今回は角換わりの将棋の中でも珍しい指し方を検討したい。
目次
第1図 テーマ図
手順 △31玉▲29飛△44歩。
第1図から△54銀▲29飛△52玉▲69玉と進むのが実戦例の多い指し方だ。
今回は△54銀を保留して、△31玉▲29飛△44歩とする指し方を見ていきたい。
珍しい指し方だ。
第2図 ▲79玉の変化
手順 ▲79玉△54銀▲45歩△41飛▲44歩△同飛▲45歩△41飛▲46角△63金▲88玉。
▲79玉△54銀の図は先後同型だ。
第1図から△54銀▲29飛△44歩▲79玉△31玉と同じ局面だが、この手順だと△44歩に▲45歩△同歩▲同銀と仕掛けて先手指せる。
こちらで検討した変化になる。
▲79玉△31玉の交換が入ると、▲45歩に△41飛と回れるようになる。
最終図はこれからの将棋だ。
先手は▲28飛ー▲47金ー▲35歩から歩交換や、▲47銀ー▲56歩の組み換え、▲55銀のぶつけなどを狙う。
後手は守勢になりやすく、後手を持ちたいかは好みによるが、△31玉ー△44歩と指す人はこの展開なら後手まずまずと見ている。
似た変化で、△31玉と引く前に△41飛と回る変化がある。こちらの記事と併せて比較してほしい。
第3図 すぐ▲45歩と開戦
手順 ▲45歩△41飛▲44歩△同銀▲38金△54歩▲46歩△52金。
▲79玉と引く変化も考えられるが、第2図最終図の局面は、打開に課題が残る。
すぐ▲45歩と仕掛ける方が局面が動きやすい。
対して△45同歩は▲35歩△46歩▲79玉と進んで先手指せる。
△31玉と引いたのを生かして▲45歩に△41飛と回る。
▲44歩に△同飛は、▲45桂△41飛(△42銀は▲55角。△22銀は▲71角)▲79玉△44銀▲46歩と進めて、2筋の歩交換ができるようになる。
△44同銀に▲46歩は△54銀ー△55銀左を狙われるので、▲38金と寄る。
一歩持っているので△54銀に今度は▲75歩がある。△54歩を見てから▲46歩と打つ。
最終図をどう見るか。
第4図 ▲79玉と引く
手順 ▲79玉△55銀▲同銀△同歩▲82銀。
第4図から▲79玉と引く。
代えて▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛(または▲28飛)もあるが、△55銀▲同銀△同歩と進んで、▲68玉が5筋に近いのが気になる。
▲79玉に対して△55銀は、▲同銀△同歩▲82銀と反撃する。
最終図以下△84角や△62銀と受けてきたら、▲45歩と突いて次に▲44角や▲73銀成ー▲44桂を狙う。
後手に角か銀を使わせることで、△47銀▲同金△38角を消している。
最終図は先手を持って指してみたい。
△55銀に代えて△65歩▲同歩△86歩▲同歩△87歩のように形を乱す手も考えられるが、歩をたくさん渡すと▲24歩△同歩▲22歩△同玉▲25歩と反撃されるので、後手が怖い格好だ。