今回は角換わりで早繰り銀の将棋を検討したい。
目次
第1図 テーマ図
手順 ▲35歩△同歩▲同銀。
早繰り銀を目指す前に▲16歩と打診し、▲15歩と位が取れたら腰掛け銀、△14歩と受けてきたら早繰り銀を目指せばテーマ図になりやすい。
早繰り銀を表示してからだと後手は△14歩と受けてくれない。
図から▲68玉△54銀▲78玉と囲えばよくある将棋に合流する。
▲16歩△14歩の交換が入ったのを生かして、▲35歩と仕掛けるの変化を見ていきたい。
△35同歩▲同銀に△34歩は、▲24歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛とできる。このとき△15角の王手飛車がない。
後手はいくつか対応が考えられる。
第2図 △86歩の変化
手順 △86歩▲同歩△85歩▲34歩△22銀▲85歩△同飛▲96角△89飛成▲63角成△55角▲78銀△99竜▲46銀△44角▲81馬。
△86歩▲同歩△85歩と継ぎ歩する変化から見ていきたい。
▲85同歩は△同飛で十字飛車の狙いだ。
△85歩に一回▲34歩と打ち、△44銀なら▲同銀△同歩▲85歩と戻すことができる。
△22銀に強く▲85歩と取り、△同飛に▲96角と切り返す。
△89飛成▲63角成と、激しいやり取りだがバランスが取れている。
最終図の形勢は難解だが、駒得の先手を持ってみたい。
最終図から後手は△26香と打つ手があり、それを警戒するなら▲24歩△同歩▲34歩△22銀▲85歩として△26香に▲27歩を用意するのだが、後手に歩を渡すと△55角に代えて△87歩と垂らすなど変化されるので一長一短だ。
第3図 △36角もある
手順 △36角▲88飛△47角成▲38角△57馬▲46歩。
△85同飛に代えて△36角も考えられる。△63銀に紐がつくので、▲58金右なら堂々と△85飛と走れる。
△36角に▲88飛と回るのが面白い一手だ。
△47角成に▲38角と打ち、△25馬なら▲84歩と突いて逆襲できる。
△57馬には▲46歩と打ち、後手の馬が狭い。
最終図以下△83歩は▲68銀で馬が詰む。
▲46歩に△37歩▲27角△52金が一例だが、▲48金△56馬▲37桂と味良く活用できるので先手十分戦える。
▲35歩△同歩▲同銀を直接咎めるなら△86歩▲同歩△85歩だが、後手にもリスクがある。
後手としては選びづらいところだ。
第4図 △54銀の変化
手順 △54銀▲79金△65歩▲68玉△64角▲18飛△86歩▲同歩△74歩。
△54銀も考えられる。次こそ△86歩▲同歩△85歩の継ぎ歩がやりやすい。
すぐ▲24歩△同歩▲同銀は、△27歩▲同飛△45角で後手指せる。
△54銀に対して▲79金が工夫の一手だ。▲89桂に紐をつける意味だ。△86歩▲同歩△85歩には、▲24歩△同歩▲85歩△同飛▲24銀と捌いて先手指せる。
▲79金は継ぎ歩を警戒した手なので、持久戦向きではない。
後手は△65歩と位を取る。▲68玉に△64角が好ラインだ。
▲46銀と受けるのは△44歩で銀にプレッシャーがかかる。
▲18飛に△15歩▲同歩△17歩▲同飛△28角成も指してみたいが、▲46角(△29馬は▲27飛)で対応できる。
△15歩を含みに、△86歩と突く。▲同銀には△66歩▲同歩△65歩と継ぎ歩できる。
▲86同歩に△74歩から駒組みする。▲86同歩と形を決めさせたことで、将来△73桂ー△62金ー△85歩のように継ぎ歩を狙える。
最終図はこれからの将棋だが、後手の手が分かりやすく、後手を持って指してみたい。
第5図 先手早繰り銀を警戒するなら▲16歩に△94歩もある
手順 ▲16歩△94歩▲96歩△14歩▲38銀△33銀。
先手早繰り銀を警戒するなら、▲16歩に△94歩の打診もある。
▲96歩と受けてきたら△14歩と受ける。
9筋の突き合いが入れば、第1図になったとき△86歩▲同歩△85歩▲34歩△22銀▲85歩△同飛に▲96角がない。
後手は第1図の局面を避けなくてもいいが、この△94歩も対策の一つだ。