テーマ図

今回は4手目△94歩と、それに対する先手の対策の7手目▲78金を検討したい。

▲78金のところですぐ▲24歩と行くとどうなるか。

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△88角成▲同銀△33角▲28飛△26歩▲77桂△22飛。

▲24同飛に△88角成▲同銀△33角が反撃筋。▲21飛成は△88角成で駒得になり、後手良しだ。▲28飛と引けば両取りが受かるが、△26歩から△22飛と回られて逆襲される。

最終図は後手十分だ。

7手目▲78金は角にひもを付けて、次に▲24歩から動く意図がある。これなら△33角と打てない。

4手目△94歩の意図についてはこちらの記事で検討した。

①△42飛

手順 △42飛▲24歩△同歩▲同飛△88角成▲同銀△22飛▲同飛成△同銀▲96歩△同歩▲92歩△同香▲91飛△97歩成▲同桂△同香成▲同香△28歩▲同銀△89角。

▲78金に△42飛と角交換振り飛車を目指す手は有力。▲78金と上がった理屈上は▲24歩と行くが、△同歩▲同飛に△22飛と対抗する。

△22飛に代えて△22銀もあるが、▲28飛△32金▲68玉となって2筋の歩交換できたのは嬉しい。▲28飛で先に▲68玉とすると△31金▲28飛△33銀の変化があるので、▲28飛と引いて△31金に▲24歩を用意するのが良いだろう。

△22飛に▲23歩は△42飛▲68玉△32金となって、▲23歩が負担になる。

▲22同飛成△同銀▲96歩は△95歩を咎める指し方だ。しかし最終図△89角まで進むと後手指せる。

最終図以下、▲79金は△67角成、▲68金は△55桂、▲69玉と▲68玉は△84桂、▲79香は△78角成▲同香△89飛でいずれも攻めが続く。

▲96歩の攻めが後手大丈夫なら、△42飛は有力な指し方だ。

②△32金

手順 △32金▲24歩△同歩▲同飛△52飛▲28飛△23歩▲48銀△62玉▲69玉△54歩▲66歩△72玉。

△32金と上がるのは無難な指し方。▲24歩△同歩▲同飛の交換を許すが、△52飛か△42飛と飛車を振って穏やかに指す。△42飛だと①の変化で△88角成に代えて△32金とした変化を合流するので、ここでは△52飛にした。

歩交換できたのが先手のポイントだが、最終図はこれからの将棋だ。ただ後手が指したい将棋かどうかは分からない。

③△88角成

手順 △88角成▲同銀△22銀▲24歩△同歩▲同飛△35角▲28飛△57角成▲36角△32飛▲63角成△72銀▲53馬△42金。

△88角成▲同銀△22銀とする手もある。次に△33銀と上がれれば一安心だ。先手はその前に▲24歩△同歩▲同飛と行く。

▲24同飛に△42飛は、①の変化で△22飛に代えて△22銀とした変化と合流する。▲24同飛に△32金▲28飛△42飛も①と②の変化に合流する。工夫するなら▲24同飛に△31金で、▲28飛△33銀で次に△22飛を見せる。△33銀に▲23飛成は△24歩で竜が狭い。△33銀には▲24歩△22歩▲68玉から駒組になりそうで、2筋の関係をどう見るか。先手不満ないだろう。

▲24同飛に△35角は部分的に厳しい手だが、▲28飛△57角成▲36角が用意の切り返しだ。▲15角も見えるが、△33桂で、▲22飛成△同飛▲33角成は△42飛。▲23歩△14歩▲22歩成△15歩▲11と△25歩で後手指せる。

▲36角に△62飛は▲52歩が痛い。▲36角は唯一の打ち場所で、▲18角は△27歩▲同角△62飛で受かる。▲45角にも△27歩▲同飛△26歩▲同飛△35馬がある。

▲36角に△27歩▲同飛△26歩▲同飛△35馬▲28飛△54歩▲同角△52飛▲55歩△53馬とすれば先手の角成りを受けることができるが、▲77銀から駒組して歩得が大きく、先手作戦勝ちだ。

▲36角に△32金▲63角成△52金は自然だが、9筋の位が生きるか微妙な展開になる。△32飛と振り飛車の展開にした方が、気持ち9筋の位が生きている。△32飛に▲24歩は△33飛で受かる。

他にも△35馬▲63角成△26歩と、飛車を押さえ込む順も有力。

最終図は力戦だ。一手一手難しい将棋だ。

まとめ

7手目▲78金は次に▲24歩と行く意図がある。

▲78金に△32金は穏やかな展開。△32金と上がって振り飛車にすると、△52金左と上がる美濃囲いには組めない。

△32金と上がらずに△42飛と振り飛車にできれば嬉しい。▲24歩△同歩▲同飛には△88角成▲同銀△22飛と反撃する。▲22同飛成△同銀▲96歩は後手も戦える。

▲78金に△88角成▲同銀△22銀は、お互い馬を作って力戦になる。

いずれも考えられる変化で、▲78金で△95歩を咎め切れているかは微妙なところ。

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