目次
課題局面
テーマ図である28手目△14歩に至るまでの変化はこちらで紹介した。
課題局面に至るまでの変化はこちらで検討した。
今回は課題局面からの変化を検討し、課題局面を評価したい。
△21飛の変化
手順 △21飛▲15歩△26歩▲22歩△同飛▲14歩△46角▲同角△27歩成▲23歩△同飛▲24歩△同飛▲同角△28と▲21飛△31飛▲33角成△同銀▲28飛成△27歩▲38竜。
▲15歩が見えているので、後手は何かアクションをしないといけない。△21飛は後手の狙い筋だ。▲27歩もあるが、先手はできれば打ちたくない歩だ。
△21飛以下▲15歩△26歩に▲22歩と一回打つのが大切だ。▲22歩をたたかずに▲14歩は△46角▲同角△27歩成▲22歩△28と▲21歩成△39飛で後手指せる。▲21歩成が甘いので、後手は攻め合いにできる。▲22歩△同飛▲14歩となっていれば△46角▲同角△27歩成▲23歩△28とのとき、▲22歩成が金取りになるので先手良しになる。
飛車を取り合って、▲21飛に△39飛は▲68玉とかわしておいて大丈夫。
▲21飛△31飛▲33角成に△21飛は▲32馬で、△27飛成は▲41角。△81飛は▲15角で先手指せる。
△33同銀▲28飛成△27歩で、▲同竜は△65桂と跳ねておいて△49角のキズが残る。
▲38竜と逃げた局面は形勢不明。
形勢不明の図
▲38竜と逃げた局面を眺めたい。
銀桂交換で後手の駒得。先手は竜が主張だ。そして次に▲13歩成が残っている。と金ができれば、むしろ先手が駒得のような感じだ。後手は▲13歩成を防ぐか、構わず攻めるか、が選択肢になる。
形勢不明の図から、△21飛と回って△28歩成を狙いたいが、▲22歩△同飛▲13歩成△24飛▲25歩(△同飛は▲14角)で飛車先が止まる。
一回△88歩と打って、▲同金なら△21飛▲22歩△28歩成▲同竜△22飛と強く戦う順は有力。飛車交換になると▲88金がひどい格好だ。先手としては△88歩に▲77桂△89歩成▲13歩成してどうか。
△12歩、△15歩、△16歩の類は▲13歩成を防ぐ意味だ。△12歩は辛い格好なので、△15歩か△16歩のどちらかを選びたい。△15歩は▲同香なら△24角▲48角△65桂と攻める。
△16歩に▲同香は△21飛▲22歩△同飛▲13歩成△26飛とする意味だ。
△16歩だと、▲15角と打つスペースは消えていない。一方で△15歩だと、△17歩成がないので将来▲37桂と跳ねやすい意味がある。△15歩と△16歩の比較はとても難しい。
△45銀の変化
手順 △45銀▲同銀△同桂▲46銀△65桂▲77桂△57桂右成▲同銀△同桂成▲同金△21飛。
次に△45銀の変化を見ていきたい。▲同銀△同桂で、▲13角成△同香▲46銀は△57銀▲45銀△58銀成▲同飛△65桂で後手指せる。金を剥がせているのが大きい。
△45同桂▲46銀には△65桂と攻める。▲45銀は△57銀が痛い。△65桂▲77桂に△57銀は▲65桂△68銀成▲同金左△65歩▲45銀で先手の駒得になる。次に▲55桂の攻めがあり、桂馬の価値が高い。後手が選びづらい順だろう。
△57桂成でバラバラにして、△21飛と回った図がどうか。銀と桂2枚の交換で駒損だが、後手の持ち駒の銀2枚の使い勝手も良く、後手を持って指してみたい。
手順 ▲24銀△同角▲同角△35銀▲33歩△31金▲35角△同歩▲46銀。
▲46銀に代えて、▲24銀が有力だ。対して△57銀▲13銀不成△65桂には、▲24銀成から後手の攻めを余しに行く。△22角は▲77桂と跳ねておいて、次に▲25飛を狙う。
△24同角▲同角△35銀で角を取り返せるが、一回▲33歩が入るのが大きい。△42金と寄ると▲35角△同歩▲25飛で先手良しなので△31金と引くが、この利かしを入れてから▲35角△同歩▲46銀と受ける。
△45同桂に▲13角成△同香▲46銀とした局面と比べて、先手が得しているのが分かる。▲13角成△同香▲46銀には△57銀▲45銀△58銀成▲同飛△65桂で後手指せたが、今回は▲33歩△31金が入っているので、最後△65桂に▲55桂と打って先手良し。
最終図以下、▲25飛の走りと△45桂を助けるなら△34銀だが、ここに銀を使うのは抵抗がある。
手順 ▲15歩△46銀▲同歩△26歩▲同飛△35角▲28飛△15歩▲36歩△39銀▲27飛△44角▲77桂△26歩▲47飛△54銀。
△45銀に▲15歩もあるが、△46銀▲同歩に△26歩と突く感触が良い。▲46同歩に△15歩だと▲12歩△同香▲15香で先手良しになるので、△26歩▲同飛△35角を入れてから△15歩と戻す。
▲36歩に△39銀が好手だ。▲38飛は△21飛で後手良し。▲27飛△44角▲77桂△26歩▲47飛と、飛車を追いやることに成功した。▲77桂に代えて▲55銀なら角を取れるが、△26歩▲47飛△55角▲同歩△28銀不成で後手指せる。
最終図△54銀と、▲45歩を防いだ局面は後手を持ちたい。
△35銀の変化
手順 △35銀▲同銀△同角▲同角△同歩▲34歩△45桂▲25飛。
最後に△35銀の変化だ。△35銀に▲15歩は、△45銀に▲15歩とした変化と合流する。
自然に▲35同銀△同銀△同角▲同角△同歩▲34歩と攻めたい。以下△45桂に▲25飛と走る。代えて▲46銀は△57銀▲45銀△58銀成▲同飛△27角で後手良し。
▲25飛は△39角の筋から逃げつつ、次に▲33歩成を狙っている。最終図から▲33歩成を受けるなら△23銀だが、▲33歩成△同金▲46銀△24銀▲28飛△44歩▲22角と打って先手指せる。
まとめ
今回は課題局面から△21飛、△45銀、△35銀の変化を検討した。△45銀は▲同銀△同桂▲24銀の変化がクリアできるかどうか。▲24銀と打った瞬間は重いので、先手も怖い格好だ。△24同角▲同角△35銀、△24同角▲同角△21飛、△22角、△57銀▲13銀不成△65桂(先に△65桂▲13銀不成△57銀としても合流)と、後手の手が広い局面だ。
△35銀は▲同銀△同角▲同角△同歩▲34歩△45桂▲25飛の順が有力。
△25歩と打った継続から言っても、△21飛と回る手が本命か。△21飛に▲15歩と突いたら、以下はほぼ一本道の手順になる。どこまでいっても形勢不明だ。