第1図
第1図は変哲のない角換わりの駒組だが、先手が9筋を打診するタイミングは難しい。
タイミングによって先手の駒組の含みが少し変わる。
▲37桂を跳ねる前に▲96歩と打診しても駒組の含みが変わる。とても難しいところだ。
後手が▲95歩を取らせる将棋をやりたい場合は9筋を受けずに駒組をする。
△65桂の攻めがあるので、後手が9筋を手抜いても先手はすぐ▲95歩とつけない場合がある。
後手が9筋を受けなかったので▲95歩を取るのは自然だが、△75歩▲同歩△65桂と先攻される。
以下▲88銀△86歩▲同歩△同飛▲47銀△35歩の進行になったとき、▲37桂が負担になっている。この変化は後手良しだ。
この変化は△72銀型ー△65桂の仕掛けと似た部分が多い。
しかし△73桂を見たら今度先手が▲75歩の桂頭攻めができるようになっている。
そこで▲35歩と仕掛ける。
第2図
▲35歩△同歩▲45桂に△44銀は▲24歩から飛車先を交換する。この展開は一局に近いが、桂馬を取られる心配がなく先手不満ないだろう。
△22銀は最強の手だ。
▲75歩△同歩▲24歩の手順が正しく、▲24歩△同歩▲75歩だと△23金で攻めが続かない。
最終図△25角までの手順は、△65桂の仕掛けと同じだ。形勢は難しい。
△25角の受け方は▲47銀打、▲58角、▲79金など考えられ、比較は難しい。手堅く▲47銀打として、▲63とや▲82との楽しみを残しておいても先手が勝ちやすい展開だろう。
▲35歩に△同歩と取ると後手が勝ちにくい展開になりやすい。
▲35歩に△75歩と攻め合う順も考えられる。
△75歩に▲34歩△同銀▲24歩とすると△同歩▲同飛△23銀▲29飛△24歩の格好になる。それから▲75歩と戻すと△36歩と打たれる。単に▲75同歩の方が勝る。
▲35歩とついてしまったので、△65桂に▲88銀とはもう引けない。
最終図、飛車の逃げ場はどこが良いか。
△81飛ー△62金になれば形が良いが、瞬間が危ない。
▲34歩△同銀▲24歩△同歩▲同飛△23銀に▲45角が好手だ。
▲45角に△41角は▲64飛で先手良し。△24銀も▲63角成が飛車に当たって先手指せる。
▲24同飛に△23金ならば▲45角はないが、▲29飛△24歩▲25歩△同歩▲35歩△同銀▲45角△41角▲23角成△同角▲25飛が一例で、先手良しだ。
△81飛は危険だった。△83飛として△63銀に紐をつける方が勝る。
お互い▲48金ー▲29飛、△62金ー△81飛と組んだ局面は、一局に落ち着く。
△62金からの駒組は一局だが、後手はその後の方針が難しい将棋になる。
▲47銀に△88歩は主導権を取りに行った、積極的な手だ。
▲87歩に△66飛と切っていく。△76飛も良さそうだが、▲58金と上がられて攻めがない。
最終図△79角に▲68飛か▲48玉かの分岐になる。
先手陣は大きく乱されるが、後手も駒損の攻めで、お互いにとって怖い局面だろう。
第1図で△73桂は▲35歩の仕掛けを誘発する。
▲35歩に△同歩、△75歩の変化が後手自信なしならば、△73桂に代えて△54銀と備える手もある。
△73桂を最後にすることで、▲35歩の攻めを警戒している。
第1図▲96歩の局面は、後手が9筋を受けたくない場合、重要な岐路になる。