すぐに役立つような戦術を紹介したい。

今回は角換わりで、先手が一直線棒銀を目指した変化だ。

▲78金省略の一直線棒銀

手順 ▲27銀△74歩▲26銀。

図から▲46歩ー▲47銀とすれば、角換わり腰掛け銀の将棋になる。今回紹介するのは、▲27銀と一目散に棒銀を目指す変化だ。

対して△74歩が後手の工夫の駒組。次に△75歩▲同歩△65角を狙っている。

しかし構わず▲26銀と突き進む。

△75歩▲同歩△65角の変化

手順 △75歩▲同歩△65角▲15歩△87角成▲14歩△86歩▲88歩△54馬。

△75歩▲同歩△65角が後手の狙い筋。これで馬が作れる。

対して▲74角や▲36角が見えるが、△87角成▲63角成△86歩▲88歩△65馬の進行は先手不満。8筋が押さえ込まれているし、後手の馬の方が働きが良い。

△65角に手抜いて▲15歩が有力。以下△同歩▲同銀△47角成は、▲58金右△46馬▲24歩△同歩▲同銀△同銀▲11香成で棒銀成功。銀交換できなくても、銀香交換で敵陣に成り込めれば棒銀成功だ。

つまり、▲15同銀に△同香▲同香△47角成▲11香成の図も先手成功だ。

▲15歩には手抜いて△87角成が勝る。以下▲14歩△86歩▲88歩△54馬とした最終図がどうか。

最終図から▲78金△12歩▲86銀(△同飛は▲95角が王手飛車)と歩得を主張にする指し方か、▲13歩成△同桂を入れて▲78金とする指し方か。

後手だけ馬が作れているが、負担になる可能性がある。いずれも後手が神経を使う展開だ。

△75歩に代えて△62銀の変化

手順 △62銀▲15歩△73桂▲14歩△65桂。

△75歩▲同歩△65角以外の攻め方を考えてみよう。

仕掛けずに△62銀と上がる。壁銀になるのが気になる場合は△62金もあるが、瞬間は悪形なので一長一短だ。

△62銀▲15歩に△同歩は▲同銀△同香▲同香とする。

以下△16歩▲12香成(▲18歩は△45角▲78金△27銀がある)△17歩成▲88飛(▲同桂は△35角▲46角△73銀▲35角△同歩▲68玉△31金)が予想される展開。

このような展開もありそうだが、積極的に指すなら▲15歩を手抜いて△73桂▲14歩△65桂とする順だ。▲66銀なら△86歩で破れる。このとき△72銀型だと、▲86同歩△同飛▲95角が王手飛車となって失敗だ。

△73桂に▲66歩や▲78金と受けてきたら、そこで△15歩と戻せば後手が得している。

1筋が入っていない場合

手順 ▲27銀△74歩▲26銀△75歩▲同歩△65角▲15銀△47角成▲24歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△22歩。

1筋が入っていないケースもある。▲26銀に△14歩▲16歩とすれば、上記2つの変化と合流する。

△14歩と突かずに△75歩▲同歩△65角とする。対して▲74角は△87角成▲63角成△86歩で先手不満。▲16歩△14歩が入っている場合と同じ理屈だ。

△65角には構わず▲15銀と出る。以下△47角成▲24歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△22歩と銀交換した最終図は形勢互角で、長い将棋になる。

1筋が攻めに絡まないので、持久戦になりやすい。先手が激しく戦いたいなら、▲16歩△14歩の交換を入れておきたい。

▲16歩△14歩を入れてから棒銀

手順 ▲16歩△14歩▲38銀△33銀▲27銀。

棒銀の態度を示す前に▲16歩と打診すれば、先手は1筋の交換が入っている局面に誘導できる。

▲38銀と上がる前に▲16歩を打診する理屈についてはこちらで検討した。

▲16歩△33銀▲15歩とする変化はこちら

一直線棒銀に対しては△74歩として△75歩▲同歩△65角を狙うのが主流の対策だったが、手抜いて▲15歩が課題だ。△75歩とせずに△62銀▲15歩△73桂など、後手はどう対応するか思案している。

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