テーマ図

今回は▲48銀型で▲45桂ポンを狙う指し方を検討したい。▲45桂ポンの狙いに対して、後手が△74歩ー△73桂を急ぐ対策がある。▲38銀型で有力な指し方だが、▲48銀型でも通用するのかどうかが今回のテーマだ。

▲48銀と上がる前に▲46歩と突くのが工夫した駒組で、△33銀と上がらせる意図がある。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

比較

手順 ▲45桂△44銀▲24歩△同歩▲同飛△22歩。

▲38銀型で▲45桂ポンの仕掛けを狙う作戦には、△74歩ー△73桂を急ぐ順が有力だ。△73桂に▲66歩と突くと△52金と上がって、将来6筋が争点になる。

▲24同飛に△22歩は絶対手。△23歩では▲34飛△41玉▲22歩△同金▲31角で後手陣がつぶれる。△22歩型なら▲34飛△41玉となったとき▲22歩がないという仕組みだ。

△22歩と受けた局面もこれからの将棋だが、一旦は先手の攻めを受け止めることができている。

手順 ▲15歩△同歩▲同香△同香▲12角。

▲48銀型で△22歩の局面になるなら、そこで▲15歩が成立する。△同歩▲同香△同香は▲12角と打ち込んで先手良しだ。△31金と受けるくらいだが、▲23歩とガリガリ削れば良い。

▲15同香に△42角は▲34飛△33歩▲44飛△同歩▲11香成で先手良し。▲38銀型だと、△42角▲34飛に△15角が王手になり先手失敗だ。▲15歩は▲48銀型を生かした攻め方だ。

よって▲15歩は取れない。▲48銀型はななめのラインがケアできているが、△86歩や△65桂と左辺から攻められたとき▲48玉と逃げる味がない。この陣形を咎めるべく、▲15歩を手抜いて後手は動けるか。

手順 △65桂▲66銀△86歩▲34飛△41玉▲65銀△87歩成▲83歩△同飛▲24桂△33歩▲44飛△同歩▲16角。

まず△65桂▲66銀△86歩と一直線に攻め合う手はどうか。先手も▲34飛と攻め合う。後手は歩切れで受けにくい。△33桂は▲同桂成△同銀▲同飛成△同金▲55角が両取り。△23角と受けると▲24角で一発で終わる。

△41玉か△42玉と受けるはやむを得ない。▲65銀△87歩成で、▲32飛成△同玉▲24桂は△41玉で耐えている。△87歩成には▲83歩△同飛▲24桂が好手順だ。△42金は▲32角△52玉▲74銀△84飛▲21角成△78と▲32桂成と攻めて先手指せる。

▲24桂に△33歩の受けは、▲44飛△同歩▲16角が決め手になる。これが▲32桂成△同玉▲43銀△23玉▲33桂成以下の詰めろだ。▲16角に△34角も▲32桂成△同玉▲33桂成△同玉▲34角△同玉▲16角で先手勝ち。

△52角も▲同角成△同金▲61角が痛い。

手順 ▲14歩△77桂不成▲同桂△23銀▲29飛△86歩。

△65桂に手抜いて▲14歩も考えられるが、△77桂不成▲同桂に△23銀が手堅い。▲29飛と引くが、△86歩の攻めが間に合う。

最終図は後手指せる。

手順 △86歩▲同銀△55角▲34飛△42玉▲14歩△99角成▲13歩成△同桂▲同香成△同香▲56桂。

△65桂▲66銀△86歩の攻めは後手危なかった。そこで、先に△86歩はどうか。▲同歩なら△65桂で今度は▲66銀△86飛で後手良しになる。

▲86同銀になるが、△55角が△99角成と△46角の両狙いだ。しかし▲34飛△42玉▲14歩の取り込みが大きい。▲34飛に△33桂も▲21角で、△42金は▲24飛。△42玉は▲32角成△同玉▲14歩で先手良し。

最終図は先手ペース。

手順 △52金▲14歩△65桂。

後手がすぐ攻めても良くならなかった。一回△52金と上がって、▲14歩に△65桂と攻めるのはどうか。

▲66銀とかわすと△86歩で、今度▲34飛は△23角がきく。▲24角がないからだ。これは後手良しだ。

よって先手は△65桂を手抜いて攻め合う。

手順 ▲13歩成△同桂▲14歩△77桂不成▲同桂△55角▲66桂△23歩▲27飛△86歩▲13歩成△87歩成▲23と△31金。

▲13歩成△同桂▲14歩は一直線の攻め合いだ。後手に受けはないので、△77桂不成▲同桂△55角と攻め合う。対して▲65桂と跳ねると△46角から△45銀と攻め駒を取られる。

△55角に手抜いて▲13歩成としたいが、△77角成▲68金△86歩が好手。▲22とに△68馬▲同玉△33銀打で受け止めることができる。

△55角に▲66桂と受けたら、△86歩を間に合わせに行く。最終図は先手の▲32とが早いのか、後手の△77とや△78とが早いのか。形勢は難解。

手順 ▲34飛△23角▲24飛△77桂不成▲同桂△86歩▲66桂△87歩成▲74桂△72飛▲62桂成△同金▲65桂。

▲34飛と寄るのが良いだろう。△33桂は▲同桂成△同銀▲同飛成△同金▲55角で先手良し。△42金右や△41玉と受けたら、そこで▲66銀とかわせば先手良し。よって後手は△23角と受けることになりそうだ。

▲24飛に△77桂不成▲同桂△86歩を間に合わせるが、▲66桂と反撃する。△87歩成▲74桂に△84飛は▲62桂成△同金▲53桂成が厳しい。

最終図▲65桂と跳ねて、全軍躍動だ。後手の△23角が負担で、先手良し。

手順 △86歩▲同銀△55角▲34飛△42金右▲13歩成△同香▲同香成△同桂▲75歩。

最後に△86歩▲同銀△55角とする変化を見ていきたい。これには▲34飛と寄る。歩切れの後手は常に受けづらい筋だ。△33桂は▲13歩成△99角成▲23歩△同歩▲24歩で先手良し。

△42金右▲13歩成に△同桂は▲同香成△同香▲66桂がぴったりになる。

最終図▲75歩と突いて先手指せる。△42金右で駒が偏ったので、▲75歩の桂頭攻めが厳しくなっている。最終図以下、△99角成は▲74歩△65桂▲66香△64香▲65香△同香▲73角△81飛▲24桂で攻めが続く。

まとめ

今回は▲48銀型+▲45桂ポンに、後手が△74歩ー△73桂とするのは有効かについて検討した。

△22歩と受けたとき、▲15歩とできるのが▲48銀型のメリット。△15同歩は▲同香△同香▲12角で先手良しなので、後手は▲15歩を取ることができない。手抜いて攻め合いになるが、取れないようでは後手不本意だろう。

▲15歩にすぐ△65桂▲66銀△86歩は▲34飛△41玉▲65銀で先手良し。△86歩▲同銀△55角も▲34飛△42玉▲14歩で先手指せる。

▲15歩に一回△52金と上がって▲14歩に△65桂や△86歩▲同銀△55角も考えられるが、先手が十分対応できる。

▲48銀型に△74歩ー△73桂は有効ではない、と見たい。

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