今回は後手雁木に右四間飛車に構える将棋を検討したい。

後手雁木には▲37銀と繰り出す将棋が主流だが、右四間飛車も有力な作戦だ。

目次

第1図 ▲46歩と突く

手順 ▲46歩△43銀▲47銀△32金▲56銀△85歩▲78銀△54歩▲58金右△62銀▲36歩。

図から▲25歩△33角▲36歩△43銀▲37銀とすれば、▲37銀と繰り出す将棋になる。

具体的にはこちらの記事で検討した。

▲46歩と突くのが右四間飛車への第一歩だ。

▲25歩△33角としないのがポイントで、将来▲45歩と仕掛けたとき、△33角型だと△45同歩▲33角成△同桂の形が良い。

△22角のままなら、▲45歩△同歩▲22角成△同金と壁金にすることができる。

ただ後手の形によっては▲25歩と突くので、タイミングを計っている。

▲46歩△43銀に、早い仕掛けを目指すなら▲25歩△33角▲45歩も有力。

こちらの記事で検討した変化だ。

後手がこの仕掛けを嫌うなら△32銀に代えて△42銀と上がり、▲46歩に△32金とすれば問題ない。

△85歩に▲77角が自然だが、この場合は▲78銀と上がる。

▲77角と上がると将来△74歩ー△64銀と角頭を狙われるし、▲45歩△同歩▲22角成の変化になったとき、▲77角の一手が無駄になる。

8筋の歩交換を許す代わりに、駒組みを急ぐ指し方だ。

以下お互いに駒組みが進む。

第2図 △53銀と上がる変化

手順 △53銀▲79玉△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛▲66角△64銀。

△53銀と上がる変化から見ていきたい。何気ない手だが、狙いがある。

▲79玉と引くのは左美濃を完成させて自然だが、後手の思惑通りになる。

△86歩▲同歩△同飛▲87歩に、△76飛と取る手がある。▲79玉と引いたタイミングなので△76飛と取りやすい。

▲66角と上がって次に▲65銀を狙っても、△64銀の応援が利く。△53銀と上がった効果だ。

先手は何か工夫したい。

第3図 ▲96歩と突く工夫

手順 ▲96歩△74歩▲25歩△33角▲37桂△52金▲79玉△42玉▲66角△31玉▲45歩。

第3図から▲48飛は、△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛には▲45歩と仕掛ける意図だ。

しかし▲48飛に△42玉▲45歩△31玉と無視し、以下▲37桂△52金▲79玉△42金右と固められると攻略するのは大変だ。

▲44歩△同銀右▲45歩には常に△55銀として対応できる。

先手は▲25歩と伸ばすのと▲48飛と回るのを天秤にしたい。

第3図は先手の手が広いが、▲96歩と突く工夫がある。△86歩▲同歩△同飛に▲97角を用意している。

△52金と上がれば▲97角の筋はなくなるが、玉の横がスースーするので飛車が渡しづらくなる。だから△76飛の筋もやりづらくなる。

▲96歩の一手が緩いと見て、後手は駒組みをする。

途中▲66角が工夫の一手だ。将来▲45歩△同歩▲同桂となったとき、△66角▲同歩となった格好が良い。

△88角成▲同玉や、△77角成▲同桂の格好よりも固い。

最終図は先手の理想形だ。

最終図以下、△45同歩▲24歩△同歩▲35歩、強引に行くなら△24同歩に▲45桂△66角▲同歩△44銀右▲71角△72飛(△92飛は▲24飛△23歩▲34飛)▲44角成△同銀▲61銀△62飛▲52銀成△同飛▲24飛△23歩▲34飛△43銀▲35金と打つ順も有力だ。

第4図 △52金と上がる変化

手順 △52金▲37桂△74歩。

次に△53銀に代えて△52金と上がる変化を見ていきたい。

▲37桂△74歩に先手の方針が問われる。

第5図 ▲48飛と回らずに▲45歩

手順 ▲45歩△同歩▲22角成△同金▲48飛△64角▲66角△32金▲25桂。

第5図から▲48飛は△33桂が有力だ。

以下▲45歩には△同桂▲同桂の格好で放置し、△64歩▲79玉△61玉のように駒組みする順がある。

先手が何もしてこなければ、△63銀ー△73桂ー△81飛ー△72玉(△62玉)と右玉に組む狙いだ。

▲35歩△同歩▲38飛と動いてきたタイミングで△45歩と取ればよい。

だから▲48飛と回らずに▲45歩と仕掛ける。

対して△53銀は▲79玉△41玉▲25歩として、第3図と似ているが、▲96歩の一手を省略できている分、先手が得している。

▲45歩△同歩▲22角成△同金に▲48飛と回る。

△33桂には▲45桂△同桂▲同銀として先手指せる。

△64角は嫌なラインだが、▲66角と打ち返し、△12金には▲47金、△32金には▲25桂と跳ねて先手指せる。

最終図以下、△19角成に▲11角成△46香▲47香△同香成▲同金△44香でどうか。この順が嫌なら、△19角成に▲49飛や▲45銀△44歩▲同銀△同銀▲同飛の順も考えられる。

第5図で▲79玉△73桂の交換が入っている場合も、理屈は同じだ。

▲48飛は△33桂▲45歩△同桂▲同桂の形で放置される。だから、▲45歩△同歩▲22角成△同金▲48飛(または▲77角△33角の交換を入れてから▲48飛)とするのが有力だ。

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