今回は奨励会1級のときに指した将棋を紹介します。この局面は香落ちの中盤戦で、上手が私。相手が66の銀を▲75銀と進出したところだ。次に▲44角と飛び出せるが、そのときに11に香が無いため上手は受ける必要がない。むしろ香車が無い方が良い局面になっているので上手としては良い展開。ここからどうするか。

△56歩▲26歩△26同飛▲44角△23飛▲27歩△65銀▲86飛。

△56歩と垂らした。次に△24角~△33桂で5筋から攻めるのが狙い。本譜は▲26歩~▲44角とひねった対応をされた。そこで△25飛なら▲26歩で当てられてしまうので、△23飛としたが、▲27歩で、下手は76の飛車を自由に動かせる格好になった。次に▲56飛とされては困るので、当然△65銀。▲86飛とかわした局面はうまく指せば上手が良くできそうだ。どうするか。

△24角▲46歩△同角▲77桂△57角成▲同金△同歩成▲84歩△同歩▲41角。

△24角~△46同角は悪手。代えて△74歩と相手の攻め駒を追い払わなければいけなかった。後ほど解説する。

本譜は▲77桂が絶品。△54銀と逃げると▲56飛で垂れ歩を取り払われてしまうので、非常手段で△57角成と勝負したが、▲84歩~▲41角が激痛で勝負あり。△43飛と逃げると▲63角成△同飛▲83歩△同銀▲84銀△同銀▲83歩△同玉▲84飛△同玉▲85金△83玉▲84歩△72玉▲83銀でいきなり詰んでしまう。

では、△24角に代えて△74歩だったらどうなっていただろう。

△74歩▲66銀△33角▲同角成△同桂▲28玉△66銀▲同歩△45桂。

やはり自玉を安全にしておくことは大事である。△74歩で追いはらった後、△33角が素晴らしいぶつけ。39玉-86飛型なので王手角を狙いやすい。▲28玉とその筋を避けるぐらいだが、△66銀▲同歩△45桂と跳ねた局面は上手大成功。これぐらい気持ち良く捌きたかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA