基本図

手順 △34歩。

今回は相掛かりで▲96歩に△34歩と突く変化を見ていきたい。

▲96歩には、△52玉、△94歩、△14歩、△34歩など分岐点になる。

▲96歩に△52玉とする変化はこちらで検討した。

△34歩は次に△33角と上がって2筋の歩交換を防ぐことができるので、▲24歩を催促している。

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△86歩▲同歩△同飛▲87歩△84飛▲28飛△23歩▲76歩。

△34歩と突くと、▲24歩△同歩▲同飛で次に▲34飛と取られる可能性がある。そのため△86歩▲同歩△同飛▲87歩△84飛と飛車の横利きで受けるが、△85飛や△82飛と引く変化が消える。

先手の▲24歩を催促しているが、後手は△84飛に限定される。これが△34歩のメリットとデメリットだ。

最終図▲76歩から後手の駒組がいくつか考えられる。

△94歩の変化

手順 △94歩▲46歩△74歩▲47銀△73桂。

△94歩と△42玉の分岐になる。△14歩▲16歩を入れているケースもある。

すぐ△74歩と突きたいが、▲22角成△同銀▲95角が王手飛車になる。そのため△94歩か△42玉を入れてから△74歩と突く。

△42玉は、△94歩を保留して別の手を優先する思想だが、△42玉のあとに△94歩と突くなら結局合流する。

先手は▲46歩ー▲47銀と腰掛け銀を目指し、後手は△74歩ー△73桂と駒組する。

▲66角とぶつける

手順 ▲66角△同角▲同歩△64歩▲68銀△62金▲67銀△42銀▲58金△63銀▲36歩△14歩▲16歩△44歩▲68玉△43銀▲37桂△54銀右▲77桂△42玉。

▲66角とぶつける手を見ていきたい。▲66角と動かすことで、▲88銀や▲68銀と銀を動かせるようになる。

△66同角以下お互い駒組になる。

手順中△42銀ー△44歩ー△43銀と駒組するのが後手の工夫だ。△42玉を保留しているので△42銀と上がることができる

最終図は次に△65歩と仕掛ける権利を持っていて、後手十分の序盤戦だ。

手順 ▲56銀右△63銀▲77桂△54歩▲65歩。

▲58金から駒組するのは先手不満だった。代えて▲56銀右から積極的に指したい。

▲77桂から▲65歩が狙い筋だ。

最終図以下、△65同歩は▲同桂△同桂▲同銀△64歩▲66角。▲65歩に△33桂は▲64歩△同銀▲65歩△53銀引▲36歩が一例だ。

先手から戦いを起こせているので、主張は通っている。

△22銀と上がる変化

手順 △22銀▲68銀△42玉▲67銀。

△42銀から駒組する変化を見てきたが、△22銀▲68銀△42玉と駒組する手も有力だ。

この変化なら△94歩に代えて△42玉と上がった変化と合流する。

この変化は△94歩と突く前に△14歩▲16歩を入れている。△42玉と上がる進行なら早めに△14歩を入れておきたい。

△95歩の仕掛け

手順 △95歩▲同歩△96歩▲56銀右△97歩成▲同香△85桂▲96香△98角▲55角△95香▲同香△89角成。

△95歩▲同歩△96歩が意表の仕掛けだ。△95歩▲同歩△97歩は▲86角で後続が難しい。そこであえて△96歩と垂らし、次に△97歩成を狙う。

△96歩に▲同香は△85角で後手指せる。

△96歩を放置して▲56銀右には△97歩成と成る。代えて△95香と走ると▲98歩と受けられて△95香が負担になる。

△97歩成以下、▲同香△85桂▲96香△98角と打ち込む。▲88金は△89角成▲同金△77桂成で攻めが続く。▲88金に代えて▲55角は攻め合いの手だが、△95香▲同香としてから△89角成が好手順だ。

後手を持って指したいが、最終図から▲86歩と突いて形勢は難しい。

▲86角と受けた場合

手順 ▲86角△97歩成▲同香△85桂▲96香△98角▲77桂△同桂成▲同金△89角成▲56銀右。

▲86角と受けられた場合はどうするか。

この手にも△97歩成と成り捨てる。▲同香に△85桂▲96香△98角と打ち込む。▲88金は△89角成▲同金△97桂成▲同角△87飛成で後手指せる。

よって▲77桂と跳ね、△同桂成▲同金△89角成▲56銀右とした最終図は難しい。形勢互角だが先手陣は怖い格好で、先手が好んで指す変化ではないだろう。

手順 ▲同桂△64歩。

▲97同桂にはじっと△64歩と突く。▲同角は△95香▲86角△94飛で後手指せる。

▲64同角とは取りづらく、▲56銀右や▲56歩、▲77角のように駒組することになりそうだ。後手は先手の手に応じて、△65歩と攻め続けるか、△63銀ー△52金と駒組するかを選ぶ。

▲86角が動くと△95香と走られる、一歩渡すと△96歩と打たれる、など先手は警戒する筋が多い。先手が守勢になっていて、先手不満だ。

△95歩▲同歩△96歩の仕掛けは有力だ。

▲66角のぶつけには、△42銀から駒組する順と△95歩▲同歩△96歩と仕掛ける順のいずれも後手有力だ。

▲58玉なら同型の将棋になる

手順 ▲58玉△64歩▲36歩△62金▲48金△63銀▲37桂△52玉▲29飛△81飛▲56歩△54歩。

▲66角と上がらず、▲58玉と上がると同型の将棋になりやすい。

最終図はまったくの同型だ。

この変化はこちらの記事で検討した。

手順 △42玉▲48金△62金▲37桂△63銀▲29飛△81飛▲56歩△54歩。

△52玉と同型を避け、△42玉と上がる手もある。

最終図まで進んで、違いは▲58玉ー△42玉だ。最終図から▲45歩△65歩▲22角成△同銀▲68銀には、△52玉とあえて一手パスする意図がある。

詳しくはこちらの記事で検討した。

この同型の将棋は、基本図で後手がどの手を選んでもなる可能性がある。重要な課題図だ。

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