目次

第1図

第1図の直前は△62銀や△54銀も考えられる。

△62銀の変化はこちらから。

△54銀と出る将棋はこちらから。

△52金とするのは、▲35歩の仕掛けを警戒した手だ。

手順 ▲35歩△同歩▲46銀△34銀▲38飛△43金右▲35銀△同銀▲同飛△34歩▲36飛△62銀。

△52金に▲35歩と仕掛けると、△同歩▲46銀△34銀▲38飛となったとき△43金右の応援がきく。

先手は銀交換できたものの、銀の動きに手数をかけたので最終図は手損になっている。後手不満ない序盤だ。

手順 ▲58金右△62銀▲46銀△54銀▲35歩△45歩▲33角成△同桂▲37銀△35歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲26飛△43金右。

△52金を見て▲58金右と上がる。

先手は▲35歩△同歩▲46銀と仕掛けると△34銀から△43金右とされるので、▲46銀ー▲35歩と仕掛けたい。

しかしすぐ▲46銀と出ると△54銀がある。次に△65銀と△45歩を見ている。

▲33角成△同桂に▲34歩△46歩▲33歩成△同金▲22角は△55角で後手良し。▲78銀型ならば先手良しの変化だ。▲88銀型だから△54銀が成立する。

最終図は先手失敗だ。

手順 ▲56歩△65銀▲35歩△76銀▲66角△45歩▲33角成△同金▲45銀△86歩▲同歩△同飛▲78金。

△54銀には▲56歩とする手は有力だ。△45歩に▲55銀と出れるようにしている。

△65銀には▲35歩から攻め合う。先手陣も傷むが、後手陣も傷んでいる。

▲66角に△65銀と千日手模様にするのは、▲34歩△22角▲77角△76銀▲24歩△同歩▲35銀で先手良し。

手順△33同桂は▲21角の筋がある。

最終図はこれからの将棋だ。▲56歩に△43金右▲35歩△45歩の変化も考えられる。

▲46銀に△54銀は常にあり得る筋で、△54歩と突いたのを見て▲46銀と出る方が無難だろう。

第2図

手順 ▲78玉△54歩▲46銀△53銀▲35歩。

▲46銀には△54銀があったので、一回▲78玉と寄る。ここで①△54歩 ②△74歩に分岐する。

△54歩を見たら▲46銀と出る。△53銀▲35歩と進んで、先手が思い描いた局面になった。

手順 △45歩▲同銀△35歩▲56銀△74歩▲46歩。

▲35歩の仕掛けに△45歩は手筋の受けだが、▲同銀△35歩▲56銀で先手十分だ。

先手は3筋の歩が持ち駒になっている。後手も4筋の歩が持ち駒になっているが、4筋の歩は受けの駒だ。△44歩と受けても、▲45歩△同歩▲37桂とすぐ争点になる。△45歩▲同銀△35歩のやり取りは先手が得する。

手順 △64銀▲38飛△65銀▲34歩△42角▲59角△76銀▲77歩△65銀▲35銀。

△45歩は後手が作戦負けになる恐れがある。そこで3筋を放棄し、△64銀ー△65銀と攻める手は考えられる。

しかし▲59角ー▲77歩が固い。先手陣を低く構え、▲35銀で3筋をしっかり守れば先手指せる。

単騎の銀では攻めが軽い。後手はもっと工夫が求められる。

手順 △74歩▲34歩△42角▲24歩△同歩▲35銀△75歩▲44銀△76歩▲66角△55歩▲43銀成△同金左▲22歩△65銀打。

△74歩から△75歩を目指す方が勝る。これなら△65銀よりも攻めが厚い。

▲35銀から▲44銀と攻めるが、△55歩で止まる。

▲43銀成に△同金右が自然だが、▲22歩△同金▲23歩△32金▲22銀で後手の駒が近い意味がある。△同金左は▲22歩を許すが、受け流して攻め合いを目指す。

最終図は後手に楽しみが多い。▲35銀ー▲44銀は先手が妥協しない手だ。代えて▲36飛では後手の言い分を通す。△42角の局面は後手十分かもしれない。

この展開は9筋の交換があるかないかで、評価が変わる。

手順 △74歩▲34歩△42角▲24歩△同歩▲35銀△75歩▲22歩△同金▲44銀△76歩▲66角△55歩▲43銀成△同金▲23歩△32金▲22銀。

9筋が入ってない場合、同じように進んだとき▲22歩が入る。△76歩に▲95角が王手になるからだ。

9筋が入っていると、▲22歩に△76歩▲66角△65銀で後手良しになるところだ。

▲22歩△同金▲44銀とすれば今度は▲43銀成に△同金左とは取れない。▲23歩△32金▲22銀と進んで攻めが繋がる。

手順中△76歩に▲95角△61玉▲43銀成△同金▲23歩△32金▲22銀もあるが、△同金▲同歩成△94歩で、▲59角は△86歩からどんどん攻める。▲62金は△同飛▲同角成△同玉▲32と△53角▲33歩成△44角が詰めろになる。先手怖いところだろう。

