テーマ図
手順 △52玉。
今回は△52玉と待機する指し方を見ていきたい。実戦例も少なく、変化球の印象だ。
△52玉に代えて△54銀と上がると▲45桂と仕掛けることができる。▲45桂と跳ねる変化は先手十分戦える、とされている。
▲45桂に△44銀とする変化はこちらから。
▲45桂に△22銀と引く変化はこちらで検討した。
▲67銀に△54歩の変化
手順 ▲67銀△54歩▲56歩△44歩▲59飛△42銀▲55歩△同歩▲同飛△54歩▲59飛△43銀▲56銀△33桂▲29飛。
△52玉を見て▲67銀と固める。△52玉に代えて△54銀に▲67銀とすると、△44歩▲56歩△31玉とスムーズに囲える。△52玉を見ると▲67銀と固めやすくなる。
▲67銀に△54歩と突く変化から見ていきたい。▲56歩に△44歩と歩と歩を合わせ、先手の動きを警戒する指し方だ。
▲59飛から一歩交換を目指す。△42銀▲55歩△同歩▲同飛△54歩▲59飛△43銀に、単に▲29飛も考えられるが、△65歩▲同歩△同桂▲66銀左（▲68銀は△35歩）△64歩と歩交換されるのが気になる。以下▲26角と打って形勢は難しい。
△43銀に▲56銀と上がってから▲29飛と回れば△65歩を防げる。
最終図は先手は一歩交換できたが、後手は△43銀型の良い形に組むことができた。
手順 ▲45歩△41飛▲59飛△45歩▲55歩△同歩▲同飛△54歩▲59飛△46歩▲56銀。
▲59飛から歩交換をするのは、後手も△42銀ー△43銀の好形に組めるので一局だ。△42銀ー△43銀を阻止するべく、▲45歩の仕掛けが有力だ。△同歩は▲同桂△44銀▲46歩と支えておいて先手指せる。▲45同桂に△42銀も▲17角が好ポジションになる。
▲45歩△41飛に、▲59飛と回る。以下△45歩▲55歩△同歩▲同飛△54歩▲59飛△46歩▲56銀とした最終図は、▲59飛と▲56銀が△52玉をめがけている。
次に▲45銀があるので△44銀と上がるが、▲17角や▲35歩△同銀▲75歩△同歩▲74歩△同銀▲45銀のように攻めていける。先手を持って指してみたい。
▲67銀に、先に△44歩とし▲56歩△54銀とする変化もあるが、以下▲59飛と回って、△22玉の入城が間に合っていないので先手を持ちたい。もう一つ、争点ができたので△44歩に▲56銀と戻る手も有力。先に△44歩と突く工夫は後手に得がなさそうだ。
▲67銀に△42玉▲56歩△44歩の変化
手順 △42玉▲56歩△44歩▲55歩△65歩▲同歩△同桂▲66銀左△64歩▲45歩△同歩▲17角。
次に△42玉と待つ変化だ。▲56歩に△52玉は▲55歩△42玉▲56銀で、どんどん先手陣が良くなる。これは先手不満ない。機を見て▲45桂から攻めていける。
▲56歩に△54銀は▲45桂で先手指せる。こちらの変化と比較すれば一目瞭然だ。▲56歩の一手がとても大きい。
▲56歩に△44歩は▲45桂跳ねを消した手だ。対して▲45歩も有力。△同歩▲同桂で、△44銀は▲46歩。△22銀も▲35歩と攻める。この順も考えられる。
△44歩に▲55歩も価値の高い一手だ。次に▲56銀と上がれれば先手不満ないので、この瞬間△65歩と仕掛ける。
以下▲65同歩△同桂に▲68銀は△95歩▲同歩△35歩と攻めていける。こうした展開は先手が受け身になるので、△65同桂に▲66銀左△64歩▲45歩と攻めるのが良いだろう。△同歩に▲17角がやはり好ポジションだ。▲55歩の位と▲17角の相性が良い。
▲45歩を放置して△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛も、▲24歩△同歩▲25歩と継ぎ歩して先手指せる。
▲67銀に△42玉▲56歩△52金の変化
手順 △52金▲55歩△65歩▲同歩△同桂▲66銀左△64歩▲35歩。
△44歩に代えて△52金と寄る変化を見ていきたい。先手は▲55歩と位を取る。
次に▲56銀と上がれれば先手不満ないので、△65歩と仕掛ける。
▲65同歩△同桂に▲68銀も考えられる。さっきは△95歩▲同歩△35歩が嫌だったが、今回は△35歩に▲45桂と跳ねることができる。
よって▲68銀には△44銀と上がる。▲66歩なら△55銀▲65歩△66歩▲58銀△56銀で、次に△44角を狙って難解。△44銀に▲59飛と備えるのも、△95歩▲同歩△86歩▲同歩△95香▲同香△84角のように攻めが続く。形勢は互角だが、これは先手も怖い。
▲66銀左とかわし、△64歩に▲35歩と仕掛ける順を指してみたい。以下△35同歩は▲45桂で、△44銀は▲24歩から一歩交換をする。△34銀は▲56角で先手指せる。▲35歩に△44歩には、▲24歩△同銀（△同歩は▲25歩）▲34歩か、▲45歩△35歩▲44歩△36歩▲45桂△44銀▲46歩と支えておくか。
後手玉に嫌味がついて、先手を持って指してみたいだろう。
「打開する」という先手の目標は達成したが、これからの将棋だ。