角換わりの重要な課題局面を検討したい。
目次
第1図 テーマ図
手順 △66角▲77歩△75桂。
図から△66角と王手する。代えて△74歩もあるところ。
対して▲77角とすると、△同角成▲同桂△84桂▲75銀△76歩▲85桂△同桂▲同歩のとき、△96桂とできる。△95歩▲同歩が入っている変化と比べて先手が損している。
▲77歩としたい。
ただ角当たりにはなっていないので、△75桂と攻めてくる。
この図が今回のテーマだ。先手はどう対応するのが良いか。
第2図 テーマ図に至るまでの手順
手順 ▲45桂△22銀▲35歩△44歩▲34歩△45歩▲同歩△65歩▲同歩△75歩▲64歩△76歩▲同銀△86歩▲同歩△同飛▲87金△81飛▲86歩△66角▲77歩△75桂。
テーマ図に至るまでの手順を簡単に振り返りたい。
先手は▲88玉型で▲45桂と仕掛ける。
▲45桂に△44銀とかわす変化はこちらで検討した。
▲45桂に△22銀▲35歩△同歩▲15歩△同歩▲24歩△同歩▲同飛△44歩とする変化はこちらで検討した。
今回は▲45桂△22銀▲35歩に△44歩とする変化だ。後手は桂得できるが△22銀が壁銀なので、一つミスをすると一気に負ける。一直線の展開になりやすく、読みの力が必要だ。
△65歩▲同歩に、△95歩▲同歩を入れて△75歩とする進行もある。
△95歩▲同歩が入っている場合は、▲87金△81飛に▲82歩△同飛▲71角△72飛▲62角成△同飛▲74歩△64飛▲66歩の変化がやりやすくなっている。9筋の突き捨てがない場合と比べて、先手が一歩多く持っている点と、▲97玉ー▲96玉と上部が広い点で先手が得している。
9筋が入っていない場合は△81飛▲86歩になり、△66角▲77歩△75桂でテーマ図になる。
第3図 △75桂に▲69飛は後手良し
手順 ▲69飛△65歩▲75銀△同角▲55銀△同銀▲63歩成△85歩▲同歩△同桂▲86歩△同角▲同金△77桂成▲同玉△66銀打▲87玉△85歩。
△75桂に▲69飛と回る変化から見ていきたい。
△65歩に、▲75銀△同角▲55銀△同銀▲63歩成が狙い筋だ。△同金▲72角となれば先手良し。
しかしこの瞬間に△85歩▲同歩△同桂▲86歩△同角と猛攻して後手良しになる。
最終図以下▲76金は△75歩で、▲62とが詰めろにならないので△76歩で先手負け。
△95歩▲同歩が入っていると、最終図の△85歩に▲96金と寄れるので先手が耐えている。
第4図 △95歩▲同歩が入ってる場合の▲69飛
手順 ▲69飛△65歩▲75銀△同角▲55銀△同銀▲63歩成△85歩▲同歩△63金▲72角△85飛▲63角成△86歩▲85馬△87歩成▲同玉△85桂▲72飛△52角▲63金△86銀▲76玉。
△95歩▲同歩が入っている場合先手は、▲87金△81飛に▲82歩の変化や、△66角に▲77角の変化がやりやすくなっている。それらの変化をスルーし、▲86歩、▲77歩を選んだ場合と比較したい。
△95歩▲同歩が入っている場合は、△75桂に▲69飛が有力だ。
詳しくはこちらの記事で検討した。
最終図以下、△77桂成は▲同桂△同銀成▲75玉△64金▲同金△同銀▲同玉△63銀▲73玉△72銀▲同玉△71歩▲同玉△61飛▲82玉で後手の攻め駒が少ない。
最終図から△61金は、▲52金△同金▲44桂△同銀▲同歩△63銀▲71飛成△66歩▲65玉で先手指せる。将来▲56玉ー▲47玉とスルスル逃げることができる。
第5図 △75桂に▲44角の変化
手順 ▲44角△同角▲同歩△87桂成▲同銀△67歩▲46桂△68歩成▲54桂△同歩▲63歩成△同金▲72角△75桂▲76銀打△87桂成▲同銀△79銀▲同飛△同と▲同玉△88歩▲81角成△89歩成▲同玉△68飛。
▲69飛は後手が指せた。代えて▲44角が有力だ。
以下△44同角▲同歩△87桂成▲同銀に△67歩が嫌味な垂れ歩。▲同銀は△85歩▲同歩△同飛▲86歩△45飛と回って後手指せる。
△67歩を放置して▲46桂と攻め合う。△72角と受けても▲76角が好手で、以下△68歩成▲54桂△同角▲同角△同歩となった図は、単に△68歩成▲54桂△同歩とした局面と合流している。
▲63歩成にすぐ△75桂は▲64角があるので、△63同金▲72角としてから△75桂を打つ。
△75桂に▲63角成は、△87桂成▲同玉△78銀▲76玉△65金▲同銀△87角以下詰む。だから△75桂に▲76銀打と受ける。
△87桂成▲同銀に△69銀と詰めろをかけるのは▲79桂で詰めろが続かない。
△79銀▲同飛△同と▲同玉に△88歩を放ち、▲63角成は△89歩成▲同玉△69飛が王手馬取りだ。
▲81角成と飛車を取り、△89歩成▲同玉△68飛となった図がどうか。
第6図 △68飛の局面の評価
手順 ▲88桂△69角▲78銀打△75桂▲63馬△同飛成▲69銀。
△68飛の局面の形勢判断が難しい。まず△88金の一手詰めをどう受けるか。
▲79銀は受けになっておらず、△97桂▲同香△98角▲同銀△88歩以下詰み。
▲43銀△同金▲同歩成△同玉となれば▲78金で弾けるが、▲43銀には△53玉とかわされる。
▲88桂が考えられる。
以下△69飛成は▲79飛△97桂▲同香△98角▲同玉△79竜▲43銀△51玉▲89桂△68飛▲78角で、後手は飛車を渡せないので先手玉への詰めろが途切れる。
△79竜のときに▲43銀と打つのがポイントで、△同金▲同歩成△同玉なら▲89金と弾ける。▲43銀△51玉と引かせてから▲89桂と受けに回る。
▲88桂に△69角も気になる一手だ。▲78銀打△75桂で、▲69銀は△同飛成▲79飛△87桂成で必至。
△75桂に▲63馬△同飛成▲69銀が好手順だ。△同竜なら▲79金で弾ける。
▲69銀に△87桂成は▲43金と打ち込んでいき、△51玉▲53飛△同竜▲同金となると、先手玉は詰まず後手玉は寄りだ。
▲43金には△同金▲同歩成△同竜が勝るが、▲75角が攻防手となり先手指せそうだ。
まとめ
今回は△66角▲77歩△75桂と攻める将棋を検討した。
△95歩▲同歩が入っている場合は、▲69飛が有力で先手指せる。
△95歩▲同歩が入っていない場合、▲69飛と回ると、△65歩▲75銀△同角▲55銀△同銀▲63歩成△85歩▲同歩△同桂▲86歩に△同角が好手で後手指せる。
▲69飛に代えて▲44角が良さそうだ。
以下進んで△68飛の局面をどう見るか。先手陣は怖い格好だが、後手が先手玉を寄せ切るのも容易ではない。十分に考えられる変化だ。