奨励会1級のとき指した将棋を紹介します。

▲45 歩△同歩▲同桂。

この局面は先手三間飛車対居飛車の中盤戦。後手の私が△53 銀と上がった所。
ここで▲45 歩と仕掛けていったが、代えて▲77 桂とぶつける手が有力だった。後手は△64歩か△64 銀で桂を支えることになるが、そこで▲45 歩と仕掛ければ△64 角と引かれる心配がない。

本譜は単に▲45歩△同歩▲同桂となったので、後手にチャンスがきていたが・・・

△44 銀▲33 桂成△同銀▲46 歩△44 歩▲37 桂△81 飛。

対局中はチャンスがきている意識は全くなく、無難に△44 銀~△33 同銀で玉に守り駒をくっつけたが、そこで▲45 桂があっておかしかった。△44 銀と再度上がると▲86 飛△同歩▲71 角△42 飛▲53 桂成で先手優勢だ。
本譜は無難に指す意識が相手に伝わったのか、▲45 桂と打たずに▲46 歩としたため、こちらも無難に△44 歩。そこでも無難に▲37 桂。更に無難に△81 飛とかなり渋い展開になった。良い意味でも、悪い意味でも奨励会の対局らしい気がする。
では、△44 銀に代えてどう指すべきだったかというと・・・

△46 歩▲同金△64 角▲33 桂成△同金寄▲55 歩△44 銀。

△46 歩が好手。△64 角を予想した方もいると思うが、その手も悪くはない。後ほど解説する。△46 歩に対して▲48 金と逃げるのは大きな利かされで、△44 銀と逃げられて先手がはっきりまずい。よって、▲46 同金と取るが、そこで△64 角と引くのが好手順。46 に金を引っ張った効果で、▲46 歩と綺麗に蓋をすることができない。だからと言って▲47 歩と下から支えると△44 銀とされた後に 46 の金が呼吸困難に陥ってしまう。△64 角に対して、単に▲55 歩は考えられるが、△45 桂▲同金に強く△44 銀とぶつけられて先手が悪い。

よって、▲33 桂成△同金寄を入れてから▲55 歩ぐらいだが、△44 銀と上がって力を加える。局面は、同じ銀冠でも先手は 68 に銀が取り残されているのに対して、後手は争点である5筋と 4 筋で活躍が見込まれる 44 という好ポジションに就いているのが大きくはっきり後手が優勢だ。

△64 角▲46 歩△44 銀▲85 飛△45 銀▲65 飛△46 銀▲64 飛△同歩▲46 金△44 歩。

ここで単に△64 角も有力だが、▲46 歩と形良く受けられてしまうため、やや厳しさに欠ける。以下、△44 銀に、▲85 飛が好手。ここで▲33 桂成△同金寄を入れてから▲85 飛としてしまうと、△45 歩と歩で攻められてしまう。以下▲65 飛△46 歩▲64 飛に△47 歩成が成立してしまい、先手がまずい。

単に▲85 飛とすることで、△45 銀▲65 飛△46 銀▲64 飛とした時に攻めている駒が歩ではなく、銀に変わる。それにより、△47 銀成▲63 飛成△38 成銀▲同銀の時に、先手は歩ではなく銀を入手することができるため、そこまで痛くない。

よって、△47 銀成に代えて△64 同歩となり、▲46 金△44 歩と進む。その局面は先手が銀得だが、飛車を手持ちにしているのも大きく後手がやや指せる。しかし、この展開なら振り飛車側もやる気満々な気もするので、一発△46 歩と叩くのが急所だった。
まぁ私はここで攻める発想すら無かったので論外なんですけどね・・・
結果勝ったから良いんです!!!笑

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