前回の続き。

穏便に矢倉に組み切りたい先手と、多少なりともポイントを稼いでから局面を収めたい後手の間で、地味な小競り合いが続きます。

強く指すなら△55歩に対して▲46角もありましたが、△54銀と出てこられるのを気にしたと管理人。本譜の▲56歩に△同銀は▲46角~▲57歩で銀を詰まされるので撤退はやむなしです。

とはいえ後手も2歩持てたので、作戦負け感はなくなってきたかなというところ。この後どういった構想で指していくか。

△75歩は矢倉戦の習いある手筋で、▲同歩△同銀▲76歩なら△84銀と棒銀に転向して端を攻める狙いがあります。▲65歩に対しては、△同銀▲75歩に△76歩や△35歩を絡めて攻め込むのが実戦的でした。

本譜は△76歩▲同金(▲同銀は△75歩で銀交換になる)と上ずらせたという認識でしたが、▲76金がキズになる展開にならないのが誤算でした。本譜は立ち遅れ気味だった先手陣の駒が躍動していく様子を眺めることができます。

なお、上記の△75歩に代えて△54銀(下図)も指してみたかった手で、次に△43金右と上がることができれば後手陣もなかなかの厚みですが、▲45歩から攻め込まれる手順を気にして断念しました。

最終図は▲71角、▲44角、▲35歩など複数の攻め筋が残り収集困難と思われましたが、△53歩と打っておけばこれも意外と難しかったようです。

本譜はここからさらに悪化します。

上図はすでに先手有利ですが、対局中の私にはそこまで不利の自覚がなく、△84桂の反撃を楽しみに受けに回る気満々でした。が、▲45銀と出られてようやく▲84飛と回るスペースがぽっかり空いていることに気づきました。相居飛車で4段目がここまでガラ空きになるのは珍しいのではないでしょうか。

▲33角成△同金は頑張った応手ですが、冷静に△同桂▲24飛△44歩の方が勝ります。本譜は金を食いちぎられていよいよ崩壊しました。

私はここからもうひと山作れたのか。続きは終盤編にて

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