テーマ図

手順 △31玉。

テーマ図から△31玉に代えて△52玉とする変化はこちらで検討した。今回は△52玉に代えて△31玉とする変化を検討したい。

まずは先手が手数をずらす理屈から見ていきたい。

先手が誘導したい局面

先手はこの図に誘導したい。この局面の手番が重要だ。△54銀には▲45桂。△52玉には▲67銀と囲う。△52玉を見て▲67銀と引くことで、△54銀▲56歩△44歩▲59飛となったとき△22玉の入城が遅れる。

つまり、先手は後手の手を見て方針を決めることができる。

▲88玉と上がった図で先手の手番だと、▲45桂の攻めは後手指せる。▲67銀は△54銀で後手互角に戦えるとされている。

どちらの手番でこの局面を迎えるかが重要だ。

テーマ図から△31玉に▲88玉と上がると、△42玉で先手の手番になる。これだと先手が誘導したい局面にはならない。

うまくパスして、先手は誘導したい局面にできるか。

手順 ▲27飛。

先手は上記の誘導したい局面にしたい。▲27飛が有力だ。

▲27飛に△42玉は▲28飛△54銀▲29飛△63銀▲88玉で先手が誘導したい局面になる。

▲29飛ー▲27飛ー▲28飛ー▲29飛は3手パスなのに対し、△42玉ー△52玉や△54銀ー△63銀は2手パスなので、先手は1手多くパスできる。よって手番がずれる。

現在、後手が先手が誘導したい局面にしたくない、と抵抗している。後手はどう抵抗するか。

▲27飛に△54銀の変化

手順 △54銀▲45桂△22銀▲35歩△同歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛△44歩。

△54銀とする変化を見ていきたい。この手に▲29飛は△65歩▲同歩△75歩と後手が先攻できる。△65歩を見せられているので先手は▲45桂と仕掛けていく。

△54銀は△65歩の仕掛けを狙っているが、▲75歩の桂頭攻めができている△54銀と上がった瞬間が先手は攻めるタイミングだ。

▲45桂に△44銀は▲24歩から歩交換しておいて先手十分。

△22銀には▲35歩と突く。△44歩は▲53桂成△同金▲34歩で先手指せる。▲34歩と取り込まれると△22銀の壁銀を解消しづらくなる。次に▲75歩や▲62角、▲72角が残っていて後手陣はまとまらない。

よって△35同歩になるが、▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛と引く。以下△44歩にどう攻めるか迷う。

一つは▲75歩と突く手。△63角は▲53桂成△同金▲62角△61桂▲74歩△同角▲72歩で先手良し。△52角と受けるのも▲72角が好手で先手良し。△83角と受けるのが勝り、これがどうか。

二つ目は▲53桂成△同金▲62角△63金▲44角成とする順。次に▲24歩△同歩▲同飛を狙っている。△33銀には▲同馬△同金▲45銀と攻める。この順は先手勝ちやすさがありそう。

三つ目は▲33歩△同桂▲53桂成△同金▲34歩とする順。後手陣を乱しながら桂馬を取り返すことができる。

△44歩にどう攻めるか迷うが、▲45桂に△22銀と引く順は先手ペースと見たい。

手順 △42銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛△44歩▲15歩△同歩▲75歩△45歩▲74歩△65桂▲同歩△22角▲45歩△76歩▲88銀△43銀上。

△42銀と引く手が勝る。対して▲35歩は△44歩▲34歩△45歩▲同歩△43銀上で先手大変。

▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛と一歩交換して、△44歩に▲15歩△同歩▲75歩と攻める。▲75歩に△52角は▲13歩△同香▲74歩△同角▲14歩△同香▲25角で先手良し。

後手は受け切れないので、△45歩▲74歩△65桂▲同歩△22角と攻め合う順を選ぶ。△22角は▲44桂を消しつつライン攻めを狙う、一石二鳥の手だ。

▲45歩で▲44桂の土台を作り、△76歩▲88銀△43銀上とした局面が課題図だ。

△43銀上ではすぐ△75桂と攻めたいが、▲44桂△同角▲同歩△66桂▲68金△86歩▲同歩△同飛▲97角で後手の攻めが細い。

課題図

△43銀上の局面を眺めたい。

△22角のラインは止まらないが、▲24歩から目標になるので何とも言えないところ。お互いに▲44桂と△66桂にキズを抱えている。

課題図から▲44桂が一目だが、△同銀▲同歩△同角▲45歩△33角で先手微妙だ。銀桂交換になるが、後手に桂と歩の攻め駒を渡している。

先手が何か手出しすると後手に反撃されるので、ふわっとした手が求められる局面だ。

課題図から▲26角の変化

手順 ▲26角△86歩▲同歩△65銀▲同銀△同歩▲73歩成△47歩▲38金△52金▲44歩。

まず▲26角が考えられる。次に▲73歩成△同金▲53角成の狙いだ。以下の進行は2023年5月5日に行われた世界コンピュータ将棋選手権、▲二番絞りVS△大将軍の実戦例だ。

こちらのリンクから棋譜を見ることができます。

▲26角に△86歩▲同歩△65銀と攻め合ったが、▲同銀△同歩に▲73歩成が実現した。

最終図以下△44同銀は▲63と△同金▲72銀がある。最終図は先手を持って指してみたい。

手順 △86歩▲同歩△同飛▲87歩△83飛▲75桂△85飛▲73歩成。

▲26角に△86歩▲同歩△同飛▲87歩△83飛と歩交換しながら▲73歩成を受ける手はどうか。

これには▲75桂が好手だ。△93飛は▲64歩と取り込んでおく。△85飛と逃げる手には▲73歩成が実現する。以下△同金は▲53角成。△52金は▲63桂成だ。

最終図は先手指せる。

課題図から▲64歩

手順 ▲64歩△75桂▲97角△86歩▲同角△同飛▲同歩△45銀▲同銀△67角。

▲26角は先手有力だ。後手の狙い筋も見ておこう。例えば▲64歩と取り込むと、△75桂と設置するのがいい手になる。

▲97角の催促には、△86歩▲同角△同飛▲同歩△45銀がぴったりだ。一歩を補充し、▲81飛のとき△41歩と打つことができる。

▲45同銀に△67角が痛い。これは後手良し。

課題図から▲46角

手順 ▲46角△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛。

じっと▲46角も考えられる。対して△75桂なら▲64角と催促して先手良し。▲46角は△75桂を警戒した意味がある。

△75桂を消されると攻め方が難しいので、△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛と歩交換をしておく。

その局面で先手の手が難しい。▲24歩△同歩▲25歩の継ぎ歩攻めをしたいが、後手に歩を渡すので△77桂や△86歩▲同歩△75桂の攻めがくる。

最終図は形勢不明。

課題図では▲26角が本命だろう。

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