第3図

手順 △74歩▲46銀△75歩▲同歩△72飛▲66角△73銀▲77銀△64銀▲76銀△54銀。

次に△54歩に代えて△74歩の変化を見てみたい。

▲46銀と繰り出すと、△75歩▲同歩△72飛が狙いだ。同じように△54銀だと▲35歩△45歩▲33角成△同桂▲34歩△46歩▲33歩成△同金▲22角で先手良し。▲88銀に紐がついている。

△72飛に▲66角で一回は受かるが、△73銀ー△64銀ー△54銀と銀を繰り出して次に△65銀左を狙う。

形勢は難しいが、▲46銀が使いづらく先手が選びたくない変化だ。

手順 ▲35歩△同歩▲26銀△34銀▲56歩△75歩▲68角△76歩▲35銀△同銀▲同角△43金右▲24歩△同歩▲同角△同角▲同飛△23歩▲26飛△52玉▲68金上。

△74歩には▲35歩△同歩▲26銀と仕掛ける手が有力だ。

△52金型では△34銀▲38飛△43金右とされると言ったが、今回△34銀には▲56歩が好手だ。次は▲68角と角で銀交換をする。飛車のときと違って、銀交換したあと▲24歩や▲46角など狙いがある。駒の効率が良い。

△75歩は反撃で、▲同歩は△43金右▲68角△45歩▲35銀△同銀▲同角△86歩▲同歩△同飛▲87歩△84飛で後手の駒がスムーズだ。

▲75同歩に△72飛は▲66角△73銀▲38飛から▲35銀を狙えば先手指せる。

▲35同角に△43金右と上がったので、結局▲56歩に△43金右▲68角△75歩とした場合と合流している。

△52玉に▲55歩で△76歩を取りにいきたいが、△86歩▲同歩△同飛で十字飛車がある。じっと▲68金上と備える方が勝る。

最終図は先手十分だ。△76歩の拠点は許すが、先手陣の方が安定している。

手順 △43金右▲68角△36歩▲38飛△54歩▲36飛△42角▲77銀△73桂▲37桂△33金寄▲66歩△41玉▲67金△43銀▲88玉△34歩▲78金。

△75歩と仕掛けず△36歩として▲38飛ー▲36飛と取らせる間に駒組する順も考えられる。

▲37桂で次に▲35歩を狙っているが、△33金寄が柔軟な受けだ。以下お互い駒組になる。

最終図、先手は矢倉に組めた。後手は金銀の動きで手損している。ここまで十分に駒組できれば先手持ちだ。

最終図から▲46歩ー▲45歩△同歩▲同桂△44金▲46歩ー▲35歩が実現すれば先手ペースになる。

手順 △45歩▲36飛△44金▲37桂△73桂▲77銀△64歩▲66銀。

△54歩ー△42角は後手が駒組負けする恐れがある。△45歩から△44金とするのは厚みを重視した指し方だ。

対して▲35歩と打つ手もあるが、△43銀で楽な格好になる。▲35歩を保留して▲37桂とするのはギリギリまで▲35歩と打たず、少しでも得しようとする手だ。

▲37桂に△35歩は▲同銀△同銀▲同角△同金▲同飛で、△88角成▲同玉△44角は▲55角。△44角打は▲33飛成で先手優勢だ。先手陣が固いので乱暴な攻めも成立する。

△73桂で次に△35歩を狙うが、そこで先手の方針がいくつかある。

▲77銀と上がると△86歩▲同歩△85歩の攻めがいつでもちらつく。△73桂に▲66歩は△64歩で6筋が争点になる。▲79金は▲88銀に紐をつけた手だが、形が悪くなる。どれも形勢は難解なので、どの手を選ぶかは棋風によるだろう。

その中でも▲77銀から▲66銀とするのは一番積極的な手だ。次に▲55銀を見ている。こうした展開は▲35歩を保留しているのが生きる。

最終図以下△54歩と▲55銀を防ぐか、△52玉として▲55銀に△86歩▲同歩△43銀と柔軟に受ける手が予想される。

まとめ

今回は△52金と上がった将棋を見た。

△52金と上がられるとすぐ▲35歩とは行きづらい。△同歩▲46銀△34銀▲38飛△43金右の応援がきくからだ。

よって▲46銀ー▲35歩の仕掛けを目指す。しかしすぐ▲46銀は△54銀がある。△54歩を見てから▲46銀と上がりたい。

▲78玉△54歩▲46銀△53銀▲35歩に△45歩の変化は先手十分。▲35歩に△64銀▲38飛△74歩の変化は考えられる。この変化は9筋の交換があると後手は嬉しい。

▲78玉に△74歩は▲46銀に△75歩▲同歩△72飛を見ている。△74歩には▲35歩△同歩▲26銀△34銀▲56歩が好手順。次に▲68角を見ている。

▲56歩には△75歩と仕掛ける順と△43金右から駒組する順が考えられるが、いずれも先手が戦える。

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