テーマ図
手順 △86歩。
テーマ図から△22玉と△64銀の変化はこちらで検討した。後手が持久戦を選ぶか、それとも急戦を選ぶかは大きな岐路だ。
今回はテーマ図から△86歩と突く変化を検討したい。
△86歩に▲同歩の変化
手順 ▲86同歩△75歩▲同歩△64銀▲76銀△72飛。
まずは▲86同歩の変化だ。対して△75歩▲同歩△64銀と仕掛ける。
▲74歩には構わず△75銀と出て、▲73歩成△同桂▲74歩△86銀で後手良し。▲76銀と△75銀を防いでも、△72飛と寄って後手ペースだ。
△64銀に▲78飛は△75銀▲68角△74歩▲46角に△86飛で後手良し。これが△86歩と突いた効果だ。
▲75同歩は素直すぎた。
手順 ▲78飛△76歩▲同銀△72飛▲67銀△42金寄▲28玉△55歩▲57金△56歩▲同金△54銀。
△75歩には▲78飛が勝る。△76歩▲同銀△72飛に▲75歩は△55歩▲同歩△64銀で後手好調。よって▲67銀と下がる。
すぐ△55歩と戦う手も有力だが、一回△42金寄が大きな一手だ。△42金寄に▲88角は△78飛成▲同銀△55歩で後手良し。
このあたり、後手の感覚は難しい。先手は▲36歩と突いてあるので玉が薄い。△55歩から早い動きになれば後手が嬉しい。
最終図は先手を持ってまとめづらいだろう。
△86歩▲同歩を入れる理由
手順 ▲75同歩△64銀▲78飛△75銀▲68角△74歩▲46角△64歩▲35歩△同歩▲75飛△同歩▲64角。
単に△75歩▲同歩△64銀とすると、▲78飛△75銀▲68角△74歩▲46角と転換できる。このとき△86歩▲同歩が入っていれば△86飛で後手良しになる。
この変化は△75歩に代えて、△64銀▲78飛△75歩とした変化と合流している。
途中▲35歩△同歩を入れるのが好手。最終図は先手の攻めが続く。
△86歩に▲同角の変化
手順 ▲86同角△24角▲78飛△44銀▲37銀△86飛▲同歩△57角打▲38玉△79角成。
次に▲86同角の変化だ。これには△24角▲78飛△44銀と上がる。次に△55歩▲同歩△同銀となれば△88歩が受からない。
▲37銀は次に▲46歩と突いて角の利きを止める意図だが、先手の形が乱れるので△86飛の強襲が成立する。最終図は後手ペースだ。
手順 △55歩▲同歩△同銀▲56歩△44銀▲46歩△35歩▲同歩△42角▲88飛△36歩▲同銀△86飛▲同歩△79角。
△86飛▲同歩△57角打も後手有力だが、△55歩と突く変化も後手指せる。▲同歩△同銀▲56歩△44銀となって、▲46銀は△35歩▲同歩△同銀で後手指せる。
▲46歩としても、△35歩▲同歩△42角が好手順で攻めが続く。△35歩▲同歩△同銀もあるが、▲36歩△46銀▲48銀となって銀挟みになる。攻めが続くかギリギリだ。
最終図△79角以下▲68飛打と頑張るが、△75歩▲同歩△64角▲47金△68角成▲同飛△87飛で後手良し。
△86歩の変化も後手有力だ。