三段リーグで指した将棋を振り返りたい。
雁木に対して▲37銀と繰り出して戦った。後手は△32銀型で待機する工夫を見せた。
詳しくは、雁木△32銀型の記事をご覧ください。
問題図(△65桂の図)
問題図は先手が私で、後手が相手だ。
お互い玉が危なく、終盤戦に入っている。
△65桂は▲21馬の利きを止めつつ先手玉に迫る一石二鳥の手だ。
ここで四択問題を出したい。まずは形勢判断をしてほしい。
四択のどの手も有力だが、方針が分かりやすい一手を選んでほしい。
本譜▲22飛成 正着だった
手順 ▲22飛成△71金▲46銀△86飛▲59玉。
本譜は▲22飛成と成った。この手は正着だったようだ。△32歩は▲43桂△52玉▲32馬で受けがない。
本譜は△71金と寄ってきた。
対して▲31馬と寄ったが敗着で、△47歩成▲41馬△61玉で先手負けになった。先手玉は△57と以下の詰めろで、後手玉は詰まない。▲85桂の詰めろ逃れの詰めろに期待していたが、△同飛▲同歩△57と▲79玉△68銀以下詰む。
△71金には▲46銀と戻すのが勝った。寄せ切りたい、という思いが▲46銀という冷静な手の見落としに繋がった。
△86飛にすぐ▲43馬は△77桂成で抜かれるので、一回▲59玉と引いて△88飛成を待ってから▲43馬と引く。
▲22飛成に△52金は、▲44桂△47歩成▲52桂成△同銀▲42金△61玉▲52金△72玉(△71玉は▲62金△同飛▲同竜△同玉▲73銀△同玉▲74歩から上部を厚くして先手勝ち)▲62金△83玉▲74銀△同玉▲75歩△83玉▲74金△93玉▲84銀△同飛▲同金△同玉▲74飛△93玉▲65馬が詰めろ逃れの詰めろで先手勝ち。
最終図は先手良し。
自然な手が正解というセオリーを問題にしてみた。好手を指すのも大変だが、自然な手を指すことも大変だ。
単に▲46銀の変化
手順 ▲46銀△32銀打▲31馬△48歩▲同金△36桂。
単に▲46銀と戻すのも悪い手ではない。ただ△32銀打で粘られる。
これに▲22飛成として△21銀▲43桂の詰みを狙いたいが、△57桂成▲同玉△21銀で後手良しになる。
▲31馬とよけるが、後手にターンが回る。△48歩▲同金△36桂と挟撃して、局面が複雑化する。
▲22飛成△71金の交換を入れてから▲46銀と戻した方が良いのは一目瞭然だ。
▲33桂も先手良しだが、逃がしている感がある
手順 ▲33桂△72金▲41桂成△61玉▲46銀。
▲33桂と詰めろをかけるのも有力。
しかし△72金▲41桂成△61玉で詰めろが続かない。よって▲46銀と戻すが、後手玉を逃がしている感がある。
これも先手指せるが、後手玉が遠くなるのが気になる。居玉のままにしておいた方が寄せやすい。
▲43桂は紛れる
手順 ▲43桂△52玉▲22飛成△42香▲31馬△51金▲同桂成△同銀。
▲43桂も見えるが、この場合は紛れる。
△52玉▲22飛成△42香▲31馬に△51金が受けの好手。
最終図から▲43金△61玉▲41馬と迫りたいが、△57桂成▲同玉△47歩成▲同玉△43香が王手飛車になる。
深追いは禁物だ。
局面の結論と反省
▲22飛成と成って先手良しだ。他にも魅力な手が見えるだけに、自然な手を積み重ねるのは大変なことだ。
本譜は△71金に▲31馬と寄ったので負けにした。▲46銀が冷静な一手だった。寄せばかり考えてしまい、後手の攻めを余すという転換ができなかった。
この反省は三段リーグ自戦振り返り#5と似ている。同じ失敗をしないことが大切だ。