今回は後手右玉に対して、▲68銀ー▲67銀と組み換える順を見ていきたい。

目次

第1図 テーマ図に至るまで

手順 ▲29飛△62金▲56歩△44歩▲68銀△42銀▲67銀△43銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛△33桂▲77桂△52金。

▲29飛に代えて▲56銀と上がり、△62金▲98香△44歩▲99玉△42銀▲67銀△43銀▲24歩・・・の進行は、こちらの記事で検討した変化と似ている。

違いは△52金か△62金かだ。

▲58金と一手で上がるか、▲48金ー▲58金と2手かけて行くかで、後手の金の位置が変わる。

この変化の場合は△52金型の方が後手玉が薄く、先手は攻めやすい。

△44歩ー△42銀と組み換えずに△52金ー△62金とひらすら待機した変化はこちらで検討した。

この場合も△52金型の方が先手は攻めやすいので、▲47金と上がるところを▲48金ー▲47金と2手かけて行っている。

後手右玉は待機する作戦なので、先手が手損しても気にならない。先手は△52金型にしたいので、あえて手を調整する指し方が出てくる

今回検討するのは、▲56銀ではなく、▲29飛ー▲56歩と駒組みする順だ。

以下▲68銀ー▲67銀と組み換えるのが先手の狙いだ。

▲68銀に△86歩と歩交換できるが、▲同歩△同飛▲87金と金冠に組んで先手満足。

金冠は上部が厚くなり、評価されている形だ。こちらの記事でも金冠を紹介した。

▲56銀と違って▲56歩は、攻撃力が乏しい駒組みなので、先手は千日手にならないように気を付ける。

第2図 テーマ図

手順 ▲25桂△同桂▲同飛△62玉▲29飛△51玉。

図から▲98香△62玉▲99飛と地下鉄飛車をするのは、△84飛と浮かれて効果なし。先手玉が戦場に近いのも気になる。

▲98香ー▲99飛とするなら、▲79玉ー▲68玉と引っ越しをしたい。

図からすぐ▲79玉ー▲68玉とすると、それに呼応して△62玉ー△51玉と後手も引っ越しする。後手が右玉でなくなると、▲98香ー▲99飛は効果が今ひとつだ。

先手は▲98香ー▲99飛と左辺で動く順と、▲26角や▲35歩のように右辺で動く順を天秤にしたい

まずは▲25桂と桂交換をする。桂交換すると手段が増える。

△同桂▲同飛に△86歩は、▲同歩△同飛▲87金△79角▲78玉△87飛成▲同玉△88金▲86玉で先手良し。

▲77桂を跳ねずに▲25桂とぶつけると、△同桂▲同飛△86歩の変化のとき、最後▲86玉に△85歩と押さえられる。以下▲77玉△65桂打▲同歩△同桂▲66玉△89金が△88角成の詰めろになる。

▲25同飛△62玉▲29飛に△72玉と寄ると、▲79玉△62玉▲26角△53角▲57桂と打って先手ペース。

この▲57桂が桂交換した狙いの一つだ。次に▲45歩ではなく、▲65歩△同歩▲同桂右と動いていける。

△51玉に先手の方針が問われる。

第3図 ▲79玉の変化

手順 ▲79玉△86歩▲同歩△同飛▲85桂打△同桂▲87歩△77桂成▲86歩△37桂▲25飛△87桂▲69玉△78成桂▲同玉△99桂成▲85飛△42玉▲81飛成△51桂。

▲79玉の変化から見ていきたい。

対して△62玉なら▲26角△53角▲57桂で第2図で検討した変化と合流する。

△42玉なら▲26角△53角▲15歩(▲48角と引いて次に▲15歩もある)△同歩▲14歩と、後手玉に近い筋から攻めることができる。

▲79玉に△86歩から歩交換をする。▲87金と上がれなくなった瞬間が交換のタイミングだ。

△62玉か△42玉かを保留することで、先手の手に対応しやすくしている。

△86同飛に▲85桂打は強い手だが、△同桂▲87歩△77桂成▲86歩に△37桂が好手でバランスが取れている。

単に△87桂▲69玉△78成桂▲同玉△99桂成とすると、▲81飛△42玉▲11飛成で先手良し。このとき△37桂▲25飛が入っていれば、△75桂▲同歩△24香や△89成桂▲同玉△77金と寄せにいける。

最終図は形勢不明だ。

第4図 ▲85桂打に代えて▲87歩

手順 ▲87歩△81飛▲35歩△同歩▲85桂打△61桂▲86歩△84歩▲73桂成△同桂▲55歩。

▲85桂打に代えて▲87歩も考えられる。

△81飛に▲35歩△同歩▲85桂打が面白い一手だ。△同桂▲同桂△同飛は▲73角がある。

△同桂▲同桂△62金は、▲45歩△同歩▲21角で先手良し。

△同桂▲同桂△61桂は▲86歩で、△84歩は▲73桂打△83飛▲61桂成△同玉▲73桂成△同飛▲82角と切り返せる。

最終図の▲55歩に△同歩なら▲45歩△同歩▲75歩△同歩▲74歩△同銀▲72角で攻めが続く。

▲55歩に手抜いて△85歩が予想され、難解だ。

△84歩に代えて△42玉も有力で、先手の攻めはギリギリだ。

第5図 ▲35歩の変化

手順 ▲35歩△同歩▲55歩。

▲79玉に代えて▲35歩も考えられる。

△35同歩に▲55歩と突いて、△同歩なら▲45歩△同歩▲65歩△同歩▲64歩△同銀▲44桂△同銀▲54角で先手良し。

▲55歩の局面は後手の手が広く、△95歩▲同歩△96歩や△75歩、△62玉などがある。

一気に激しい戦いになるが、後手玉が△51玉と中途半端な格好なので先手やってみたい変化だ。

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