将棋ジャム運営メンバー内での対戦を、感想戦付きで配信していくこの企画。

今回登場するのは当サイトの管理人と、ライターのたいちたです。サイト設立以来、謎のヴェールに包まれてきた管理人の実力を、とくとご覧ください。

先手:管理人
後手:たいちた

途中まで前回のKentaさんと私の一戦と似た進行です。
▲58金右~▲56歩を急いだのが管理人工夫の序盤戦術でした。見慣れない形ですが、△73銀と上がった以上はこちらも初志貫徹で攻めていくよりありません。

△75歩▲同歩△同銀と五段目に銀を進出し、部分的には成功とされる形ですが、次譜で先手の狙いが明らかになります。

▲78金と手厚く構えられるのが▲79玉型のメリット。勢いは△86歩▲同歩△同銀ですが、▲55角と飛車取りで逃げられて盛大に空振りします。

続く▲68角は持ち時間20分のうち、5分超を費やす長考。一体なにをそんなに考えているのかと思えば、代えて▲57銀~▲66銀(下図)とぶつけていく手も相当に有力だったということです。

形勢は難しいかもしれませんが、▲66銀に対して取るのも引くのも銀の動きで言えば手損ですし、最終図から▲77銀上~▲46角のように進むと7筋の歩交換まで後手の損に働きそうで、いかにもマウントを取られた雰囲気です。

本譜は穏便に矢倉に組み切ろうという手順で、これも順当にやや作戦負けな気がします。種明かしをすると、よくある雁木対早繰り銀模様の駒組から、△73銀を見て矢倉調にシフトするのが管理人が温めていた構想。(再掲図)

持久戦になった際に歩越し銀は悪形なので、相早繰り銀では持久戦になりようもないですが、▲48銀型で待機し、一旦攻めをせき止めて流れを緩やかにすれば自然と作戦勝ちできるいうカラクリです。

船囲いの甲板に仁王立ちする大将目掛けて進軍していたはずが、標的が突然消えて堅牢な城が立ち上がったかのような錯覚に襲われました。強い人の船は深いみたいです。

後手としては▲37銀を見てから△73銀と出動する方が無難であり、上図で代えて△43銀などと手待ちをすれば通常の雁木対早繰り銀に戻りそうです。

序盤戦は一本取られた模様。続きは中盤編にて。

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