合先手が先攻できるケースが多いが、今回の同型は先手が主導権を握れるか難しい。

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