第4図
▲76歩に△64銀と引いて持久戦も考えられるが、勢い△86歩とつきたいところだ。△64銀以下は▲58金ー▲68玉と囲うことが予想される。
△86同銀に▲56角が用意の手。△77銀成に▲83歩とすれば飛車を押さえ込むことに成功した。△78成銀▲82歩成だと飛車と金銀の二枚替えになるが、飛車を取れたのは大きい。
▲83歩に△68成銀も好手。単に△42飛だと▲77桂と形良く取られる。△72飛と逃げると▲77金から▲88飛を狙われる。
△68成銀は取り方によって飛車の逃げる位置を決めようとする手だ。
▲68同飛は△72飛▲77金△79角▲78飛△88銀としがみつける。▲68同金△42飛に同じように▲77桂と活用すると△88角と打ち込まれる。
変化
△42飛と逃げた手に対して▲77金から▲88飛を狙う手もあるが、△44歩▲88飛に△45銀が好手だ。
△45歩としても▲同角でうまくいかない。
△45銀▲同銀△同歩となれば、▲82歩成に△79角を用意しつつ、飛車先の歩を進めることができる。△64角のラインができているのも大きい。
△68成銀はメリットだらけではなく、先手は銀を取る一手を省けている。
その一手を生かして▲35歩と仕掛けることができる。
手抜いて△88角もあるが、▲34歩△44銀▲24歩△同歩▲22歩と先手先手で攻められる。
△35同歩に▲同銀もあるが、△37歩▲24歩に△38銀と手抜かれる可能性がある。▲24歩△同歩が入っていれば△37歩に▲24銀とできる。
これを嫌って▲24歩に△同銀もあるが、▲34銀のとき△22銀と使うことになる。2筋に金銀が集まって重い格好だ。後手は望まない格好だろう。
△77銀成と取らず△84飛と浮くとどうなるか。
△84飛に対して▲85歩△同飛▲74角もあるが、△82飛が冷静な手。
△84飛▲63角成△77銀成だと▲85歩で止められる。△82飛なら▲63角成に△77銀成で飛車先が止まらない。
△82飛には▲86銀△同飛▲87銀△82飛▲63角成になりそうだが、87銀と使うようでは先手不満だ。
▲56角は▲83歩だけでなく、89桂に紐をつける意味もあった。▲86銀△同飛▲77金がぴったりした手だ。△84飛には▲75銀、△85飛には▲74銀と飛車を追えば飛車を押さえ込むことができる。△27銀は気になる手だが、逃げておけば問題ない。
▲88飛と8筋を逆襲した図は先手良しだ。
第1図に戻って、▲15歩△95歩▲66歩とする手もある。端の関係がお互いにとってどう影響するか。
第5図
▲66歩に△75歩と仕掛ける変化でどう変わるか。まずは▲24歩と継ぎ歩する変化から。
これまで検討した通り、△86歩とする順は最後、▲56角が好ポジション。▲16歩-△14歩では▲15歩、▲14歩が甘かったが▲15歩ー△13歩では▲14歩の次はもうと金ができる。これは先手が得している。
△66銀とする順も、先手にとって▲96歩の価値より▲15歩の価値の方が高い。将来的に▲48玉~▲37玉や▲39玉と逃げだしたときに玉が広い意味がある。これも後手が損している変化だ。
▲24歩に代えて▲76歩とした変化はどうか。
▲56角に△77銀成▲83歩の変化は▲15歩の価値が高く、後手が損する。
しかし▲96歩ー△14歩では悪くなった△84飛が今度は成立する。▲85歩のとき△94飛と寄れるようになっている。△82飛では▲88飛と逆襲されていた。
△94飛に▲88飛では△36銀成で、▲84歩から▲83歩成に時間がかかる。△94飛に▲63銀成は△62歩▲53成銀△52歩で銀が取られるし、▲63銀不成でいっても△41角で銀が取られる。▲37銀と△36銀成を受けても△44銀の応援があるので、直接的に△36銀成を受けることができない。
これは△95歩を生きる変化だ。
▲15歩-△95歩の△75歩仕掛けは▲76歩とする変化は△95歩を生かされる可能性があったが、▲24歩△同歩▲25歩の変化は先手が得になる変化があった。
そこで▲15歩に対して△44歩とする変化が考えられる。
第6図
これと似た変化で▲96歩に△44歩もある。比較して、端の関係はどうなっているか。