三段リーグで指した将棋を振り返りたい。

本局は矢倉になった。こちらの研究をぶつけたが、相手の研究範囲でもあったようで、新手が出て未知の将棋となった。その中盤戦だ。

問題図(△84飛の図)

問題図は先手が私で、後手が相手だ。

先手が一歩得ながら、△67歩と垂れているのが不気味だ。うまく取り除きたい。

ここで三択問題を出したい。候補手はどれも悪い手ではないので、実戦で私が指した手を当ててほしい。

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三段リーグ

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△84飛と引いた図。実戦で指した手は?

本譜▲68歩

手順 ▲68歩△同歩成▲同玉△62金▲67歩△94歩。

本譜は▲68歩と打った。本当は△67歩をただで取りたいが、▲58金と上がると△39角と打たれる。

▲58玉△62金▲67玉も考えたが、△88歩▲同金△69角で後手指せる。

▲68歩なら△同歩成▲同玉で一手で玉が安定する。△67歩をただでは取れないが、もともと先手が一歩得なのでまぁいっか、という主張だ。しかし後手の持ち駒の歩が2枚になったのは大きかったようだ。持ち駒に歩が2枚乗ると、攻め味が全然違う。

持ち駒に歩があれば、歩損でもよい」という考え方があるが、この局面も当てはまる。

▲68同玉に△67歩は、▲同玉△88歩▲95角△83飛▲88金△69角▲48飛で、△87角成に▲84歩を用意すれば先手良し。

△62金に▲67歩はキズを消した手。△67歩のたたきを消している。

最終図はこれからの将棋だろう。しかし△67歩を取り除いたものの、最終図も先手玉が安定しているとは言えない。

本譜△94歩以下の指し手

手順 ▲38金△95歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲26飛△53角▲58玉△65歩▲77銀△55歩。

本譜は▲38金とバランスを取った。しかしこれが疑問で、さらに陣形がまとめづらくなった。まだ▲79玉から▲59金ー▲68金上と固めるのが勝ったが、9筋に近づくのでこれも指しづらい。

▲26飛に△53角が両サイドに利かした感触の良い手。陣形のまとめづらさが、そのまま形勢不利につながった。

▲58玉と王手飛車のラインを避けたが、△65歩▲77銀△55歩として玉頭を攻められる。はっきり後手指せる。

▲48角の変化

手順 ▲48角△82飛▲58金△64銀▲67金△52金。

▲48角はどうか。すぐ▲58金は△39角があるので、△39角を消して次に▲58金と上がる意図だ。

後手からすぐに攻めるのは無理なので、駒組になる。

最終図はお互いに主張がある局面だ。先手は二歩得、後手は先手に角を使わせたという主張だ。

最終図から▲59角から▲86角を目指してどうか。形勢は互角で、この順も十分考えられた。

▲57銀右の変化

手順 ▲57銀右△62金▲58金△85飛▲75歩△81飛▲67金右△65歩▲77銀△75歩。

▲57銀右も考えられる。▲48角と違って、角を温存したまま▲58金ー▲67金右を目指す意図だ。しかし駒が下がるので怖い一手だ。

▲57銀右にすぐ△94角も有力。▲77銀には△65桂と跳ねれる。よって▲58金△76角▲77銀△87角成▲95角△83飛▲84歩△78馬▲同玉△81飛の変化になる。形勢は難解だが、駒損して後手を引くので、後手が選ぶ変化かどうかは微妙だ。

▲57銀に△62金は無難な一手。▲58金に△85飛と揺さぶる。次に△35飛を見せている。

それを防いで▲75歩と突く。これに△同歩は▲64歩が痛い。一回△81飛と引いて、▲67金右に△65歩▲77銀△75歩とした最終図は、これからの将棋だ。後手の6筋7筋の位は大きいが、先手の持ち駒に歩が3枚あるので、それを生かして攻めを繰り出せるか。

こうした展開を好む人と嫌う人がいるだろう。

局面の結論と反省

問題図から本譜は▲68歩と打ったが、△同歩成▲同玉△62金▲67歩としても先手玉が安定しなかった。手数を掛けたわりに対価に乏しい。一歩得だが、それを生かす手段がない。

ここは▲48角と打って、2歩得の主張を作るのが良かったと思う。先手指せるとは言えないが、この方が先手の方針が分かりやすかった。方針を分かりやすくした方が、指し手に迷わず、持ち時間も節約できるので勝率が高くなるだろう。

▲57銀右は対局中は見えなかったが、駒が下がる消極的な手なので、見えない方が健全のように思われる。検討して見ると先手有力で、これもあった。

問題図は形勢互角だが、先手に苦労が多い将棋にしてしまった。そうした局面に誘導した後手の序盤戦が巧みだった。

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