第6図
△42玉型ー△75歩仕掛けのときは▲66歩とすると先手の主張がないと言った変化だが、△94歩型ー△75歩の仕掛けの場合は▲66歩も考えられる。△42玉の一手が入ってないので、▲65歩で銀を追える。対して△55銀には▲同銀△同歩▲64歩△同歩▲53角で先手指せる。△32玉まで囲われてから▲65歩とすると△55銀怖い。このとき△94歩の一手が甘いので、早めに▲65歩として銀を追うことができる。
この▲66歩を最初に検討したのは、△75歩▲同歩△同銀の変化が難解だからだ。激しい戦いを避けたい場合は、▲66歩として穏やかな将棋も有力だろう。次に△75歩に▲同歩を検討してみたい。
第7図
先手は習いの通り、▲24歩△同歩▲25歩から継ぎ歩をする。
対して①△86歩と②△76歩に分岐する。
まずは①の△86歩から。▲24歩に対して△27歩も習いのある反撃。△54角▲28飛に、△42玉型では△27歩だったが、△51玉型なので△26歩とできる。▲同飛は△87角成が成立する。後手玉が2筋から遠いので▲23歩成の次の▲33とが王手にならない。▲58飛以下△86歩▲同歩△23金▲55角△86飛とする変化と、△23金▲55角△22飛とする変化のいずれも考えられ、激しい戦いになる。
手順中△76飛もあるが、重く▲85角△73飛▲84銀から馬を作っても先手指せる。△42玉型では玉が安定していたのでやりづらかったが、居玉なので有力な筋だ。
ついでに△86同銀に▲55角の変化も比較しておこう。
▲55角に△73歩、△64角、△73角のどの受け方も考えられる。
△64角だと同じように進んで、△54角には▲45角と合わせて受けようとする狙い。△87角成だと▲83歩△同飛▲72銀がきく。△63歩型では成立しなかった筋だ。▲45角以下を簡単に。
△45同角▲同歩△26歩で▲同飛は△35角があるが、▲28飛で次の矢がない。△22飛にも▲63角△24飛▲44歩と対応して受かっている。
▲45角に△77歩は良いタイミング。▲54角は△78歩成▲23歩成△54歩▲33と△同桂▲21飛成△41金が予想される進行。先に飛車を成っているので先手を持ちたいところだろう。△78歩成に▲63角成だと△87飛成の攻めが早い。以下▲48玉△89竜▲23歩成は△35桂が詰めろになって先手負け。▲77同桂△87角成に今度▲83歩から連打して歩が足りるが、△77歩の効果で△77馬と王手で桂馬を取らるのが気になる。
一方で△77歩▲同桂△87角成に▲同金とすると、△89竜のとき桂馬が取れない。この変化も先手が指せる。
もし▲24歩に△27歩とされるのが怖いならば、取り込まずに▲55角、▲63角、▲86角もあって、この展開も作戦勝ちが見込める。
△73角は進んで、△86同飛に▲87銀と打ってしまうのが良さそう。△84飛と逃げると▲75角△54飛▲74歩で先手良しになる。△81飛と引いても▲74歩で狙いが実現する。△76銀は怖いが、▲98銀と引いて受かる。もちろん、△42玉型と同じように▲86銀に代えて▲88銀も有力だ。
△73歩型も同じように進めて、先手指せる。▲24歩のとき△27歩▲同飛△54角と反撃しやすい意味はあるが、冷静に対応しておけばいいだろう。
第7図で、①△86歩は先手が十分対応できた。△86同銀に▲86同銀と▲55角のいずれも有力だ。△76歩の変化はどうか。
△76歩に▲66銀は△同銀▲同歩△25歩で歩損が残る。
▲88銀に△64銀と55のラインをケアし、▲24歩には△22飛で逆襲を目指す。これも△42玉を保留したメリットの一つだ。先手はじっとしていられない。