すぐ役立つような戦術を紹介したい。

今回は相掛かりの将棋だ。

△86歩に代えて△64歩の変化

手順 ▲36歩△64歩。

▲36歩に△86歩と突く将棋が多い。▲86同歩△同飛▲87歩なら△36飛と取れる。

△86同飛に▲58玉と上がるのが定跡だ。△87歩なら▲97角と上がれる。▲58玉に△36飛と取ってきても、▲97角△52玉▲82歩で桂が取れる。単に▲82歩もあるが、△86飛▲81歩成△同飛で次に△86歩を狙われると難解だ。

▲58玉△82飛▲87歩に△64歩とした変化はこちらから。

▲58玉△82飛▲87歩△64歩▲24歩△同歩▲同飛に△34歩とした変化はこちらから。

▲58玉△82飛▲87歩に△52金と上がる変化はこちらから。

今回検討するのは、△86歩に代えて△64歩と突く変化だ。

▲35歩と位を取る

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△63銀▲35歩△23歩▲26飛。

△64歩を見たら▲24歩から狙っていく。代えてすぐ▲35歩と突くと△13角と上がられて歩を取られるので、手順が重要だ。

▲24歩△同歩▲同飛に△23歩は▲64飛で一歩得できる。

以下△86歩▲同歩△同飛▲58玉△82飛と進んで、▲87歩なら▲36歩に△86歩とした変化に合流するが、▲76歩と、▲87歩を保留する指し方が可能になる。△86歩と垂らしても▲84歩で受かる。

▲24同飛に△23歩を選ぶなら、▲36歩に△86歩とした方が勝る。

▲24同飛に△63銀と歩を受ける。△14歩と突いてあるので、▲23歩は△13角で切り返せる。

△63銀に先手は▲35歩と位を取る。△34歩と突けなくなるので大きい位だ。

後手はこのあとどのような構想で指すか。

右玉にする構想

手順 △74歩▲37桂△73桂▲48金△62玉▲58玉△52金▲27銀。

一つ目のプランは右玉だ。▲35歩の位から遠ざかる意味でも自然だ。

対して先手はいくつか指し方がある。▲58玉と中住まいにして、▲27銀ー▲36銀ー▲25銀の棒銀を目指す指し方が一番支持されている。

他にも▲37銀ー▲46銀と中央志向で指したり、▲68銀ー▲69玉と固さ重視で指すのも有力だ。それぞれの好みで選ぶとよいだろう。

最終図はこれからの将棋だが、後手玉は薄く、勝ちづらい。

反発する△13角

手順 △13角▲25飛△34歩▲同歩△57角成▲76歩△22銀▲55飛△24馬▲53飛成△52金▲58竜△34馬。

持久戦になると▲35歩の位が生きる。△13角とすぐ反発する手はどうか。

▲25飛と受けてきたら△34歩と突く。▲同歩△57角成で馬を作ることができた。

しかし先手も▲76歩△22銀▲55飛とすれば竜を作ることができる。▲53飛成に△52飛とすれば竜を消すことができるが、▲54歩△62金▲52竜△同玉▲83飛△72銀▲82飛成で先手良し。先手陣にはスキがない。

▲53飛成には△52金が勝り、▲58竜△34馬となった最終図は、先手の竜vs後手の馬という構図だ。評価が難しい。

最終図は一局だ。

△13角に▲36飛が有力で先手指せる

▲36飛△34歩▲76歩△22銀▲56飛△54銀▲34歩△52金▲58玉△45銀▲55飛△34銀▲66角△42玉▲77桂。

▲25飛に代えて▲36飛が有力だ。△34歩と突くが、▲76歩△22銀に▲56飛と切り返す。

対して△35角は▲36歩△26角▲37銀△同角成▲同桂となって先手まずまず。

▲56飛に△54銀と受けるが、▲34歩で一歩得になる。

後手は△45銀▲55飛△34銀と歩を回収するが、▲66角から▲77桂と左側に目を向けるのが好手だ。

最終図は先手指せる。次の▲85飛が受からない。

まとめ

今回は△64歩と突く将棋を検討した。対して先手は▲24歩と突いて△64歩を狙う。

先手は▲24同飛△63銀に▲35歩と位を取ることができる。

以下△23歩▲26飛となって、△13角は▲36飛△34歩▲76歩△22銀▲56飛で先手指せる。△13角と上がらずに右玉に組むのも、後手が勝ちづらい将棋だろう。

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