基本図
今回は▲66歩に△52金と上がる将棋を検討したい。▲66歩に△65歩の変化はこちらで検討した。
また、▲66歩に△54銀▲47銀△62金▲48金△65歩▲同歩△73桂という指し方もある。その変化はこちらで検討した。
▲66歩に△52金は、▲35歩△同歩▲45桂の仕掛けを最も警戒した手だ。しかし△81飛ー△62金の格好を目指すとき一手損する。
▲88玉型ー▲45桂に誘導する
手順 ▲47銀△73桂▲56銀△81飛▲48金△62金▲29飛△54銀▲79玉△63銀▲88玉△54銀▲45桂。
無難に駒組すると、▲88玉型ー▲45桂の将棋にできる。最終図は難しいが、先手は最終図に誘導したかったので目的は達成している。
以下の進行はこちらの記事から。
手順 △51金▲79玉△62金▲27飛△54銀▲29飛。
△51金と手数を調整する手もあるが、先手も▲27飛で調整できる。最終図は▲88玉型ー▲45桂の将棋にできている。
調整の仕方は先手も後手もいくつかパターンがあるが、後手は変な待ち方をすると▲35歩△同歩▲45桂の仕掛けがあるので、気を遣う。
一手得を生かし、▲58金型にする
手順 ▲79玉△62金▲58金△54銀▲45銀。
▲48金と上がる将棋も先手有力だが、別の指し方を考えていきたい。後手は△52金ー△62金と一手損しているので、先手は一手得を生かして▲58金と上がる手も考えられる。
▲58金に△54銀と上がると、▲45銀の仕掛けが発生する。以下、△63銀は▲56角。△55銀は▲47金△52玉▲56銀の要領だ。
この変化は、三浦九段VS深浦九段戦の記事で紹介した。こちらからご覧ください。
手順 △52金▲68金右△62金▲88玉△52玉▲98香△42玉▲99玉△52玉▲88金△54銀▲78金右△42玉。
後手がひたすら待ったら、先手は▲98香から穴熊に組む。▲78金右まで組めれば先手十分だ。金を寄せたので角の打ち込みは怖いが、将来馬を作られる展開になっても先手玉が固いので気にならない。
最終図から先手がどう仕掛けるかを見ていきたい。
手順 ▲45銀△55銀▲35歩△同歩▲75歩△同歩▲56銀。
▲45銀と仕掛けていく。代えて▲35歩△同歩▲45桂もあるが、△34銀▲24歩△37角の打ち込みが気になる。
▲45銀に△63銀は▲67角と打って、▲34銀を狙う。▲56角だと、△59角▲38飛△44歩▲34銀△同銀▲同角△47銀がある。▲67角と打てば、△59角▲38飛△44歩に▲56銀と引ける。
▲45銀△55銀には、▲35歩△同歩▲75歩△同歩▲56銀で攻めが続く。△46銀は▲45桂△44銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲44飛△同歩▲74歩。△56同銀▲同歩△44歩は、▲63銀△61金▲24歩△同歩▲74銀成がうるさい。
穴熊に組めているので、強引な攻め方ができる。
手順 △42玉▲35歩△同歩▲45桂△34銀▲55角△44角▲24歩。
手順中、▲88金△54銀に代えて△42玉も自然な一手だ。これには▲35歩△同歩▲45桂と仕掛けていく。以下△22銀は▲65歩△同歩(△同桂は▲同銀△同歩▲34桂がある)▲24歩△同歩▲同飛△23歩に、▲64歩が入るのが大きい。
▲45桂に△44銀とかわすのも、▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛と歩交換しておいて先手十分。
▲45桂には△34銀と逃げることになりそうだが、▲55角△44角▲24歩として攻めが続く。最終図以下、△24同歩は▲同飛で、△23銀は▲44飛。△23金は▲同飛成△同銀▲22歩の要領。後手は入玉できそうだが、先手は駒を取りながら、後ろから追いかける感じで攻めて捕まるかどうか。
先手の攻め方は、▲45銀か▲35歩△同歩▲45桂のイメージだ。
手順 ▲78金右△44銀。
戻って▲88金△42玉に▲78金右と固めたいが、これには△44銀が手筋になる。未然に▲35歩△同歩▲45桂の攻めから逃げている。▲24歩△同歩▲同飛には△48角がある。
▲68金右の格好は、▲24歩△同歩▲同飛に△48角や△59角と打てるようになっている。▲68金右の格好に△44銀は頻出する手筋なので、覚えておいて損はない。
△44銀に▲45歩△33銀と追うことができるが、▲45桂と跳ねれなくなる。
△44銀は△42玉型だから成立する筋で、△52玉型だと▲24歩△同歩▲同飛△48角▲23角△33金▲41角成で先手良しになる。
テーマ図
手順 △54銀。
後手が△52玉ー△42玉とひたすら待つと、先手に穴熊に組まれて後手不満だった。そこで△54銀と上がる手はどうか。
△65歩の仕掛けを見せて先手の穴熊を牽制する意図だ。ここで先手の方針が問われる。