三段リーグで指した将棋を振り返りたい。

本局はゴキゲン中飛車を選び、序中盤を乗り切って難解な終盤戦に突入した。

問題図(△48香成の図)

先手が私で、後手が相手だ。本当は私が後手だが、見やすいように先後逆にして検討したい。

問題図は△48香成と飛車を取られた局面だ。この手は詰めろになっていないので、この瞬間詰めろ詰めろで迫れれば一手勝ちできる。

ここで三択問題を出したい。局面の結論を出して、実戦で指した手を当ててほしい。

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三段リーグ

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△48香成の図。先手の次の一手は?

▲42銀の変化

手順 ▲42銀△39成香▲41銀不成△22玉。

▲42銀の打ち込みが一目だろう。しかしこの手が詰めろになっていないので、構わず△39成香と取られて先手負けだ。

最終図から▲31角は△12玉で一枚足りない。▲32銀成も手筋で△同玉なら▲24桂で詰むが、△13玉と逃げられて詰まない。

先手に別の手段が求められる。

▲48銀の変化

手順 ▲48銀△38金▲同玉△46桂▲28玉△38飛▲17玉△48飛成▲42歩成△22玉▲44角。

では▲48銀と手を戻すのはどうだろう。△78飛は▲68金とはじいて先手良し。

▲48銀に△38金▲同玉△46桂▲28玉△38飛▲17玉△48飛成と詰めろをかけるのは、▲42歩成で、△同銀は▲65角が好ポジションで先手優勢。

▲42歩成に△22玉も▲44角が詰めろ逃れの詰めろとなり先手勝ち。△44同銀は▲32金以下詰む。

手順 △22玉▲42歩成△38銀▲同玉△58歩成▲39銀△47桂。

一回△22玉と寄るのが良さそうだ。

▲42歩成に△38銀と詰めろをかける。△27銀成▲同玉△35桂以下の詰めろになっている。△22玉と寄らずに単に△38銀もあるが、▲63角が詰めろ逃れの詰めろになるのが気になる。

▲38同玉に△46桂▲28玉△38飛▲17玉△48飛成と追うのは、やはり▲44角が詰めろ逃れの詰めろで先手勝ち。

△46桂と深追いせず△58歩成と成るのが勝る。▲39銀に△47桂がまた詰めろだ。この追い方なら、▲44角は△39桂成▲28玉△48飛▲17玉△28銀▲26玉△44飛成で角が抜ける。

△38銀に代えて△38金▲同玉△58歩成▲39銀△47桂もあるが、薄い詰めろなので後手に不安が残る。見えづらいが、△38銀が勝る。

最終図は後手優勢。

本譜▲42歩成の変化

手順 ▲42歩成△同銀▲65角。

対局中いろいろ読んで、▲42銀と▲48銀は先手負けと分かった。問題図の第一感は先手勝ちだったので、焦ってきた。

本譜は▲42歩成とした。消去法で選んだ。

△42同銀▲65角に、△43桂か△22玉の2択。

勝ちが読み切れる局面ではない、むしろ負けかもしれないと分かったので、相手が1分将棋になっていることを考慮に入れ、相手に2択を突き付ける勝負術に切り替えた。

手順 △43桂▲35桂△同歩▲34銀。

△43桂は疑問で、先手良しになる。

△43桂に▲42と△同金▲54桂は詰めろだが、△33金とかわされると詰めろが続かない。

▲35桂が好手だ。この手が詰めろで、△同歩に▲34銀も詰めろだ。上部から押していけば寄せ切れる。▲35桂△同歩にしておくと、▲17玉ー▲26玉と逃げ出したとき詰まされづらくなるメリットもある。

本譜△22玉 最善で先手困った

手順 △22玉▲42と。

本譜は△22玉とかわした。これが最善だった。

▲42とが詰めろかどうかだが・・・

手順 △42同金▲43歩。

本譜は△42同金と手を戻した。しかし▲42とは詰めろになっていなかった。よって△39成香▲44角△33桂打で先手負けだ。

自分も当然詰めろだと思って指したので、詰めろになっていないとは驚きだ。

ここは先入観に助けられた。

△42同金に▲43歩は詰めろかどうか・・・

手順 △39成香▲44角△33桂。

▲43歩は詰めろではなかったようだ。だが△39成香▲44角に正しく合い駒しないと頓死する。

△33桂が唯一の逃れだ。

△33桂打とすると、▲31銀△12玉▲13金△同玉▲22銀打△12玉▲21銀不成△13玉(△同玉は▲42歩成で金が取れる)▲25桂△同桂▲22銀不成△24玉▲36桂までの詰みとなる。

▲44角に△33金とするのは、今度▲31銀は△12玉▲13金△同玉(△同桂は▲21銀△同玉▲42歩成△12玉▲24桂△同歩▲22銀成△同玉▲33角成以下詰む)▲22銀打△12玉▲21銀不成△同玉▲42歩成のとき、金が取れないので詰まない。

しかし△33金には▲32金が正着で詰む。△同玉▲42歩成△同玉▲53銀△31玉▲32銀△22玉▲21銀成△12玉▲11成銀以下詰む。

これらを踏まえた上で、△33桂だと、▲31銀△12玉▲21銀△13玉で詰まない。この局面で先手の持ち駒が桂2枚だと詰むのだが、金桂だと詰まない。

盲点の逃れ筋だ。

本譜は▲43歩に△33金だったので、▲25桂が詰めろで入り、先手勝ちになった。

第二の問題図 形勢難解

▲43歩が詰めろではないので、先手負けになっている。つまり▲43歩が悪手だ。

この局面は、第二の問題図にできるほど難しい。▲44角、▲25桂、▲13桂と手が広い局面だ。

正解手は書かないが、面白い局面なので興味のある方はぜひ読み切ってほしい。

局面の結論と反省

問題図の結論は、先手負けだ。

先手勝ちだと思っていたので焦った。しかし時間があったので負けの変化を読み切れた。その結果、勝負将棋に切り替えることができた。

一目詰めろの局面が詰めろではなかったが、先入観に2度も助けられた。ツキがあった。

勝ちだと思っていたのに負けだと分かると動揺するが、自分の読みを信用し、一旦局面を諦めることで勝負将棋に切り替えることができる。

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