テーマ図
手順 △35歩。
今回は後手三間飛車でお互い相穴熊に囲う変化を検討したい。
テーマ図から△74歩▲68金寄△42飛と一手損して四間飛車に戻す変化はこちらで検討した。一手損してまで三間飛車から四間飛車に戻すのは、△54銀と上がったとき▲66歩と突かせる思惑があった。
他にも三間飛車にするメリットとして、▲66角からのミレニアムを警戒できる意味もある。
後手が三間飛車に構えるのは、居飛車からの急戦に対応しやすかったり、いつでも△35歩から石田流を目指す手を見せて先手の駒組に制約をかける意図がある。
今回はテーマ図から△35歩と石田流を目指す変化だ。穴熊に囲った上に石田流を目指すので欲張っている。先手は石田流を阻止する指し方をしたい。
手順 ▲46銀△42角▲68角△36歩▲同歩△同飛▲37歩△31飛▲35銀。
△35歩に反応して▲46銀と上がる。△42角と飛車先を通すが、▲68角が継続手。
△36歩▲同歩△同飛▲37歩△31飛と取られそうな歩を交換するが、自然に▲35銀と進軍して先手指せる。
最終図以下△64歩は▲24歩△同歩▲44銀で、△65歩は▲24角で攻め合い勝ちが望める。
△43銀の辛抱には、▲24歩△同歩▲67金で次に▲24銀を目指せば先手指せる。△24同歩にすぐ▲同銀とすると△36歩▲同歩△同飛▲37歩△56飛で飛車が捌ける。
こうした変化ができるのは、▲68金寄より先に▲79金と駒組したからだ。細かい手順だが、▲79金を先にすることで▲68角の余地を残し△35歩を警戒した意味がある。
△42角に代えて△51角と引いても、同じ手順で問題ない。
手順 ▲55歩△43銀▲68金寄△36歩▲同歩△同飛▲37歩△34飛▲78金寄△33桂▲68角△45桂▲35銀△31飛▲24歩△同歩▲36歩。
▲68角から▲35銀と進軍するのは先手有力な変化だ。もう一つ有力な変化を見ていきたい。
まずは▲55歩と追う。△45歩は▲54歩△46歩▲41銀があるので、ここは△43銀と撤退する一手だ。
△43銀と引かせ、▲68金寄と囲う。▲79金に代えて▲68金寄とするとこの変化に合流する。
△36歩▲同歩△同飛▲37歩△34飛に▲78金寄で囲いが完成する。後手は3筋に手をかけているので、△52金がまだ△72金まで囲えていない。先手玉は後手玉より固いので強い戦いができるようになる。
▲78金寄に△45歩▲同銀△35飛は▲36銀で対応できる。△55飛は▲65歩が痛い。▲36銀に△34飛と引いて千日手含みに指そうとしても、▲68角△44銀▲24歩△同歩▲22歩△33桂▲21歩成△35歩▲27銀でと金が大きく、先手指せる。
△33桂▲68角△45桂と桂を捌きたいところだが、▲35銀△31飛▲24歩△同歩▲36歩として、次に▲46歩を狙って先手を持ちたい。この変化は▲78金寄まで囲えているのがとにかく大きい。
手順中△34飛に代えて△31飛▲78金寄△64歩の変化も考えられ、△61飛の転回を見せて戦う感じになる。
手順 ▲38飛△62金寄▲68金寄△72金寄▲78金寄。
▲55歩△43銀に▲68金寄と囲い、△36歩▲同歩△同飛の歩交換を許しても先手は十分対応できた。
▲55歩△43銀に▲38飛と3筋の歩交換を許さない手も有力だ。▲26飛とすると△15角▲16飛△14歩が気になる。▲38飛は見慣れない手だが、三間飛車相手によく出てくる手だ。
お互い金を寄せた最終図、先手は次に▲68角△34銀▲36歩△同歩▲同飛と動いていく順がある。また、▲65歩と大きく模様を取っても先手十分だ。
まとめ
△35歩には▲46銀と反応する。△42角に▲68角、▲55歩△43銀▲68金寄、▲55歩△43銀▲38飛、いずれも先手有力だ。
△42角に▲68角は真っ向から咎める手だが、▲58金が不安定なので、とりあえずは▲68金ー▲78金と寄りたいところだろう。
△35歩に対して先手はいくつか有力な対策があり、テーマ図からの△35歩は欲張りすぎ、と見たい。