三段リーグで指した将棋を振り返りたい。

本局は対抗型になった。序盤戦を見ていきたい。

問題図(△73桂の図)

問題図は先手が私で、後手が相手だ。

後手が△73桂と跳ねた局面だ。次に△65桂を狙っている。

私はここで30分長考した。奨励会の持ち時間は90分なので、大長考の部類に入る。

ここで三択問題を出したい。実戦で指した手を当ててほしい。

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三段リーグ

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△73桂の局面。実戦で指した手は?

▲66角が良かったか 

手順 ▲66角△33角▲同角成△同桂▲66歩△22飛▲88銀。

▲66角が良かったと思う。△65桂は▲11角成△39角▲38飛△57桂成(△57角成は▲同金△同桂成は▲44香で先手指せる)▲59金で先手指せるが、駒損するので抵抗がある。先手に読みが必要な順だ。

▲66角に△33角なら、▲同角成△同桂▲66歩と突く。

▲66角に代えて単に▲66歩と突くと、△33角と打たれる。この順も先手有力だが、▲66角△33角▲同角成△同桂を入れておけば△33角と打たれない。

最終図は無事に穴熊に組めて、先手不満ない。

▲78金も有力

手順 ▲78金△33角▲88銀△82銀▲66歩△71金▲67金右△81玉。

△65桂を避けて▲78金も有力。△33角に▲88角△43金▲33角成△同金の進行もあるが、一局だ。それよりも△33角に▲88銀と、後手だけ角を手放させて指したい。

▲78金に代えて▲66歩としても最終図になる可能性がある。

最終図は穴熊に組めて先手不満ないが、どう局面を動かしていくかが課題だ。

本譜▲24歩

手順 ▲24歩△65桂▲23歩成△57桂成▲同金△39角▲32と△同飛▲21飛成△57角成▲88銀△12飛。

本譜は▲24歩と突いた。問題図から▲66角や▲78金も一局であることは分かったが、当時はチャンスと見れば妥協しない棋風だった。今なら数分考えてすぐ▲66角か▲78金、▲66歩を選ぶだろう。

怖さを知ったのは経験を積んだからだが、怖さを知らないからこそ指せる手もある。どちらが良いかという問題ではなく、そのときどきの魅力だ。

▲24歩に△65桂なら構わず▲23歩成と踏み込む。△57桂成▲同金△39角に▲32とと攻め合う。

▲32とに△28角成は、▲42と△62金▲41飛として先手指せる。よって△32同飛となって、▲21飛成△57角成▲88銀△12飛が予想される。

最終図以下▲81角△62玉▲44桂としてどうか。対局中、最終図は先手指せると思っていたが、改めて調べてみると難解のようだ。

本譜は▲24歩に△同歩 意表をつかれた

手順 △24同歩▲同飛△33角▲21飛成△22飛▲同竜△同角。

本譜は△24同歩と指してきた。30分の長考の中身は△65桂の変化だった。▲24歩に△同歩はあり得ないと思い、読みから除外していた。意表を突かれた。

最終図までは一本道。読み直すと難しいことが分かった。

最終図で先手は何を指すか。

手順 ▲21飛△28飛▲44角△29飛成▲88銀△89竜▲同玉△44角▲41飛打△62金寄▲44飛成△65桂打。

本譜は▲21飛と打った。この手がやや疑問だった。△28飛と打たれ、先手の飛車が危なくなった。代えて△26飛も有力だった。

▲44角と打ったが、△29飛成▲88銀△89竜▲同玉△44角で駒損になる。▲41飛打に期待しているが、△62金寄▲44飛成△65桂打で後手ペース。金を取ると△43金を狙える。▲78金も△57桂成▲同金△35角がある。

▲21飛に代えて▲66歩だと△96歩▲同歩△97歩が嫌。▲同香は△28飛だし、▲同桂は△65桂と跳ねられる。△65桂に▲78金と引いて評価値上では先手悪くないが、かなり指しづらい順だ。

本譜は▲44角に△96歩 またも意表をつかれた

手順 △96歩▲22飛成△97歩成▲同桂△22飛成▲同角成△96歩。

△29飛成で後手ペースだったが、本譜は△96歩と突いてきた。一秒も読んでおらず、またも意表をつかれた。手としては良くなかったようだ。

▲96同歩は△97歩で、▲同香は△58飛成が詰めろになり、▲同桂は△44角が痛い。

▲22飛成△97歩成▲同桂に△58飛成は、▲53角成△97香成▲54馬以下詰む。

△22飛成▲同角成で後手は駒損するが、最終手△96歩に期待している。

手順 ▲92歩△同香▲91飛△82玉▲92飛成△同玉▲85桂打。

本譜は▲92歩△同香に▲85桂打としたが、△97歩成▲73桂成△同玉▲85桂△63玉が寄せづらく、悪くした。

▲92歩△同香に、▲91飛△82玉▲92飛成と香を取る順が勝った。飛香交換だが、もともと駒得だったので気にならない。

最終図は先手良しだ。

局面の結論と反省

問題図から▲66角か▲78金か▲66歩かを選んで、無難に駒組するのが良かった。それで先手不満なかったように思う。

本譜はチャンスと見て▲24歩と突いた。今なら指さないと思うが、勢いがあって見ていて気持ちが良い。

▲24歩に65桂を読んでいたが、△24同歩で読みが外れた。

長考するとき一つの変化を深く読むと他の手を見落とすことがある。

まずは広く読むことが大切だった。

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