将棋俱楽部24高段タブより、参考になった将棋をピックアップして解説していくこのコーナー。
第1回は銀冠穴熊の堅陣を三間飛車で粉砕する将棋です。
それでは早速見ていきましょう。
先手:R2829
後手:R2800
初手からの指し手
▲76歩△34歩▲26歩△44歩▲48銀△32飛▲25歩△33角▲68玉△62玉▲78玉△42銀▲58金右△72銀。
居飛車対三間飛車の対抗形。
後手の方はプロ棋士の先生です。
将棋俱楽部24では常にプロ級の猛者が対局しているので、眺めているだけでも勉強になると思います。
上図以下
▲77角△43銀▲88玉△94歩▲96歩△52金右▲78銀△74歩▲86歩△73桂。
▲88玉を見て△94歩と突くのがタイミング。
▲98香なら△95歩と突き越して△93桂~△85桂の「トマホーク戦法」を狙う含みがあります。
本譜は▲96歩と受けたので、左美濃が濃厚。
左美濃に対しては、角のラインを生かして玉頭攻めを仕掛けるのが習いある手段です。
△62玉型のまま攻撃形を整える後手の駒組みは、四間飛車の「藤井システム」を連想させますね。
上図以下、
▲87銀△84歩▲78金△64歩▲98香△83銀▲99玉△72金▲68金右△31飛▲88金△85歩▲同歩△同桂▲86角。
陣形を発展させるために必要な▲86歩を争点にするのが作戦の骨子になります。
次の△64歩は、△85歩▲同歩△同桂と動いたときに▲55角が香当たりになるのを防いで必要な1手。
以下は着々と玉頭攻めの準備を整えて、▲88金の瞬間に△85歩がベストタイミング。この瞬間なら▲同歩△同桂に角の逃げ場が86しかありません。
そして▲86角にはもちろん、追撃手段があります。
その次の一手とは何でしょう。
続きは中盤編で。