目次

第1図

今回は後手の雁木に▲37銀から▲35歩の仕掛けを目指す指し方を見ていきたい。

後手の雁木には、①▲37銀から▲35歩の仕掛け ②▲46歩から右四間飛車が先手の有力な指し方だ。

①の▲37銀の方は桂馬が使えないが、確実な攻めが見込める。

▲58金右を保留しているのは細かい工夫で、後手が△74歩ー△73銀と攻めてきたとき▲58玉と逃げれる余地を残している。

もう一つは▲58金右よりも▲88銀の価値が高いという主張だ。しかしこれには一長一短あり、▲88銀と▲58金右のメリットデメリットについては今度検討してみたい。

▲78銀と▲88銀の比較も難しいところだ。

▲78銀は将来▲79玉と左美濃に組むことができるが、▲78金と上がれなくなっているので8筋が薄い。△86歩▲同歩△88歩のキズもある。

▲88銀は左美濃には組めないが、▲78金の余地がある。受けを重視した手だ。

第1図から①△62銀 ②△52金に分岐する。

②△52金は▲35歩の仕掛けを警戒した手だ。

第2図

手順 △52金▲35歩△同歩▲46銀△34銀▲38飛△43金右▲35銀△同銀▲同飛△34歩▲38飛△54歩。

△52金に▲35歩とつくと、△同歩と取ることができる。

▲46銀△34銀▲38飛に△43金右がある。これが大きい。

先手がたくさん動かした銀と手数をかけていない後手の銀が交換になっているので、銀交換すると先手の手損になる。

最終図は先手不満だ。

△52金を見たら、▲58金右ー▲78玉と持久戦にシフトする。この変化も深い。

今回は①△62銀の変化を調べる。狙いは△74歩ー△73銀と繰り出して先手の角をいじめることだ。

この変化を後手が選ぶ場合、9筋の交換が必要だ。▲95角のラインがちらつくと、後手は思うように攻めることができない。

手順 △62銀▲35歩△同歩▲46銀△34銀▲38飛△52金▲35銀△同銀▲同飛△43金右▲34歩。

△62銀なら▲35歩と仕掛けることができる。

△35同歩なら▲46銀と繰り出して、△52金ー△43金右が間に合わない。

▲46銀に△36歩も▲26飛から▲35銀を目指せば先手指せる。

▲34歩と先着でき、先手指せる。

第3図

手順 ▲35歩△74歩▲26銀△73銀▲34歩△同銀▲38飛△43銀▲35銀△64銀。

▲35歩を放置して、△74歩ー△73銀を急ぐ。

△74歩に▲26銀、▲38飛、▲34歩△同銀▲38飛のいずれも合流する可能性が高い。

単に▲26銀としたのは△73銀に▲38飛の含みを残した手だが、△54歩▲34歩△42角▲35銀△86歩で後手が切り返せる。

3筋を取り込ませる感覚は珍しいが、雁木においては頻出する指し方だ。後手雁木には独特な感覚が求められる。

お互い銀を繰り出した最終図、先手はどう攻めていくか。

手順 ▲34歩△22角▲58金右△75歩▲36飛。

▲34歩と拠点が作れたことに満足して▲58金右から持久戦を目指すのはどうか。

△75歩に▲同歩は△同銀で銀の進軍を許すので、▲36飛と横利きで受ける。

最終図は後手の手がとても広い局面だ。

△86歩▲同歩△76歩▲同飛△85歩。△76歩▲同飛△38歩。△76歩▲同飛△54歩。△76歩▲同飛△72飛。△33歩▲同歩成△同金▲34歩△76歩。などが浮かぶ。

