序盤編はこちらから。
中盤編はこちらから。
△55歩▲47角△44銀▲75歩△65歩▲同歩△86歩▲同歩△56歩▲同角△55銀▲45角△65桂。
△55歩▲47角と先手の角を2筋方面に利かなくさせてから△44銀と中央で銀を使った。
△44銀に代えて△84飛と先に桂頭を受ける手は考えられるが、▲95歩△同歩▲92歩△同香▲75歩で先手の攻めが続く。後手の持ち駒がもう少し裕福であったらそこで△44銀と上がり、▲74歩△同銀▲75歩△同銀▲92角成△76歩と勝負できるのだが、現状の角と歩だけでは先手玉に響かない。
本譜の△44銀に先手は▲75歩といよいよ桂頭攻めに入る。これに対して△84飛と受けるのは、やはり▲76銀と上がられて苦しそうだ。
本譜は△65歩▲同歩△86歩▲同歩△56歩▲同角△55銀とリズミカルに歩を突き捨てて反撃開始。▲45角に△65 桂と桂頭攻めをかわしつつ攻めの形を作ることに成功。
巧みな指し回しで後手がリードを奪い返したように見えたが・・・
▲24歩△88歩▲同銀△33桂▲23歩成△45桂▲同桂。
▲24歩が厳しい一手で先手有利か。△24同歩には▲24同飛が次に▲64歩を見て厳しい一手・・・いや、そこで△42角があるか。飛車取りを見せつつ64の地点に利かす一手で、▲64歩には△64同銀と取っておけば受かっている。
これは後手に踏ん張られそうなので、△24同歩には▲76銀と一旦受けることになりそうだ。
この瞬間に後手がどれほど先手玉に迫れるかが重要で、例えば△64歩と受けてしまうと▲66歩と打たれてまずい。△66同銀は▲65銀△同歩▲64歩で後手玉は崩壊する。
従って、▲76銀には△88歩と叩いて勝負をかける。▲88同玉は△66角▲98玉△88歩でどうか。これに対して▲88同金とすると△86飛と走られてかなり怖い格好だ。▲87銀打には△76飛▲同銀△77銀で逆転模様。
よって、二度目の△88歩には▲65銀と取ることになりそうだ。
△89歩成▲同玉の瞬間はかなり怖いが、△53桂は▲64歩△65桂▲63歩成△同金▲72銀で先手一手勝ち。
△33桂は▲63角成△同金▲72銀△38角▲63銀成△同玉▲54銀打△52玉▲24飛△23歩▲53銀成△同玉▲54飛△42玉▲34桂△41玉▲52金△31玉▲53飛成まで進んで先手が寄せきれそうだ。
△31金▲33と△61玉▲43と△52歩▲85桂。
ここまでくると後手は粘ってチャンスを待つしかない。△31金▲33と△61玉▲43と△52歩として、と金の進撃をなんとか止めたが、▲85桂が好手。
△86飛を消しつつ後手陣に迫っており一石二鳥。この▲85桂が決め手だった。
△64角▲23飛成△12角▲33竜△46銀▲23歩△32歩▲34竜△57銀成▲同金△同桂成▲53歩△46角▲87銀。
▲73銀を防いで△64角と打ったが、▲23飛成が次に▲73銀△同金▲同桂成△同角▲52との寄せを狙った厳しい一手。
後手は△12角▲33竜△46銀でなんとか先手陣に迫ろうとしたが、▲23歩△32歩▲34竜と冷静に対応して盤石の体勢。
△57銀成▲同金△同桂成に▲53歩が激痛。△46角と詰めろをかけたが、▲87銀と壁を解消してはっきりしてきた。
△67成桂▲68歩△78成桂▲同玉△33金▲52歩成△同銀▲同と△同金▲72銀△投了
△67成桂▲68歩△78成桂▲同玉に△33金が驚きの一手。
いきなりこんな手がきたら思考が揺らいで悪手を指してしまいそうだが、▲52歩成△同銀▲同と△同金▲72銀で後手の深浦先生が投了。
投了図以下は△72同玉に▲74竜と回り、△73歩合は▲同桂成△同角▲64桂以下即詰み。▲74竜に△61玉なら即詰みはないが、▲53歩で一手一手の寄りである。
中盤でリードを奪った三浦先生が、深浦先生の勝負術を冷静に対応し、そのまま押し切り快勝となった。
本局は現代将棋の理想的な勝ち方で、三浦先生の強さを深く感じた。また、深浦先生の迫力
ある勝負術もとても参考になった。本局の▲45銀仕掛けの実践例は少ないがとても有力で、
機会があったら指してみたい。
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