三段リーグで指した将棋を、振り返りたい。うまく指せたな、という将棋も多いが、勝ちを逃した将棋も多い。

反省を込めて、書きたい。

問題図 (△58成桂とした図)

問題図は、先手が私で、後手が相手だ。

問題図に至るまでもねじり合いがあり、問題図ではやっと抜け出したかな、という感触があった。

本譜は問題図で間違えてしまった。正着は何か、ここで三択問題を出したい。

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三段リーグ

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△58成桂とした局面。先手の正着は?

本譜の▲22銀の場合

手順 ▲22銀△同玉▲34桂△12玉▲14香△13銀▲同香成△同桂。

まずは本譜から見ていきたい。本譜は▲22銀と王手した。銀を渡すと△39銀以下の詰めろになるが、△22同玉▲34桂△12玉▲14香で合い駒請求ができる、という読みだ。

▲14香に△13桂と節約すると、▲同香成△同玉▲22角△24玉▲46角△35歩▲36歩が詰めろ逃れの詰めろになり、局面が複雑になる。

▲14香には△13銀が冷静な好手だ。以下▲同香成△同桂で後手玉に詰めろが続かない。▲22銀は△21香で銀を渡せない。▲14銀は詰めろになっていないうえ、△33銀と上がられても続かない。

▲22銀は先手の負けだ。

▲22角の変化

手順 ▲22角△同玉▲34桂△12玉▲14香△13角▲22銀△31金打▲66角△33歩▲13香成△同桂▲同銀成△同玉▲25桂△24玉▲36歩△48と。

▲22銀より▲22角と打った方が難しい。△同玉▲34桂△12玉▲14香△13角のとき、香取りになっていないので手が広い。▲14香に△13桂と節約するのは、▲同香成△同玉▲22角△24玉▲25銀△同玉▲75竜で合い駒が悪く、即詰みになる。

△13角に▲22銀△31金打▲66角と迫るが、△33歩で常に銀を渡せないのが痛い。

13でバラバラにして、▲25桂に△14玉は▲16歩がある。△24玉が正しく、▲36歩で雰囲気を出すが後手玉への詰めろになっていないので△48とで少し先手が足りなそうだ。ただ、この変化は実戦だと指運だろう。

指運(ゆびうん)・・・秒に追われて確信が持てないまま指すこと。秒に追われて指した手が偶然良い手だったとき、「指運がいい」という。

▲64角の変化

手順 ▲64角△42金右▲同角成△同玉▲34桂△53玉▲64銀△44玉▲66角△55金▲同銀△34玉▲35金△33玉▲54銀△44桂。

▲64角と打つのが正着になる。▲64角は後手の合い駒が金しかないのに注目した一手だ。

△42金右にすぐ▲同角成から詰ましにいくのはどうか。△同金上は▲22銀△同玉▲34桂以下詰みなので、△42同玉よりない。

▲34桂△53玉に▲64銀と王手する。△同玉は▲75角以下詰み。

△44玉と逃げるが、▲66角が受けづらい。△34玉は▲25銀△同玉▲26歩以下詰み。▲66角に△55歩として、▲同角に△34玉とすれば後手玉は詰まず勝ちだが、△55歩には▲同銀が好手。△34玉▲74竜で、△33玉は▲44銀△同歩▲同竜△22玉▲13金以下詰み。

後手が詰みを逃れるなら▲74竜に△44桂だが、▲35金△33玉▲44銀△22玉▲34桂△13玉▲26歩が詰めろ逃れの詰めろとなり先手勝ちになる。

よって▲66角には△55金が正しい。▲同銀に△同歩は▲同角△同玉▲46金△44玉▲35金打△53玉▲54銀以下詰み。

△55金▲同銀に△34玉とし、▲35金△33玉▲54銀△44桂と応じて後手が逃げ切った。最終図以下▲36歩と突いてどうか。少し先手が足りなそうだが、これも指運の勝負だろう。

▲64角△42金右に▲67竜が好手

手順 ▲64角△42金右▲67竜△33銀▲58竜△48金▲49竜△同金▲42角成△同金寄▲49銀。

▲64角△42金右にすぐ▲同角成は先手が足りなかった。一回▲67竜が好手だ。△48と、△48成桂、△48飛の類は、▲42角成以下詰む。△42同玉▲34桂△53玉に▲64角と打てるのが大きい。

後手はやむなく△33銀と上がるが、▲58竜と取って安全になる。

△49同金に▲同銀と取ると△68飛が王手角取りになるので、▲42角成と切ってから手を戻す。

最終図は後手の攻めが細く、先手良し。

▲64角に△42金寄の変化

手順 ▲64角△42金寄▲22銀△同玉▲34桂△12玉▲14香△13銀▲42角成△31金打▲13香成△同玉▲15馬△48と。

▲64角には△42金寄が勝る。▲同角成は△同金上▲22銀△41玉で詰まない。▲67竜△48飛の交換を入れても、▲42角成△同金上▲22銀△41玉で詰まない。

△42金寄に▲22銀は第二の手段だが、以下進んで▲42角成に△31金打と受けられて攻めが続かない。▲34桂に△13玉は▲22銀△24玉(△14玉は▲36角で合い駒が悪い。)▲36歩が詰めろ逃れの詰めろとなり先手勝ちになる。

▲15馬と一回引かざるを得ないが、△48とが間に合う。以下▲36歩と突いてまだ先の長い戦いだ。手番を得たのは大きく、少し後手が良さそうだ。

▲64角△42金寄に▲62歩成の変化 

手順 ▲64角△42金寄▲62歩成△33銀▲51と△同金▲72竜△32金打。

▲62歩成が好手だ。これは次に▲42角成△同金上▲22銀からの詰めろになっている。△62同金と応じても▲71竜で詰めろが続くので一手一手の寄りとなる。

対して、と金を放置して△33銀と上がるのが粘り強い一手。▲51と△同金と、金を剥がせるが後続手が意外と難しい。

▲72竜は次に▲42角成△同金▲22銀以下の長手数の詰めろだが、△32金打と受けられて難しい。先手が押し切れそうな雰囲気はあるが、変化が膨大で形勢不明だ。

この順がお互い最善を尽くした手順になりそうだ。

単に▲62歩成の変化

手順 ▲62歩成△33銀▲51と△同金引。

戻って、初手で▲62歩成はどうか。△48となら、▲64角で△53飛や△42飛以外は詰む。飛車を使うと先手玉への詰めろが消えるので、悠々と▲52とと取って先手勝ちになる。

▲62歩成に△同金上ならそこで▲86角と打って得する狙いだ。▲62歩成が入ると後手は損するので、▲62歩成に△33銀と上がる。▲51と△同金引となった最終図は、▲64角△42金寄▲62歩成△33銀▲51と△同金と比べてどちらが得しているのか判断がつかない。

局面の結論と反省

本譜は▲22銀と打って分かりやすく負けにしてしまった。最善は置いといて、一回▲64角と相手の応手を聞くのが、相手を悩ませる意味でも面白かった。

角の打ち場所も▲64角、▲75角、▲86角のどれも有力で、判断がつかない。これこそ指運の勝負だ。

局面としては▲64角△42金寄▲62歩成△33銀▲51と△同金がお互い最善を尽くした手順だ。その局面になっても形勢不明だ。

いろいろ検討したが、読みの量が膨大だ。これは最善を指せなくても仕方ない面もある。問題図の手前は先手がもっと良くできそうだっただけに、形勢が悪くなっても勝負勝負でやってきた相手の勝負術が巧みだったと思う。

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