どれも考えられる変化だが、△33歩とする変化の進行例を見てみたい。

手順 △33歩▲同歩成△同金▲24歩△同歩▲26飛△76歩▲66角△32銀。

△33歩に▲同歩成△同金▲34歩とするのは一回△76歩が入り、▲同飛は△34銀。▲66角は△32金で先手不満だ。

そこで△33歩▲同歩成△同金に▲24歩△同歩▲26飛と戦場をずらす。▲24歩に△34歩は▲23歩成△35歩▲26飛で先手良しだ。

▲26飛に△76歩▲66角△32銀が好手で、歩得の後手が十分だろう。

▲24銀で金銀交換になるが、銀を渡すと△65銀打で角が取られる。△76歩の拠点が大きく、先手が手を出しづらい状態だ。

手順 ▲28飛△75歩▲同歩△86歩▲同歩△76歩▲66角△45歩。

▲34歩は拠点ができるが、生かせるが微妙だった。そこで▲28飛で▲24歩からの棒銀を狙う手はどうか。

△75歩に▲24歩とするのは、△76歩▲66角△24歩▲同銀△同角▲同飛△23歩▲26飛△65銀打で角を取り返すことができる。これは後手指せる。

もし9筋の交換がなかったら、△75歩に▲24歩で先手指せる変化になる。

▲28飛△75歩に▲24歩で、△76歩は▲95角が王手になる。よって△24同歩になるが、▲同銀△同角▲同飛△23歩▲26飛で今度は先手の角が取られない。

△86歩▲同歩△75歩と工夫しても、▲95角の王手飛車があるので将来△86飛と走ることができない。この変化も後手が損している。

後手が△74歩ー△73銀の変化をやる場合、後手は9筋の交換を入れる必要がありそうだ。

9筋が入っていれば△75歩▲同歩△86歩▲同歩△76歩▲66角まで入り、そこで△45歩と角を捌きに行く。

手順 ▲33角成△同桂▲34歩△55角▲33歩成△88角成▲32と△同銀▲15角。

▲33角成に△同桂は自然な応手だが、▲34歩と踏み込んで先手良しになる。

△55角で両取りがかかるが、構わず▲33歩成とする。△同金は▲66角がある。

▲33歩成に△28角成は▲74桂が入るのが大きい。△72飛に▲32とで、△同飛は▲15角△52玉▲33金。△同銀は▲44銀で先手優勢だ。

△88角成▲32とに△86飛は▲59玉△32銀に▲98桂が好手で先手良しだ。△87飛成は▲86金。△82飛は▲83歩△同飛▲74角の要領で飛車をいじめることができる。

△32同銀も最終図▲15角が厳しく、これも先手指せる。以下△33歩なら▲24歩△同歩▲74桂△86飛▲24銀で、次に▲33銀成を狙う。

△33同桂とはできない。△33同金が勝る。

第4図

手順 ▲37歩△55角▲66角△同角▲同歩△32金。

次に△55角の両取りがあるので先手はケアする必要がある。

▲37歩は手堅い一手だ。

△55角に▲78金と受けるのは、△75銀で次に△87歩▲同金△86銀がある。△75銀に▲56歩と追っても△88角成▲同金△86銀で攻めが続く。

よって△55角には▲66角△同角▲同歩としておく。

以下△75銀と出ると▲24歩△同歩▲同銀があるので、△32金は未然に警戒した手だ。

手順 ▲24歩△同歩▲同銀△46歩▲同歩△86飛▲87歩△27歩▲同飛△77歩成▲同玉△76飛▲同玉△54角。

△32金に▲24歩△同歩▲同銀と行くとどうなるか。

対して△46歩が好手だ。△54角のラインを作りつつ、▲21飛成のとき△41歩とできるようにしている。

△46歩に▲35銀は△33桂が良い手。▲21飛成△31歩で、△47歩成と△12角の両狙いになる。よって△33桂に▲46銀と戻すが、△25歩と上が受けることができる。

△46歩に▲同歩は△86飛▲87歩△27歩▲同飛△77歩成▲同玉△76飛▲同玉△54角と進んで王手飛車がかかる。

最終図は後手良しだ。

▲24歩△同歩▲同銀と行きづらいなら代えて▲78金から駒組することになるが、これは一局だ。

以下△86飛として後手十分な展開だろう。

手順 ▲66角△75銀▲34歩△66銀▲33歩成△同桂▲66歩△64角。

▲37歩以外の手も見てみたい。

▲66角はラインをキープする自然な手だが、この場合△75銀が成立する。▲同角は△55角で困る。

▲34歩は△同銀なら▲33角成△同桂▲34銀△55角▲33銀成と踏み込む狙いだが、▲34歩に△66銀とさっぱり指すのが有力だ。

最終図△64角が急所の一手で後手指せる。

手順 ▲37角△32金▲24歩△同歩▲同銀△46歩▲同角△26歩。

▲37角は△55角を打たせない意味だが、△36歩などで角をいじめられるリスクがある。

▲37角に△34銀も有力で、▲同銀△同金▲38飛は△35銀で後手が手厚い。△34銀に▲24歩は△35銀▲23歩成△34金▲15角で、△52玉でも△62玉でも▲33とから飛車が成りこめそうだ。

形勢は難解だが後手は怖い格好になるので、△32金の方が無難だろう。

▲24歩△同歩▲同銀を誘って、反撃する。

▲24同銀に、△27歩▲同飛△44角▲78金△88角成▲同金△36銀は直線的な変化だ。△46歩▲同角△26歩は次に△27角を見ていて、曲線的な変化と言える。

いずれも有力で、後手指せる変化だ。

まとめ

今回は後手の雁木に対して▲37銀とする変化を見てきた。

後手は①△62銀 ②△52金に分岐する。

①は▲35歩を放置して攻め合い志向 ②は△43金右を用意した受けの志向の手だ。

①を選ぶなら後手は9筋の交換を入れたい。

△64銀の局面で▲34歩△22角▲58金右とする順もあるが、▲58金右を保留した甲斐がない。

▲28飛は▲58金右保留を生かした手順だが、△75歩▲同歩△86歩▲同歩△76歩▲66角△45歩▲33角成△同金となった図は難しい。

△33同桂だと▲34歩で先手良しだ。

▲58金右を保留して▲35歩と仕掛ける順は、どこまで得を生かせるか微妙なところ。

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