研修会のときに指したプロ棋士との駒落ち戦を解説していきます。
今回は研修会E1クラスのときの、瀬川晶司先生(当時四段)との二枚落ち戦を初手から解説します。
初手からここまでは前回解説した二枚落ちvs金井戦とほぼ同じ進行だ。
金井戦は△52金だったが、今回は△62金と上がってこられた。52金型だとどこかで▲41銀の割打ちが気になるところだが、62金型ならその心配はない。下手はここからどうするか。
金井戦同様、▲77銀から55の歩を取りにいく。上手は△65銀左でその狙いを防ぎ、手薄になった4筋を△53金でカバー。△62玉まで進んだ局面は金井戦と比較して52金-74歩型か53金-73歩型かの違いしかない。この局面でもやはり攻めていきたいがどうするか。
ここでも▲66銀とぶつけてしまうのが良い。ぶつけないと角が使いづらくて仕方ないだろう。
△54金と上がった局面で何を指すか難しいが、上手の主張点である55の歩を取ることを目標に指していきたい。どうするか。
▲77桂~▲66銀が良い構想。▲55銀右まで進んだ局面は下手が盤面全体を制圧している印象だ。
ここから更に有利を拡大するにはどうするべきか。使えていない駒はどれ?
▲96歩~▲97角がうまい指し方。使えていなかった角を働かせることができるうえに、次に▲53角成△同玉▲44歩と攻める手を狙っている。上手はそれを嫌って△52金と引いたが、今度は▲64歩から銀交換して下手大成功。ここから上手陣を攻略するために間違いのない指し方は何だろうか。
攻める時に大駒が相手陣に近すぎると何かの拍子に切り返される可能性がある。よって、▲28角が安全な指し方だ。その後は急所の桂頭を狙えば分かりやすい。△65歩に対しては▲55銀とかわすほうが間違いがなくオススメだが、本譜は最速の寄せを目指した。▲47金の局面で上手の投了。下手の快勝譜となった。
二枚落ちでは中央で銀を働かせて抑え込むことが上手、下手の勝ちパターンなので、そこでの戦いを意識して指すことがポイントだ。コツをつかめばプロ棋士にも勝てるので、頑張ってください!!